木造住宅の耐用年数の経過が不動産売却に与える影響とは!?

基礎知識
木造住宅の耐用年数の経過が不動産売却に与える影響とは!? 木造住宅の耐用年数の経過が不動産売却に与える影響とは!?

建物には、「耐用年数」というものがあり、建物の築年月の経過に伴って、残存する耐用年数が減少し、不動産価値も減価していきます。そこでこの記事では、国内で最も多い「木造構造の住宅」にフォーカスを当て、木造住宅の耐用年数とは何か?不動産売却の際に耐用年数(築年数経過)がどのように影響するか?について詳しく解説していきます。

木造は最も多い建物構造

総務省統計局によると、日本国内にある住宅の構造別割合(全国)では、2018年の木造住宅の割合は全体の56.9%を占め、建物構造別に見ると最も多い建物構造となっています。

木造は日本で古くから採用されている住宅の建物構造で、他の工法に比べ比較的安価で住宅を建てることができます。

また、木造住宅は間取りの自由度が高く、リフォームや改装をしやすいといった特徴や木材自体、吸水性・吸湿性が高く湿潤な日本の風土に合った素材であることなどから日本国内においては、非木造の住宅によりも木造住宅の割合が高いものと考えられます。

木造住宅の耐用年数

木造住宅の耐用年数

このように、日本国内には木造住宅が数多く存在するため、当然、不動産売買される物件数も多くなっています。次からは木造住宅の法定耐用年数の確認や木造住宅を長持ちさせるためのポイントについて詳しく解説していきます。

  • 法定耐用年数とは?
  • 木造住宅を長持ちさせるポイント

法定耐用年数とは?

法定耐用年数とは、税法に定める耐用年数のことで、減価償却費用を計算するときや、金融機関が建物の担保評価をする際に利用する指標で、木造であれば次のように定められています。

  • 木造(住宅用・店舗用):法定耐用年数22年
  • 木造(事務所用・賃貸用アパートなど):法定耐用年数24年

法定耐用年数は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造など強固な建物構造になればなるほど、法定耐用年数も長くなりますが、建物の利用用途によっても適用される耐用年数が異なるため注意しましょう。

なお、ご紹介したように法定耐用年数は、あくまで減価償却費用の計算などに利用するための指標であり、法定耐用年数を超えているからといって決して住めなくなるわけではありません。

木造住宅を長持ちさせるポイント

法隆寺の五重塔や金堂など築1300年を超える木造構造の建築物が存在するかというと適切に修繕・メンテナンスが実施されているからに他なりません。木造の住宅の場合も同様に長持ちさせるためには、木材を「腐朽させないこと」が重要ですが、次のような原因によって「木材腐朽菌」などの微生物が繫殖し、建物の劣化が拡大していくといわれています。

  • 雨漏り
  • 塗装やコーキングの劣化
  • タイル張り浴室の浸水
  • 結露
  • 配管の漏水

そもそも日本は高温多湿の地域が多く、木材腐朽菌など木材を劣化させる微生物が繁殖しやすい環境下にありますが、この日本に木造最古の建築物が存在する背景には、これらの部分をしっかりと修繕・メンテナンスさえすれば、木造の住宅においても長持ちさせることが可能であるとの証左であると考えられます。

木造住宅の修繕・メンテナンスにあたっては、不具合や劣化事象が確認されてから実施するのではなく、計画的・定期的に実施することが重要であるといえるでしょう。

築年数の経過が木造住宅の売却に与える影響とは

築年数の経過が木造住宅の売却に与える影響とは

先述したとおり、築年数の経過により、法定耐用年数を超えているからといっても決して住めなくなるわけではありませんが、不動産を売却する場合には、その売却価格(売却査定価格)に影響を与えます。というのも、日本における建物の資産価値は、築年数が古くなればなるほど減少していくからです。

国土交通省が公開している「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」の資料内にある「中古戸建住宅の価格査定の例」によると、一般的な木造の一戸建て住宅の場合、住宅の市場価値は、経年により減少し、築後10年ほどで資産価値は約半分になっていきます。そして、築後15年ごろまでは資産価値の下落率が大きいもののその後は、ゆるやかになり、築後20年で市場価値ほぼゼロ(約15%)になることが、例示されています。

不動産仲介会社による実際の売却査定の場合においても、基本的には考え方は同様で、築年月の経過に伴なって、建物価値の減価分が売却査定価格へ反映されていきます。

具体的な売却価格の査定においては、建物に使用している部材や設備のグレードによる耐用年数の確認、また、リフォームやメンテナンスなどの管理状況などを考慮して現時点にておける建物残存価格を算出します。その上で、住宅性能や省エネ設備等の付加価値が確認できれば加点することで、最終的な売却査定価格として反映さていくのです。

したがって、国土交通省の「中古戸建住宅の価格査定の例」のように木造住宅の部材・グレードや管理状況によっては、築後20年で売却査定価格がほぼゼロなるといったことは当然にありうることでしょう。

そのため、木造住宅は築年数が浅い時期に売却する方が「建物の売却査定価格が付く」といわれるように築20年を超えたタイミングで売却するよりも当然有利であるといえます。

築年月が相当数経過した木造住宅を売却する方法

ここまでで、木造住宅の法定耐用年数は22年であり、築後22年を経過したとしても当然住むことは可能であること。しかし、売却という観点においては、木造住宅の部材・グレードや管理状況に影響を受けるが、築年月の経過が浅い時期に売却する方が有利であることを解説してきました。

もし、現在売却を検討している不動産が木造の一戸建てで、築年数が浅い場合や築年数が20年を経過していても定期的にメンテナンスをしっかりしており、建物の価値が残存している場合には、中古の一戸建てとして、不動産市場で売却をおこなうことができますが、築年月が相当数経過し、残存する耐用年数がゼロであると判断される建物を所有している場合には、どのように売却したらよいのでしょうか!?

