不動産売却・一括査定コラム:不動産売却で確定申告が必要になるケースと受けられる控除について 不動産売却・一括査定コラム:不動産売却で確定申告が必要になるケースと受けられる控除について
不動産の基礎知識

不動産売却・一括査定コラム:不動産売却で確定申告が必要になるケースと受けられる控除について

不動産売却で確定申告が必要になるケースについて分かりやすく解説します。

不動産売却による譲渡所得があれば、確定申告を行う必要があります。
未申告のままでいると損をしてしまう可能性もあるため注意しましょう。
今回は、不動産売却で確定申告が必要になるケースについて分かりやすく解説します。
確定申告の概要や申告時に受けられる控除についても触れていくので、ぜひ参考にしてください。

確定申告とは

そもそも確定申告とは、所得額に対して正しい税金を算出するための手続きをいいます。
確定申告が必要な所得を得ているにもかかわらず、確定申告をしていないと納めるべき税金とは別途、加算税や延滞税を上乗せされてしまうので注意しましょう。
まずは、確定申告をしなければいけないケースや申告方法の種類について見ていきましょう。

◇確定申告が必要となる条件

確定申告は個人事業主だけが行うものとは限りません。
年末調整を行っている会社員であっても、次の所得があれば確定申告が必要となる可能性があります。

・配当所得
・不動産所得
・退職所得
・譲渡所得
・山林所得
・一時所得
・事業所得(個人事業主)
・2,000万円以上の給与所得
・副業などによる雑所得

◇年末調整との違い

確定申告は納税義務者本人が税金を算出するための手続きであるのに対し、年末調整は会社等の源泉徴収義務者が給与等を支払う際に徴収した税金の過不足を算出・精算することが目的の手続きです。
給与から天引きされている所得税には控除などが反映されていないため、税額が正確ではありません。そこで年末調整を行うことで多く徴収している、あるいは足りていない所得税額を算出し、追加徴収や還付を行います。
給与所得者の場合は、年末調整を行うと納税するべき税金の精算が済むため、上で挙げた所得を得ていなければ、確定申告の義務は免除されます。

◇青色申告・白色申告とは

確定申告には、異なる2種類の手続き方法があります。

・青色申告とは
複式簿記による帳簿を用いて確定申告を行うことで、特別控除が受けられる申告方法です。
青色申告をすると所得金額から65万円の控除が受けられるほか、家族の給与を経費として計上したり、3年間の赤字の繰り越しが可能となります。

・白色申告とは
簡易的な帳簿で確定申告できる方法です。
青色申告のような特別控除がないため、所得が多い人ほど税金は高くなります。
複式簿記による帳簿作成ができそうにない人や、控除の必要がないわずかな所得を申告したいという人に向いています。

不動産売却の際に確定申告が必要になるケースとは

不動産売却を行って得た利益は譲渡所得となり、確定申告が必要となります。
ただし、年末調整を行っている方の給与以外の所得が20万円を下回る場合は確定申告の必要がありません。

年末調整のない個人事業主や医療費控除を受けるために確定申告を行う方の場合、金額に関係なく不動産売却で得た譲渡所得の申告が必要となるので注意しましょう。

また、不動産売却により損失が出た場合も確定申告が不要だと判断されがちですが、確定申告することで損益通算(赤字金額を他の所得で相殺する計算方法)が適用できる可能性があります。不動産を売却することで損失が出てしまった場合も確定申告をしたらよいかどうかの検討をしましょう。

不動産売却の際の確定申告をするには

不動産売却による確定申告は、以下のような流れで進めていきます。

◇1.必要書類の準備

・譲渡所得の内訳書
税務署から郵送される書類で、売却金額などが記載されています。

・譲渡時の書類
売買契約書、売買代金受領書、固定資産税精算書、仲介手数料の領収書などのコピーを使用します。

・取得時の資料
不動産を取得した当初の売買契約書、固定資産税精算書、仲介手数料の領収書、増改築の請負契約書などのコピーを使用します。

・売却した土地・建物の登記事項証明書
法務局で取得できる登記簿謄本(登記事項証明書)です。3,000万円控除の特例を受ける際は提出が不要となります。

・戸籍の附票
特例を利用する方で、売却した不動産に住民票をおいていなかった場合に必要です。

その他、適用を受ける特例によっては、追加で添付書類が必要となる場合があります。国税庁のホームページに公開されていますので、確認するようにしましょう。

◇2.申告時期に確定申告

確定申告が可能な申告時期は、土曜・日曜・祝祭日を除く2月16日~3月15日です。
休日にあたる場合は翌日に振り替えられます。

平成30年分の確定申告時期:
平成31年2月18日(月)~3月15日(金)

