住み替えを検討する際は、自分の望むライフスタイルを実現できる「理想のマンション」を選びたいですね。
理想のマンション選びをかなえる重要な要素のひとつに「間取り」が挙げられます。
まずは、間取りの基本について見ていきましょう。
間取りとは、リビングやキッチンなどの区画がどのように配置されているかを表す図のことです。間取りからは敷地内の部屋数や区画の有無を確認できますが、各区画はアルファベットを用いて次のように表記されます。
区画 | 表記 |
リビングルーム | L |
ダイニング | D |
キッチン | K |
ダイニングキッチン | DK |
リビングダイニングキッチン | LDK |
サービスルーム(フリースペース) | S |
間取り図のなかには、区画だけでなく、部屋の特徴がアルファベットで表記されている場合もあります。
アルファベットのみでは何を指すかわからないことが多いため、代表的な表記を確認しておきましょう。
特徴 | 表記 |
クッションフロアー | CF |
フローリング | F |
メーターボックス | MB |
書斎など趣味を楽しむ部屋 | DEN |
クローゼット | CL |
ウォークインクローゼット | WIC |
ユニットバス | UB |
パイプスペース | PS |
トランクルーム | TR |
マンションの間取りには大きく分けて4つのパターンがあり、それぞれ特徴も異なります。代表的な4つの間取りについて知り、その上でメリット・デメリットを比較していきましょう。
田の字型とは、間取り全体を「田」のように分割できる間取りのことです。玄関から伸びる廊下を挟むように部屋が配置されているのが特徴で、キッチンや水回りは敷地の中央付近にまとまっていることが多いです。通気性や各居室の独立性が高く、比較的日当たりの良い物件が多い点がメリットです。ただし、玄関付近の居室はドアの前を人が通る回数が多く、ややプライバシーに欠けるというデメリットがあります。
センターイン型とは、LDKと各居室を分けるように玄関と廊下が配置された間取りをいい、間取りの中央付近に玄関があるのが特徴です。リビングや各居室から玄関までの生活動線が短く、プライバシー性が高い点がメリットです。バルコニーが2箇所に設けられているケースも多いです。他の間取りに比べると構造が複雑になりがちなので建築コストが高くなり、そのため販売価格も高くなる傾向がある点がデメリットといえます。
ワイドスパン型とは、バルコニーに1~2部屋の居室やリビングが面した間取りのことです。廊下が少なく、各部屋の面積を大きくしやすい特徴があります。通気性と採光が良く、リビングを中心とした生活動線で家事や育児の負担が少ない点がメリットです。ただし、ワイドスパン型は田の字型に比べて部屋の面積が多く必要になるため、必然的に造れる部屋数が減り、分譲戸数が少ない傾向にある点がデメリットだといえます。
角住戸型とは、角部屋で2面採光を確保できる間取りのことです。通気性と採光に優れ、共用廊下の人通りが少ないためプライバシーが高い点がメリットです。住戸数に限りがあり、人気が高いことから物件の価格は高い傾向があります。また必然的に窓が多くなるため、真夏や真冬は外気温の影響を受けやすい点にも注意が必要です。
次に、間取り選びで重視するべきポイントをご紹介します。
理想のマンションを見つけるためにも、次の7つのポイントを押さえて比較・検討を行いましょう。
お風呂好きなのに浴室・浴槽が小さい、料理好きなのにキッチンが狭いといった間取りは、長く暮らしていくうえでストレスを感じやすいです。自宅で仕事や作業を行う人はワークスペースとして活用できる空間があるかなど、家族の生活習慣や趣味に合わせた間取りになっているか確認しましょう。
長く住み続けていくには、変化するライフスタイルに対応できる間取りを選ぶことが大切です。子どもが増えた場合に子供部屋は足りるか、高齢を迎えたときに負担を感じないかなど、家族や自身の人生設計と照らし合わせた間取り選びを行いましょう。
将来的に不都合がある、手狭になるといったことが予想される間取りを選ぶと、再度住み替えを検討する必要も出てきてしまうため注意してください。
リビング以外に必要な部屋数はあらかじめ決めておきましょう。家族の人数や欲しいスペースに応じて希望の部屋数を考えておくと安心です。最低限必要となる部屋(主寝室、子ども部屋など)のほか、予備の1部屋があると、子どもが増えた際や新たな趣味ができた際などに手狭にならずに済みます。
「玄関・洗面所・リビングまでは一直線がいい」「洗濯機からベランダまでは近いほうがいい」など、快適に過ごすための家事動線・生活動線は理想のマンションを探すうえで非常に重要です。
家族の団らんを大切にするなら家族が集まりやすい生活動線になっているか確認し、ストレスのない間取りを選びましょう。
部屋同士に適度な距離感があると、部屋の独立性を保つことができます。家族間のプライバシーを重視する人は各部屋の配置や壁の厚さに気を配り、隣の部屋の物音や話し声が聞こえてしまわないか、部屋が共用廊下に面していないかなどを確認しましょう。
収納スペースが少ないと収納家具を設置する必要があり、生活空間がイメージより小さくなってしまう場合があります。家族の衣類や寝具、趣味のグッズなど、荷物量に応じて「どの部屋にどれだけの収納スペースが必要か」確認しておきましょう。
窓や室内ドアなどの開口部の配置は、部屋の通気性や快適性を左右します。通気性を求める場合は、
などを確認しましょう。
また、窓の向きや大きさ次第で部屋の寒さ・暑さも左右されます。リビングに十分な採光があるか、書斎やキッチンに西日が差しすぎないかなど、日差しによる温度変化にも注目してください。
理想のマンションを見つけるうえで、間取りは見逃せない重要な要素です。間取り選びでは代表的な間取りのメリット・デメリットを押さえて、ライフスタイルや家事動線などのポイントに注意していきましょう。さまざまな物件の間取り図からその物件の良い点や悪い点を比較できるようになると、家族全員に最適な間取りを見つけることもできます。
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金 弘碩
二級建築士・宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士・CFP/貸金業務取扱主任者
不動産仲介・不動産管理・不動産鑑定・現場監督業務など、合計18年勤務。現在は『すまいとくらしのカウンセラー 住宅専門FP 』として、住宅購入者へのアドバイス・コンサルティング業務を行う。最近は、住宅ローンのアドバイスに注力しています。
最後までお読みいただき、
ありがとうございます。
ご回答ありがとうございました。