中古の一戸建ての一般的な売却方法としては、主に次の4種類が想定されます。

建物の価値が残存している場合には、土地建物をそのままに中古一戸建てとして売却する方法、または、建物部分をリフォームして付加価値を付け中古一戸建てとして売却する方法が考えられます。

また、建物の残存価値がゼロと判断される場合には、建物部分を解体、更地とし、土地のみを売却する方法や建物部分をそのままに古家付土地として売却する方法が考えられます。

今回は、建物の残存価値がゼロと判断される際に選択されることの多い古家付土地の売却方法について次のとおり詳しく解説していきます。

古家付土地の売却方法とは?

そもそも「古家付土地として売却する」とはどのような売却方法となるかについて解説いたします。

築年月が相当数経過した、また、経年劣化の進んだ建物で残存価値がゼロとなる場合に選択されることの多い売却方法で、あくまで土地の売却であることをターゲットとなる購入検討者に訴求していきます。

たとえば、「土地建物をそのままに中古一戸建て」として売却をおこなう場合には、この物件を購入検討するメインターゲットは、「一戸建てが欲しい人」になります。一戸建ての購入検討者は、その建物に住むことを前提として物件探しをしているため、建物が利用できる物件を通常探しますが、建物が利用できない、また、多額のリフォーム費用がかかるとなると当然、購入検討者との間でミスマッチがおこり、建物価値がゼロの物件を選択される可能性は少なくなってしまいます。

一方、古家付土地として売却する場合には、「この物件は土地として売却していますが、古い建物は残っています」として売却活動をおこないます。つまり、「土地」をメインに売却しているということを表明し売却活動をおこないますので、購入が想定されるメインターゲットは、一戸建てを探している人ではなく、「土地を探し、新築したい人」に向けて、ぶれることなく訴求が可能となります。

古家付土地として売却するメリット

古家付土地として売却する場合、次のメリットが考えられます。

  • 売主様にて解体の手間や解体費用の負担がない
  • 固定資産税や都市計画税の軽減措置が継続される

古家付土地として売却する場合には、古家であっても買主様に建物を当然に引き渡すこととなります。古家部分の処分やその後の取扱いは買主様の責任と負担においておこなうこととなるため、売主様においては、建物を解体する必要がなく、それらの手間や解体費用を負担することは、通常ありません。

そのため木造の建物解体費用の相場である1坪あたり3~5万円ほどの費用が節約でき、売主様の大きなメリットとなります。

また、もうひとつのメリットとして考えられることは、不動産を所有している場合、その不動産の評価額に応じて固定資産税・都市計画税を毎年納めなければなりませんが、建物(住宅)が残存していることで固定資産税・都市計画税の軽減措置が適用されることにあります。

住宅用地で建物が存在している場合には、固定資産税は課税標準額が最大で1/6に、また、都市計画税は最大で1/3になるという軽減措置があるため、更地の状態で土地を所有している状態と比べると固定資産税・都市計画税の負担が軽減でき、こちらも大きなメリットとなります。

古家付土地として売却するデメリット

一方、古家付土地として売却する場合には、次のようなデメリットが考えられます。

  • 買主様から売買価格の減額要請(交渉)をされる可能性がある
  • 更地より売却期間を要する可能性がある

古家付土地を購入する買主様は古家部分を解体し、その土地に新たな建物を新築することが一般的となりますが、更地の場合と比べると買主様にとって、解体の手間や解体費用のなど余計な負担が生じてきます。そのため不動産の市場相場や更地などの競合物件の価格帯と比較して、古家付土地の売買価格に割高感がある場合には、解体費用分の価格を減額要請(交渉)される可能性があります。

また、もうひとつのデメリットとして考えられることは、古家付土地の場合、土地の上に当然古い建物が存在しているため更地の状態の土地と比べると購入検討者にとって、土地の活用イメージが沸きにくいことや古家の見た目に引っ張られ(影響を受け)、よいイメージが醸成され難いといったデメリットが生じ、更地での売却の場合よりも売却期間を要する可能性があります。

まとめ

このように木造住宅の耐用年数(築年数経過)が不動産にどのように影響するについて詳しく解説してきましたが、木造住宅は経過した築年数やメンテナンスなどの管理状況によっても最適な売却方法は変わってきます。

そのため、どの売却方法がベストかは複数の不動産仲介会社に売却査定を依頼し、その売却提案の過程で各社の担当スタッフからアドバイスを得て、最終的に判断することをおすすめします。不動産売却一括査定サイト『すまいValue』で、不動産売買の実績豊富な不動産仲介会社にご相談してみてください。

<監修者>

中村 昌弘

都内大学を卒業後に新卒で上場ディベロッパーに就職。マンションの販売・企画・仲介などを経て2016年に独立。

  • ※本コンテンツは公開日時点での法制度に基づいて作成しています。
  • ※実際の取引での法制度の適用可否については、税理士・税務署等にご確認のうえ判断してください。
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