限界マンションとは何か?マンションの耐用年数47年と築年数について解説!

基礎知識
限界マンションとは何か?マンションの耐用年数47年と築年数について解説!

新築マンションの価格が高騰している現在、手頃に購入ができて利回りの良い中古マンションを購入しようと考える人は少なくありません。ただ、中古マンションはさまざまな問題を抱えていることが多く、近年増加傾向にある限界マンションもその一つです。中古マンションの購入を検討している場合は、限界マンションについて理解しておくことが大切です。

ここでは、限界マンションが生まれる理由や購入のメリット・デメリット、限界マンションにならないための対策方法について解説します。

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限界マンションとは?

限界マンションとは?

まずは、限界マンションがどのようなマンションを指すものなのかを見ていきましょう。

どういったマンションが「限界マンション」なのか?

限界マンションとは、その名の通り「維持管理が限界を迎えた中古マンション」のことです。具体的には、建物自体が寿命を迎えたマンションや、空室が増加して運営管理が困難になったマンションを指します。空室が増えることにより、周辺地域の治安が悪化してしまうケースもあり、空き家問題の一つとして問題視されています。

老朽化やスラム化が問題化するマンション事情

総務省が発表している「総住宅数、空き家数及び空き家率の推移」によると、日本の空き家率は1963年から年々上昇しており、2018年には過去最高の13.6%を記録しています。建て方別の空き家数においても、一戸建てが37.5%であるのに対し、長屋建てが5.9%、共同住宅が56.2%となっており、マンションの数値が最も高いことがわかります。

空室が増えることによって管理費や修繕積立金が確保できなくなることも、マンションの老朽化やスラム化の原因です。また、管理者不在の状況にもつながり、状況が好転することは難しくなります。

限界マンションと築年数との関連性とは?

限界マンションには築年数が大きく関係しています。建て替え・大規模修繕が必要とされる築30年~50年のマンションは注意が必要です。

一般的にマンションの寿命はどのくらい?

税法によると、RC造マンションの耐用年数は47年とされています。このことから、マンションの寿命は47年といわれるようになりました。しかし、「47年経ったから住めなくなる」というわけではありません。
国土交通省が発表した「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書には、RC造建築の建物寿命は117年であり、メンテナンス次第では150年まで寿命を延ばすことが可能と記されています。しかし、マンションにはさまざまな問題も起こります。実際の寿命はさらに短くなることもあるのです。

マンションの寿命が短くなってしまう理由

マンションの寿命が短くなる理由の一つに構造上の問題があります。高度成長期とされる1970年代は次々とマンションが建設され、コンクリート材料となる川砂が不足する時期もありました。その際、代替として海砂が材料としたものがマンションに使用され、マンションの寿命を短くしていると言われています。

近年では修繕積立金を徴収するケースが一般的ですが、1960〜70年代のマンションでは修繕積立金を集めていないケースがほとんどでした。そのため、いざ修繕工事が必要となった際に費用が徴収できず、老朽化の放置につながっています。また、雨や風、日差しをまともに浴びてしまう場所や、海の潮風が当たる場所などのマンションはよりダメージを受けやすく、寿命が短くなりやすいのです。

限界マンションが生まれる負のサイクル

ここでは、限界マンションはどのようにして生まれるのか、段階を追って見ていきましょう。

1 マンションの劣化

限界マンションのはじまりは、マンションの劣化からです。特に劣化しやすい箇所として外壁の塗装と防水の破断があります。
コンクリートはむき出しの状態だと劣化してしまうため、タイルを貼る、もしくは塗装するのが一般的です。しかし、時間が経つにつれて塗装が剥がれたり、タイルにヒビが入ったりすると、保護機能が低下し劣化につながります。
防水性を保つために使用されるウレタン樹脂も、修繕工事を怠ると漏水の原因となり、マンションを劣化させてしまいます。
また、こういった劣化は時間の経過だけではなく、立地環境も大きく影響します。

2 マンションの居住者の減少

マンションが劣化すると新しい入居者が入らなくなり、居住者が減少します。また、賃貸での空室が多いマンションや、オーナーが引越ししたにもかかわらず売却・賃貸手続きがされていない部屋が多いことも問題とされています。

3 管理組合運営の停滞

マンションの建物や敷地、エレベーターといった共有施設は、マンションの管理組織によって安全・快適に保たれています。管理組織が機能不全に陥ると、大規模修繕を行うことができず、点検・清掃が行き届かなくなる傾向があります。そして、最終的には共同生活のルールが守られず、さまざまな面でトラブルが発生する可能性が出てきます。

近年では、部屋を運用目的で賃貸する所有者が増えています。所有者が遠方にいるため管理組合の総会に出席できない、管理組合の活動に関心がないといった所有者も多く、健全に機能していない管理組織が増えています。
また、理事に立候補する人も少なく、同一人物が長期にわたって理事を継続するケースもしばしばあります。同じ体制での運営が続くと惰性的になることもありますし、場合によっては管理費の使い込み事件が発生するケースもあるのです。

