多様な相続問題、相談先はどのように選ぶべきか

基礎知識
多様な相続問題、相談先はどのように選ぶべきか 多様な相続問題、相談先はどのように選ぶべきか

不動産の相続や遺産の分割、相続人の間でのトラブルなど、相続が発生した時の手続きは専門家が間に入ることでスムーズに解決しやすいことも多くあります。
そこで今回は、相続問題を専門家へ相談した方がよい理由や相談先の選び方、相続手続きを依頼した場合の費用相場などについて解説します。

相続発生時は専門家への相談がおすすめ

相続発生時は、限られた時間の中で不慣れな手続きを行わなければなりません。そのため、相続については専門家へ相談しながら進めていくのが一般的です。

相続手続きを専門家へ相談するメリットとしては、手続きに要する時間を大幅にカットできる点です。相続の場合は、戸籍や住民票など多くの書類を集める必要がありますし、遺産分割協議書などの書類も作成しなければなりません。

専門家にお願いすると、その作業をしてくれますので作業コストを大幅に抑えられます。また専門家のアドバイスで後々の手続きをスムーズに進められる場合があります。たとえば遺言の作成では、遺産の帰属だけでなく遺言執行者まで決めておくと多くの関係者の関与なしに遺言手続きが進められます。そういった専門家の持つノウハウを活用して一歩踏み込んだ相続対策を行うことが可能になります。

自分たちの力だけでは解決できない問題に対して、専門家を介することで、スムーズかつ適切な対応が可能となるのです。

司法書士・弁護士・税理士・行政書士・銀行…どこに相談すべき?相続の相談先の選び方

司法書士・弁護士・税理士・行政書士・銀行…どこに相談すべき?相続の相談先の選び方

相続手続きを専門家に相談することを検討する場合、どこに相談するのが適切なのか、判断に迷う方も多いです。それぞれの専門家がどのような相続の相談に対応しているのか、専門家の種類ごとに、それぞれの専門分野と対応可能な相談について、以下で詳しく解説していきます。

司法書士

「不動産の名義変更(相続登記)」「遺言書の作成・検認」「相続放棄の手続き」など。
相続の中でも複雑になりがちな不動産手続きをスムーズに進めてくれる点が大きなメリットです。

弁護士

遺産分割調停や審判などの家庭裁判所の手続き、その他相続人間の交渉など。
弁護士は他の士業と違い、代理人として他の相続人と交渉を行うことができます。

税理士

「相続税の申告」「相続財産の評価」「相続税対策」など。
相続税の申告は10ヶ月という時間の制約があります。遺産評価も専門的知識が必要です。特に不動産や株式の評価はかなり複雑ですので、専門家に依頼する方が得策です。

行政書士

「遺言書の作成」「遺産分割協議書の作成」「相続人調査」「車や株式の名義変更」など。
行政書士は司法書士と違い不動産登記はできませんが、幅広い範囲で相続に対応ができます。

信託銀行

「金融機関の残高証明書の取得」「遺産として整理する財産のリストの作成」「預貯金の解約の手続き」「公正証書遺言を利用した遺言信託」など。
「多額の相続財産の資産運用」といった相談がしたい場合に頼れる機関となります。

司法書士、弁護士、税理士、行政書士などの、いわゆる士業は法律でできることが決められています。相続の手続きを考えたときに、自分は何をしてもらいたいのかを考えたうえで相談先を選ぶことが大切です。

相続の相談先の選び方を間違えないために注意すべきこと

相続について専門家に相談する際には、自分は何をして欲しいのかを明確にして、各士業のできることを把握しておきましょう。士業は先ほども説明しましたが、業法ですることが決められています。不動産の相続登記は弁護士や司法書士は対応できますが、税理士や行政書士はできません。あとは相談を受ける専門家がどれほどの経験を持っているのか、費用はどれ位なのか、そして相性です。いきなり依頼するのではなく、相談するところから始めてみてください。
相続は相続争いに発展する可能性もありますので、慎重に専門家を選びたいところです。料金の安さも大切ですが、相続に関して多くの取り扱い実績を持ち、信頼できる専門家を選ぶようにしましょう。

相続での相談の事例と担当する専門家ごとの費用の相場

相続での相談の事例と担当する専門家ごとの費用の相場

相続の相談先として専門家を選ぶ際のご参考までに、相続で想定される事例と費用の相場についても解説します。

【事例1】預貯金や有価証券の解約・名義変更手続きをしたい

遺産の中に不動産が含まれている場合、この事例の相談先は司法書士となり、不動産がない場合は行政書士がよいでしょう。遺産が2億円以上ある場合は、信託銀行へ相談する方法もあります。
費用の相場としては、1金融機関あたり司法書士では3~5万円程度、行政書士も3~5万円程度ですが、司法書士より割安な傾向にあります。信託銀行へ依頼する場合は、ケースにもよりますが50万円以上を見ておくとよいでしょう。

【事例2】相続登記の手続きをしたい

相続登記を検討している場合は、まず司法書士に相談してみましょう。戸籍等の収集から遺産分割協議書等の作成、登記の申請まで一通り対応してもらえます。
費用の相場としては、ケースバイケースになるでしょうが、7~10万円程度の手数料と戸籍収集の手数料や登録免許税などの実費を合算したものです。ちなみに登録免許税は固定資産評価額の4/1000です。

まとめ

相続の相談は目的によって対応できる専門家が異なります。また、相談する専門家によってかかる費用にも差があります。まずは相談の目的を明確にして、それぞれの専門家の業務範囲を把握してから、相談する専門家を選定していくとよいでしょう。

ただ、遺産に不動産が含まれる場合、実際に専門家へ相談する前にあらかじめ相続不動産の価値を下調べしておくことをおすすめします。相続する土地や建物の価値を調べるには、不動産の一括査定がおすすめです。不動産の査定は通常持ち主でないとできませんが、相続などの事情を説明すると対応していただけるでしょう。

相続不動産の価値は、相続や売却を考えるうえで大事な要素のうちの一つです。売却の方法によっては数百万円以上の差が出るケースもあります。不動産の相続手続きで迷ったら、まずはすまいValueの一括査定をしてみましょう。その際は、「物件の所有者」についての欄で「その他」を選び、「ご要望・連絡事項」で事情を説明してください。

土地を売る時のポイントについて詳しく知りたい方は、こちらもお読みください

<監修者>

松本 尚

司法書士・行政書士

京都府木津川市にある木津川司法書士事務所の代表。司法書士、行政書士、宅地建物取引士の資格を持ち、相続や遺言等の手続を含めた不動産登記、会社設立等の商業登記を中心に業務を行っている。

  • ※本コンテンツは公開日時点での法制度に基づいて作成しています。
  • ※実際の取引での法制度の適用可否については、税理士・税務署等にご確認のうえ判断してください。

最後までお読みいただき、
ありがとうございます。

ご回答ありがとうございました。

カテゴリーから探す

あなたの不動産の売却可能額を最大6社が無料で提案いたします
STEP1
物件種別を選択
STEP2
都道府県を選択
STEP3
市区郡町村を選択
STEP4
町名を選択
null
完了まで最短60秒 無料査定スタート!