新築一戸建てを購入するのに最適なタイミングは人によって異なりますが、どのようなタイミングで購入する方が多いのでしょうか。購入時期や購入の流れなどを見ていきましょう。
新築一戸建てを購入する年代に関して、国土交通省が発表している「平成29年度住宅市場動向調査」によると30代での購入が最も多く、40代以降になると購入者数は少なくなります。 少なくなるとはいっても、新築一戸建てを購入するタイミングは人それぞれで、結婚や出産といった家族構成の変化や、転職・子どもが小学校に入学するときなどの生活環境が変わるタイミングで購入するケースが一般的です。
また、最近では子どもの独立や定年退職などを機に、セカンドライフを想定して購入するケースも増えており、一概に「いつが良い」とはいえません。そのため、自分のライフステージにおける適したタイミングを判断することが大切です。
新築一戸建てを購入するにあたり住宅ローンを利用する人は多いですが、住宅ローンの審査には時間がかかります。そのため、建売住宅など既に完成している物件の場合は、購入が決まってから入居するまでに約1~2ヶ月を要するのが一般的です。
ただし、途中で手続きの不備があったり、何らかのトラブルが起こったりする可能性もあるので、仕事の転勤や子どもの入学・新学期などで入居時期が決まっている場合、余裕を持って早めに動き出すようにしましょう。
新築一戸建てを購入するまでの一般的な流れは以下になります。
まずは、住みたいエリアにある物件の売り出し情報を集めましょう。新築一戸建ての売り出し情報は不動産情報サイトなどで手軽に検索できるほか、地域の情報誌や折り込み広告でもチェックできます。また、不動産仲介会社に直接出向いて相談するのも効率的でおすすめです。
気になる物件が見つかったら、不動産仲介会社や販売会社に連絡して見学を申込みます。既に完成している物件であれば、物件の外観と内部の間取り両方を見学することが可能です。
購入したい物件が決まったら購入の申込みをします。この時点ではまだ売買契約に至りませんが、申込み証拠金として数万円~10万円ほどを支払うのが一般的です。
なお、新築一戸建てを購入するまでの期間1~2ヶ月というのは、この購入申込みから「物件の引渡し・入居」までが該当します。
購入申込みと同じタイミングで、住宅ローンを利用する場合は事前審査に申込みましょう。審査結果が出るまでには3~7日ほどかかり、万が一審査に落ちてしまった場合は、資金計画の見直しが必要になります。
売買契約を結ぶ前に、物件の内容や取引条件に関する重要事項説明を受けます。問題がないようであれば、重要事項説明書に署名と捺印をし、売買契約へと進みます。
正式な売買契約と、手付金の支払いを行います。手付金は物件価格の5~10%程と大きな金額になるため、事前に準備をしておくのが安心です。
売買契約後は、住宅ローンの正式な借り入れ申込みを行います。その際は本審査があり、事前審査に受かっていても本審査で落ちてしまうケースがあります。しかし、そのような場合に備えて「住宅ローンの借り入れができなかったら売買契約を白紙にする」という特約事項を売主様に対して設ける場合もあります。これは本審査が通らなかったという、やむを得ない事態から買主様を保護する目的の特約になります。ただし、売主様にとっては契約が白紙になるというデメリットになりますので、買主様は誠実に行動する必要があることを忘れないようにしましょう。
物件の購入残代金および仲介手数料などの諸費用を支払います。事前に支払った手付金は、このタイミングで差し引かれます。
司法書士により不動産所有権の移転登記、販売会社から鍵の受け渡しが行われます。このタイミングで物件の受け渡しが完了するため、以降いつでも入居が可能です。
物件探しの際、複数の候補物件で迷うことも多々あります。そんなときは価格の下がりにくさや、売却のしやすさを判断基準にしてみましょう。具体的なポイントは以下の3つです。
<候補物件の判断基準>
これらは土地の査定価格を決める際に重視されるポイントなので、条件の良い物件を選んでおけば将来的に売却する場合にも有利になります。
新築一戸建てを購入するにあたっては、住宅の購入代金以外に税金や手数料といった、各種諸費用の支払いも生じます。通常、諸費用は住宅ローンの借入額に含まれないため、現金で支払う必要があります。
諸費用の目安は住宅種別やケースによって異なりますが、一般的には新築マンションの場合で物件価格の3~5%程度、建売住宅や中古住宅で6~8%程度、注文住宅は土地・建物の総額の10~12%程度といわれています。
諸費用の項目としては印紙税や登録費用、住宅ローン借入費用のほか、場合によっては不動産所得税や固定資産税精算金、仲介手数料などが含まれる場合もあります。
建売住宅の購入に必要となる諸費用は以下の通りです。
※不要な場合もあります。
一戸建て(建売住宅を含む)の場合は、一般的な諸費用のほかに水道負担金がかかるケースがあります。これは、上下水道が通っていない場所に水道管を設置するための費用で、数十万円程度が相場です。
注文住宅の購入に必要となる諸費用は以下の通りです。
※不要な場合もあります。
注文住宅の場合は特有の費用が多く、地盤を調べるための地盤調査費や、建設工事関連の費用が必要になります。また、地盤調査の結果において改良が必要と判断されれば地盤改良の工事費が発生します。また、土地に古い建物が建っている場合は解体費もかかる場合があります。
新築一戸建ての購入で失敗しないためには、注意するべきポイントがいくつかあります。特に支払い・引渡しは重要なポイントになり、あいまいに進めてしまうと後々大きなトラブルに発展する可能性もあるので注意が必要です。
残金決済とは、買主様が物件代金のうちまだ支払っていない残金を、売主様にすべて支払うことを意味し、必ず期日が設けられています。そのため、期日までに確実な決済ができるよう、銀行側と調整することが必要です。万が一期日に間に合わなかった場合は、違約金として売買価格の10%~20%を求められる可能性があります。
引渡し前のチェックはとても重要になるので、不具合などがないか時間をかけてチェックしましょう。ドアの立て付けや壁紙の剥がれなど、少しでも気になるところがあれば、ハウスメーカーの担当者や、不動産仲介会社の担当者に修繕の要望を伝えてください。
また、未完成物件の引渡しを受けた段階で、売主様に代金を支払ってしまう人もいますが、本来は完成物件の引渡しと引き換えに代金の支払いを行います。施工会社やハウスメーカーに支払いした後に倒産してしまったり、支払い後に対応が悪くなるといった問題もごく稀に あるので、必ず完成物件であることを確認してから支払いを済ませましょう。
売買金額に含まれるものを、売買契約前にしっかりと確認しておきましょう。
なぜなら、買主様が「当然に含まれるだろう」と考えていたものが、オプション工事・別途工事などの追加費用として請求されるケースがあるからです。外構工事が別になっていることも多いので、これらを明確にしてから売買契約することが大切です。
新築一戸建てを購入する場合は、さまざまなプロセスを踏むことになるため、できるだけ余裕を持って動くことが大切です。また、支払いと物件の引渡しは特に重要なポイントといえ、認識が甘いまま行ってしまうと後々大きなトラブルになる可能性もあります。
そのため、信頼できる不動産仲介会社を選ぶことはもちろん、自分でもある程度の知識をつけておくことが大切です。
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宮本弘幸
宅地建物取引士
1960年石川県加賀市生まれ。大学卒業後、大手ハウスメーカーの営業として20年勤務した後、地元、金沢小松、加賀で不動産・住宅の営業に携わる。2016年より、石川県小松市にて、株式会社みやもと不動産を開業。宅地建物取引士のほか、ファイナンシャルプランナー(AFP)、相続診断士などの資格を保有。
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