4、区分所有等に関する法律の影響

マンションの劣化が酷い場合は、建て替えをすることで限界マンションになることを回避できます。しかし、マンションの建て替えを行うには、区分所有等に関する法律により「居住者の5分の4以上」の賛成を得る必要があります。
詳しくは国土交通省「改正マンション法関連情報」をご確認ください。

建て替えを行う場合、マンションの居住者は一時的に引越しをしなければなりません。つまり、引越し代や工事中の家賃などさまざまな問題が生じます。経済的に余裕があったり、年齢が若く今後も住み続ける予定があったりすれば賛成が得られるかもしれませんが、居住者が高齢となっているマンションにおいては、費用的・体力的にも負担が大きく、賛成を得にくいといえます。

限界マンションを購入しても大丈夫?

限界マンションを購入しても大丈夫?

デメリットがある限界マンション。しかしながら、いくつかのポイントに注意すれば快適に暮らせるケースもあります。

限界マンションを購入するメリット

限界マンションには限界マンションならではのメリットもあり、限界マンションをあえて選んで購入する人も少なくありません。

<限界マンション3つのメリット>

  • 物件価格が安い
  • 立地が良いマンションが比較的多い
  • 敷地面積が広い物件が多い

限界マンションは築年数が古いため、「価格が安い」というメリットがあります。マンションの価格は新築時が最も高く、築20年を過ぎると下降することが一般的です。築25年を過ぎたマンションであれば価格変動がゆるやかになるため、将来売却することになったとしても損が出にくいといえます。

また、築年数の古いマンションは地域開発が行われる前に建てられたものが多いため、敷地が広い点も魅力です。

限界マンションの購入時に確認すべきポイント

限界マンションにもさまざまな魅力がありますが、購入の際に注意しなければいけないポイントがあります。

<限界マンションを購入する際の注意ポイント>

  • マンションの状態
  • 修繕履歴と修繕計画

まずは、修繕積立金が一定水準を超えているか、建物や敷地、エレベーターといった共有施設に不備がないかなど、管理体制をチェックしましょう。また、修繕工事については、履歴や今後の計画、建て替えの可能性なども確認し、その際の費用や引越しの対応を明確にしてから検討するようにしましょう。

限界マンションにならないための対策

最後に限界マンションの購入・経営を検討している方に向けての対策や、マンションにお住まいの方で限界マンションを防ぐ3つのポイントを紹介します。マンションにお住みの方も、これからマンションの購入を検討している方も、参考にしてください。

利便性の高い立地にあるマンションを選ぶ

これからマンションの賃貸経営や購入を検討している方は、立地条件が良いマンションを選ぶのがポイントです。マンションの資産価値には立地の良さも含まれます。病院や商業施設、駅が近く、都心へのアクセスも良いマンションであれば資産価値も高くなります。

マンションの将来設計を見直す

既にマンションの保有者である場合は、「今後そのマンションをどのようにしていくのか」を早い段階で話し合い、将来設計を見直すことが大切です。これには修繕計画も該当します。計画が遅くなるほど資金集めの期間も短くなり、負担が大きくなります。
建て替えも含めて将来計画を策定し、内容を管理組合の総会などで共有しましょう。

マンションの建て替え

建て替えを行うのも一つの方法です。資金の問題や居住者の反対といった問題がありますが、小規模な修繕を繰り返すよりも、建物全体を建て替えることで新たな入居者を呼び込むこともできます。

マンションを売却し、新しいマンションを購入する

もしも、マンションの建て替えが難しいようであれば、売却して新しいマンションを購入しましょう。限界マンションにならないための対策ではありませんが、売却することでリスクを避けることができます。マンションの成約価格が下がっている可能性も高くなりますが、成約価格に関わらず売却するのも一つの方法です。

まとめ

限界マンションとは維持管理が限界を迎えた中古マンションを指し、その数は年々増加傾向にあります。限界マンションは成約価格が下がることや周辺地域の治安の悪化が懸念されていますが、好立地のマンションも多いため、設備などの条件が良好であれば、資産価値のあるマンションといえるでしょう。

しかし、すでに限界マンション化しており、管理体制などの改善が見られない場合は、売却して住み替えを行うのも選択肢の一つです。その際は、不動産一括査定サービスを活用し、より良い条件で売却できる不動産仲介会社を見つけましょう。

土地を売る時のポイントについて詳しく知りたい方は、こちらもお読みください

<監修者>

宮本弘幸

宅地建物取引士

1960年石川県加賀市生まれ。大学卒業後、大手ハウスメーカーの営業として20年勤務した後、地元、金沢小松、加賀で不動産・住宅の営業に携わる。2016年より、石川県小松市にて、株式会社みやもと不動産を開業。宅地建物取引士のほか、ファイナンシャルプランナー(AFP)、相続診断士などの資格を保有。

  • ※本コンテンツは公開日時点での法制度に基づいて作成しています。
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