出産は人生におけるターニングポイントのひとつ。そして、住み替えを検討するには良いタイミングです。
国土交通省が公表している「平成25年住生活総合調査結果」によると、直近5年間の住み替えの目的には以下のようなものがあります。
住み替えの理由は、仕事や世帯の変化、環境の改善や子育てにまつわるものが多いです。「子育て・教育の環境を整える」がランクインしていることからも分かるように、出産前後は子どもの将来のための住み替えに適したタイミングです。
現在の住宅に不満があり、より住み良い生活をお望みの方は、出産前後のタイミングをひとつの目安として住環境の見直しをしてみてはいかがでしょうか。
まずは、マンションや戸建てなどの住宅タイプに関わらず、子育てがしやすい環境の条件について見ていきましょう。
教育方針や子育ての水準は家庭によって異なるものの、「子育てのしやすさ」という環境面においてはいくつか共通点があります。
自治体の整備や支援は子育てと密接な関わりがあります。共働き世帯など、仕事と子育てを両立させたい場合は、以下の自治体の取り組みを確認しておきましょう。
人口が多い人気のエリアは待機児童問題が解消されていない場合があります。出産後は早々に職場復帰したい、パート・アルバイトなどで収入を確保したいという方は、保育園の空き状況や待機児童の比率などを確認しておきましょう。
子どもの医療費や教育費の助成金が受け取れるなど、地域により子育て支援制度の内容は異なります。子育てにプラスとなる支援制度が充実しているかどうかも、重要なポイントです。
待機児童問題に次いで、仕事と子育ての両立を考える際に問題になりやすいポイントに学童保育の有無があります。小学校進学後に学童保育の必要性がある共働き世帯などは、空き状況や利用条件を確認しておきましょう。
生活の利便性は子育てのしやすさに直結します。伸び伸びと子育てをするために、周辺環境が整備されているかを確認しましょう。
交通の利便性が優れていれば、公共の交通機関を利用する際に便利です。また、送り迎えが必要なシーンでは、駅やバス停が近いことは大きなメリット。子育ての負担を減らすことができます。
送り迎えや授業参観など、親が保育・教育機関へ足を運ぶシーンはたくさんあります。小学校入学以降は登下校時の安全性にも関わってくるため、教育機関は近いに越したことはありません。
近所に公園があれば、子どもを遊ばせることで社交性を育むことができますし、親同士で交流を持つこともできます。市営・県営など規模の大きな公園では季節毎にイベントが開催されます。イベントは子どもの情緒を豊かにします。また、災害時の避難所になる点もメリットです。
産婦人科や小児科が近いと、産後検診や子どもの健康診断の際に便利です。夜間診療や救急を受付けている病院であれば、万が一の際も安心です。
食料品や医療品、日用雑貨など、さまざまな買い物を一度で済ませられるスーパーやショッピングモールがあると、子育て中の買い物の負担を軽くすることができます。休日にショーやイベントを開催しているショッピングモールなら、親子の時間も作りやすいでしょう。
子育て中は親子で過ごす時間が増えるものです。子育てにおける住みよいポイントについて見ていきましょう。
日当たりの良さは、室内の暖かさや明るさに関わるポイントです。午前中から午後にかけて陽のあたる立地なら、洗濯物が乾きやすいといったメリットもあります。
エントランスや玄関のセキュリティ、管理人の有無などは建物の防犯性に関わってきます。「成長した子どもが一人で外出しても安全か」など、将来的な防犯性も考慮しましょう。
道路の幅の広さや交通量、階段・段差の数などを考慮して、安全性の高い物件を選ぶことが子育てにおいて重要です。また、子どもの事故の危険性が少ない建物は、お年寄りにとって安全性が高い建物でもあります。
室内の利便性が高いほど、出産後の子育ての負担は少なくなります。
子どものお世話グッズや衣類、おもちゃなど、子育てが始まると今までなかったものが増え始めます。子どもの成長に応じて思い出の品も増えることを考え、収納を確保できる物件を選ぶことをおすすめします。
ベビーカーや三輪車などが置けるスペースを玄関に確保できると安心です。子どもが小さいうちは、靴の脱ぎ履きを手伝う必要があるため、段差が小さく間口の広い玄関を選ぶこともポイントです。
では、マンションと戸建てを比較した場合、どちらのほうが子育てに向いているのでしょうか。それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう
マンションはまわりの家族と交流しやすく、戸建てに比べて防犯性が高い点が魅力です。具体的には、次のようなメリットがあります。
集合住宅であるマンションは、上下階や左右との騒音トラブルが起こる可能性があります。特に、子どもが小さいうちは騒音への配慮が欠かせません。室内の環境や遊び方に工夫が必要です。
戸建てでの子育てはマンションに比べて自由度が高い点が魅力です。具体的なメリットを見ていきましょう。
戸建てにおける子育ては、防犯性や価格の面でマンションにないデメリットが挙げられます。
例えば、防犯性を高めるためのホームセキュリティの導入などで費用がかさみます。また、立地によっては周辺に同世代の子どもがいないことも考えられます。出産後は子どもの教育で出費が増えることが予想できますが、立地や建物のクオリティを重視すると購入価格が高くなってしまう点もデメリットといえます。
住み替えにはさまざまな理由がありますが、出産・子育てのタイミングで住まい探しを行う方がたくさんいます。子育ては人生の一大イベント。マンションと戸建てそれぞれのメリット・デメリットを考慮し、長く安心して暮らせる住まいを選びましょう。
持ち家からの住み替えを検討している方はまず、すまいValueの不動産一括査定サービスを利用して、家の相場を調べてみてはいかがでしょうか。適切な相場を知ることで、住宅の売却から住み替えまでをスムーズに進めることができると思います。
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宮本 弘幸
宅地建物取引士
1960年石川県加賀市生まれ。大学卒業後、大手ハウスメーカーの営業として20年勤務した後、地元、金沢小松、加賀で不動産・住宅の営業に携わる。宅地建物取引士のほか、ファイナンシャルプランナー(AFP)、相続診断士などの資格を保有。
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