個人が自宅用の土地を購入するとき、一般的には「東南角地」がベストポジションとされ、地価も割高に設定されています。しかし、「必ずしも東南角地がベストとはいえないのではないか」という意見もあります。いったい、東南角地に代わって人気が出ている場所はどこなのでしょうか?詳しく解説します。
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東南角地とは、4筆(4区画)の土地が「田」の字に配置されている場合の、右下に位置する土地です。
東南角地が人気なのは、南側なので日当たりが良いうえに、東側にあるので朝日を楽しむことができるからです。
それとは反対に、北側の土地と西側の土地は人気がありません。北側の土地に建つ家は、南側の土地に建つ建物の陰になるため日中に日が当たりませんし、西側の土地に建つ家は西日に悩まされたりするからです。
このような理由から東南角地はその街地区では土地価格が高くなる傾向にあります。
一見すると東南角地はメリットばかりでデメリットがないようですが、最近、「東南角地はメリットしかないといえない」と考える人が増え、北側や西側であっても、方位を気にしないで買う人が増え始めました。
北側の土地や西側の土地が見直された動きこそ、東南角地神話が崩れた理由その1になります。
その典型例が、これまで不人気な土地だった敷地延長地形が注目され始めたことです。
敷地延長地形は旗竿地ともいい、旗と竿を合わせたような形状の奥まった土地のことです。
なぜこれまで敷地延長地形は不人気な土地だったのでしょうか。
敷地延長地形のメインの土地は、道路からみて「他人の土地の奥」にあるので、道路まで通じる部分が必要になり、土地の所有者となる人は、旗状の「旗」以外にも「竿」の部分も所有することになります。旗の部分に家を建て、竿の部分が道路までの道になるわけです。
上記の竿状の土地は通過するときしか使わないのですが、敷地延長地形の購入者はその部分もお金を出して買わなければなりません。
また敷地延長地形の家を建てる部分(メインの土地)は北側にあることが多くなりますが、それは道路に接面する南側の土地を先に分筆した残りの土地でこの敷地延長地を作るからです。つまり、敷地延長地形は「北側の余った土地」であることが多いということです。
そして言うまでもなく敷地延長地形の家を建てると、道路までのアクセスが不便です。
こうした事情から、敷地延長地形は典型的な不人気の土地でした。
ただ、最近は人々の考え方が変わってきています。
まず敷地延長地形に建つ住宅は道路から離れているので静かです。また小さな子供が家から飛び出しても、道路まで距離があるので、自動車事故のリスクが減ります。
さらに家と道路をつなぐ道の土地(竿の部分)も自分の土地なので、ここをきれいに整備すれば家へのアプローチや駐車場として仕上げることができます。
また、敷地延長地形の土地は安価であるというメリットもあります。
「東南角地」神話が崩れた理由その2は、プライバシーを重視する人が増えたことです。
元々角地は、四角い土地の場合だと4辺のうち2辺が道路と接します。東南角地では東側と南側が道路に接することになります。
道路に敷地が接していると、道路を往来する人の目にさらされることになります。
たとえば日光を多く採ろうと南向きに居間を作ると、道路から家のなかが丸見えになってしまいます。
そうならないように居間と道路の間に庭を置けば人の目を避けることができますが、そのためには広い土地を購入する必要があり、コスト高になります。資金に余裕があれば土地を広く買い取り、広い庭を確保して生け垣を作ることもできます。
しかし東南角地というだけで土地の価格は割高である傾向が強いので、一般のサラリーマンが庭を広く取ることは難しいでしょう。
また一般家庭では、夫婦共稼ぎが増えてきました。そうなると、日当たりが良い日中に家に誰もいないことも多くなります。そうなると日当たりのために高額な南側の土地を買う意義が薄れてしまいます。
こうしたことから、わざわざ東南角地を買う必要はないと考える人が増えたのです。
日本人は新築住宅を志向する人が多いのですが、最近は中古住宅であっても気にしない人が増えていることや、リノベーションという改修手法が編み出されて中古住宅を自分好みに改装するライフスタイルに注目が集まっていることから、中古住宅市場が広がる兆候をみせています。
この傾向も、東南角地神話の崩壊を後押ししています。
北側や西側であろうと、その状態を受け入れてリノベーションなどの工夫によって快適性を確保しようという意識が高まった結果、土地の方位にこだわらなくなった人が増えてきたのです。
東南角地神話の崩壊は、これまで不人気だった方位の土地が見直され、相対的に東南各地の人気が低下したことで生じました。
このように東南角地の価値も時代や人々のライフスタイルによって変わっていくことが考えられますので、土地選びの際にはそんな変化にも気を付けたいものです。
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田井 能久
不動産コンサルタント
不動産鑑定士として25年のキャリアを持つ。訴訟や調停、並びに相続等の税務申告のための鑑定評価書の作成が得意。最近はマレーシアを中心としたビザの取得と海外移住のサポートを通して、トータルな資産コンサルティングも展開している。
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