中古マンションの資産価値が高いといわれる背景には、新築マンションにはない要素が多いことが挙げられます。新築マンションと比較した際、中古マンションにはどのような特徴があるのでしょうか。
新築マンションは、「新しく建てられた」ということに価値・意味が見出されやすい物件です。
そのため、購入してから数年の間で価値が2~3割下がってしまうというケースも珍しくありません。
一般的に中古マンションの場合、築年数と共に資産価値は下降するものの、新築マンションのような価値の低下は見られにくい特徴があります。長く所有した場合も、資産価値は緩やかな低下となる場合がほとんどであるため、「将来の資産価値」を考えるならば、中古マンションに軍配が上がります。
新築マンションに比べ、中古マンションは立地に恵まれている傾向があるというのも、資産性が高くなりやすい理由のひとつです。
駅から近い、利便性が高い、周辺環境が整備されているといった立地の良い場所には、すでにマンションが建てられているケースが多いため、立地面における比較では、中古マンションの方が新築マンションよりも良いとされるケースが多いです。
周辺環境は基本的に変わることの少ない資産ともいえるので、物件購入時に重視されやすいポイントでもあり、立地に恵まれた中古マンションは必然的に将来の資産価値も高いと考えられます。
立地に恵まれた中古マンションから、より資産価値の高い物件を探すなら、以下の特徴を持つ物件かどうか比較することが大切です。
都心部に位置するマンションほど、最寄り駅からの距離が重視されやすいため、「駅徒歩圏内」であれば資産価値は高いといえます。
将来的に賃貸マンションとして貸し出す際も、駅徒歩圏内で交通利便性に優れていれば、資産価値のある物件として買主様がみつかりやすいでしょう。
交通利便性に優れている立地とは、一般的に以下のような立地をいいます。
また、多くの方が住みたいと感じる人気のエリアは、土地の価格が下がりにくいことから資産価値も維持しやすいといえます。
憧れの的となりやすいエリアには、以下のような特徴があります。
眺望や日当たりが良いほど、資産価値は高くなります。
海や山、夜景などの景観に優れているか、日当たりを確保できるかといった点を確認しましょう。
日当たりの良さは物件の方角でおおよそ把握でき、日当たりの良い順に、南・東・西・北となります。
例えば、東南角地では朝日が入りやすく日中も十分な日当たりを確保でき、西向きでは午前中の日が入りにくく、午後から夕方にかけて室内が明るいといった特徴があります。
一般的に、物件の方角は南・西・東・北の順に人気が下がりやすいですが、角部屋で2面採光ができる、東京タワーや富士山といった各エリアのランドマークが見えるなど、魅力となるポイントが多ければ資産価値は高まります。
このほか、前面道路が広い、公園などがあり大きな建物が建てられる心配がないといった立地なら、さらに高い資産価値を期待できます。
大型商業施設ができる、住宅地が増加している、再開発計画があるなど、発展する可能性を秘めているかどうかも、立地の価値に関係しています。新駅の建設予定がある、新幹線の開通が予定されているなど、交通利便性にかかわる計画が発表されていると、土地の需要が高まる=資産価値が高まるといえます。
居住を検討するうえで、その土地の治安や防犯といった安全性は物件の資産価値を左右します。治安が乱れているエリアや過去大きな事故・事件があったようなエリアは、資産価値にマイナスの影響が出る可能性があるため注意しましょう。
また、安全性を考慮するうえで欠かせないのが自然災害のリスクです。地震、土砂崩れ、洪水、浸水などの危険性は、各市区町村や国土交通省が公表するハザードマップから確認できます。
次に、立地以外で資産価値を左右するポイントについてご紹介します。
立地に優れ、周囲に似た条件の物件が少ない場合、希少性の高さから資産価値が見出されやすいです。
しかし、マンションそのものが多いエリアでは将来的な需要の低下から希少価値が下がってしまう可能性もあるため、需要が続くかどうか=値下がりしにくいかどうかに着目することが大切です。
管理体制が整い、メンテナンスが行き届いている物件は、外観や構造の劣化が最小限に抑えられています。
これらがおろそかな物件はどんなに優れた条件を持っていても、建物の劣化スピードが速いことから資産価値が下落してしまう可能性があります。
物件購入時は建物の現況を知るためにも、以下のチェックを行うことが大切です。
中古マンションの購入にあたり、避けるべき失敗にはどのようなケースがあるのでしょうか。
内覧や不動産売買契約時には問題なくても、実際に住み始めてから設備が故障してしまう場合があります。
建物に付随する設備の故障は補償により修理・交換を受け付けてもらえることもありますが、前オーナーが自主的に設置したなど、補償対象外となる場合は買い手の実費負担が免れません。
定期メンテナンスを行っていても、建物に問題が生じた際などに大規模修繕が必要となり、修繕積立金が予期せず値上げされる可能性があります。過去の修繕状況や現在の修繕積立金の積み立て状況については、事前に管理組合へ確認しておくと安心です。
中古マンションは購入時の価格を抑えやすいですが、上記のようなトラブルから想定外の出費がかさむこともあります。
購入後の失敗を避けるには、不動産売買契約に関する取り決めや重要事項がまとめられた「重要事項説明書」を熟読し、不安があれば不動産仲介会社へ相談しましょう。
資産価値のある中古マンションの特徴、購入時の注意点についてまとめてまいりました。
将来的な価値を見据えて中古マンションを購入する場合、購入後の価値の下落率や売却方法などを把握しておく必要があります。
しかし、不動産売買で失敗を避けるには、個人の知識・知見には限界があります。
購入して損をしないか、将来的な資産価値が見込めるかなど、中古マンションの購入において不安な点があれば、圧倒的な知見を持つ不動産仲介会社へ相談することがおすすめです。
中古マンションの売却を考えている人はすまいValueを活用してみてはいかがでしょうか?
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髙野 友樹
宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士
不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、国内不動産ファンドでAM事業部のマネージャーとして従事。
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ご回答ありがとうございました。