◇3.譲渡所得税の計算・納付

確定申告により算出された譲渡所得税は、申告期限までに納税、もしくは振替手続きを行います。
譲渡所得税額を計算するには、次の税率を用いて計算式に当てはめましょう。

なお、平成25年から平成49年までの各年分の確定申告の際は、所得税額に2.1%を掛けた復興特別所得税の申告・納付も必要となります。

<譲渡所得の税率>

所有期間
区分 短期 長期
期間 5年以下 5年超え
居住用 39.63% 20.315%
非居住用 所得税 30%
住民税 9%
復興特別所得税 0.63%
所得税 15%
住民税 5%
復興特別所得税 0.315%

<譲渡所得税の計算方法>
譲渡所得税額 = 課税譲渡所得 × 税率(所得税・住民税・復興特別所得税)

(例)
6年住んだのち売却した不動産の課税譲渡所得が3,800万円の場合・・・
3,800万円 × 20.315% = 771.97万円(所得税570万円・住民税190万円・復興特別所得税11.97万円)

不動産売却の確定申告の際に受けられる控除について

不動産売却では一定の条件を満たすことで受けられる特例があります。
代表的な3つの特例を見ていきましょう。

◇3,000万円特別控除の特例

譲渡所得から最高3,000万円の控除を受けられる特例です。
主な適用要件には次のようなものがあります。

  • ・自分が居住していた不動産の売却による譲渡所得である
  • ・売主と買主の関係が親子や夫婦でない
  • ・売却年から遡って2年間に同様の特例や譲渡損失の特例を受けていない

<特例適用時の計算方法>
譲渡所得税 = (課税譲渡所得 - 3,000万円) × 税率

(例)
6年住んだのち売却した不動産(課税譲渡所得3,800万円)に3,000万円特別控除を適用した場合・・・
(3,800万円 - 3,000万円) × 20.315% = 162.52万円(所得税120万円・復興特別所得税2.52万円・住民税40万円)

◇軽減税率の特例

居住用の不動産を10年以上所有していた場合、10年超所有の軽減税率の特例が適用されます。
3,000万円特別控除の特例とも併用可能です。

<10年超所有の軽減税率>

課税譲渡所得金額 税率
6,000万円以下の部分 14.21%
所得税 10%
住民税 4%
復興特別所得税 0.21%
6,000万円超の部分 20.315%
所得税 15%
住民税 5%
復興特別所得税 0.315%

<特例適用時の計算方法>
(1)3,000万円特別控除の特例を併用しない場合
譲渡所得税 =課税譲渡所得 × 軽減税率

(2)3,000万円の特別控除の特例を併用する場合
譲渡所得税 = (課税譲渡所得 - 3,000万円) × 軽減税率

(例)
12年住んだのち売却した不動産(課税譲渡所得4,000万円)に3,000万円特別控除を適用した場合・・・
(4,000万円 - 3,000万円) × 14.21% = 142.1万円(所得税100万円・復興特別所得税2.1万円・住民税40万円)

◇買い換えの特例

住んでいた不動産を売却して新たにマイホームを購入した場合、買い替えの特例を適用すると譲渡所得税を大幅に軽減できます。
買い替えの特例の適用要件には、主に次のようなものがあります。

  • ・売却した不動産の所有期間・居住期間が10年以上
  • ・売却金額が1億円以下
  • ・買い替えした不動産は、床面積50m²以上、土地面積500m²以下、築年数25年以内(もしくは耐震住宅)

なお、買い替えの特例では3,000万円の特別控除の特例と10年超所有の軽減税率は併用できません。

<特例適用時の計算方法>
(1)売却金額よりも購入金額が上回る場合、所得税の課税が繰り延べられることとなります。そのため、売却した年に譲渡所得税がかかりません。

(2)売却金額よりも低い購入金額の場合、
譲渡所得税 = 課税譲渡所得(収入金額(売却金額 - 購入金額) -必要経費) × 税率

(例)
12年住んだ不動産を4,000万円で売却して3,500万円のマイホームを購入し、150万円の必要経費がかかった場合・・・
(4,000万円 - 3,500万円 - 150万円) × 20.315% = 71万1,025円(所得税52万5,000円・復興特別所得税1万1,025円・住民税17万5,000円)
必要経費は、「(売却したマイホームの取得費+譲渡費用)×収入金額(売却金額-購入金額)÷売却金額」で計算します。

まとめ

不動産売却では、確定申告をすることで赤字金額を相殺できたり、特例を活用した節税対策が可能です。
確定申告期間は基本的に毎年2月16日~3月15日と固定されているため、必要書類や帳簿作成は余裕を持って準備しておくと安心です。
確定申告が必要なケース、必要でないケースを正しく理解して、確定申告漏れのないよう注意していきましょう。

監修者:
松本 佳之

税理士・公認会計士・行政書士 1980年兵庫県に生まれる。2001年公認会計士二次試験合格。2002年関西学院大学商学部卒業、朝日監査法人(現あずさ監査法人)入所。2005年公認会計士三次試験合格、公認会計士登録。2007年税理士登録後独立し、北浜総合会計事務所を開設。監査法人勤務時代は企業公開部門に所属し、さまざまな実績を重ねる。

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