マンション売却に適した時期とは?2020年4月からの「契約不適合責任」もあわせて解説

基礎知識
マンション売却に適した時期とは?2020年4月からの「契約不適合責任」もあわせて解説 マンション売却に適した時期とは?2020年4月からの「契約不適合責任」もあわせて解説

マンションの売却はタイミングが肝心です。マンションの現状に合わせて売出に適した時期を知り、余裕を持って売却準備を進めましょう。
ここでは、マンション売却に適した時期を見極めるためのポイントや売却時の注意点、2020年4月より施行された「契約不適合責任」について解説します。

築年数で見るマンション売却の時期

築年数で見るマンション売却の時期

マンション売却のタイミングを考える際、築年数を指標にしている方もいるのではないでしょうか。
築年数を重ねるとマンションの資産価値は下がる傾向にあります。ですから、「築年数が浅いうちが売却に適した時期」という考えも一理あります。

しかし、マンションの資産価値や売却のタイミングには、築年数以外にも多くの要素が関係しているのです。
築年数はマンションの資産価値を左右するため、査定時には重要な要素。しかし、売却の時期を考えるうえでは、「見極める要素のひとつ」と捉えておくことをおすすめします。
ここでは、マンションの築年数と売却時期の関係について解説します。

築年数は売却の時期にはあまり影響しないという見方もある

マンションは、新築~築5年までに価値が大きく下がる傾向にあります。それから下落率は落ち着き、築20年を迎える頃まで、ゆるやかな下落が続きます。
マンションの資産価値が底値となると、その後はほぼ横ばいというケースが一般的です。
しかし、立地が良いマンションでは、資産価値が上昇することもあります。“築年数を重ねるとマンションの資産価値が下がる”とは一概にいいきれないのです。

築年数ごとに見るマンションの特徴と売却との関係

マンションの資産価値に変化が出やすい築年数ごとに、築年数と売却のタイミングの関係性を見ていきましょう。

築5年未満

新築マンションが、一度でも購入・居住されれば、中古の扱いとなります。
新築マンションが中古になると、資産価値が2割ほど低下してしまうという話(新築プレミアム)を耳にしたことがある方もいるでしょう。
しかしながら、築年数の浅い物件が、新築と近い価格で取引されるケースもあります。経済情勢や相場価格の上昇などによっては、購入価格を上回る価格で売却できる可能性もあります。

築5年~10年未満

築5年~10年未満のマンションは、中古マンションのなかでも著しい劣化やダメージが少ないことが多いです。
建物や設備の劣化が比較的軽微であるにもかかわらず価格が下がっているので、買主様にとっては「コストパフォーマンスが良いマンション」、売主様にとっては「需要があって売りやすいマンション」といえます。

また、築10年未満のマンションは、先に挙げた築5年未満のマンションに比べて税金を抑えやすいのもポイントです。
マンションを売却して得た利益(譲渡所得)には、譲渡所得税と住民税が課せられます。
(※注)2013(平成25)年から2037年までは、上記の他、復興特別所得税(基準所得税額×2.1%)が課されます。
税金は売却した不動産の所有期間によって所得の区分が異なります(分岐点は5年未満、以上)。
マンションを所有していた期間が5年未満であれば短期譲渡所得、5年以上であれば長期譲渡所得に分類され、それぞれ以下の税率で譲渡所得税が課税されます。

所有期間 所得の区分 税率
5年未満 短期譲渡所得 39.63%
5年以上 長途譲渡所得 20.315%

マンションの所有期間が5年を超えているかどうかで、譲渡所得にかかる税金は2倍近く異なります。
築5年~10年未満のマンションは、税制面において売却に適したタイミングといえるでしょう。

築10年~15年未満

築10年を超えると修繕工事の必要性が高まり、修繕積立金が増額となる可能性があります。
こうしたタイミングを境に、マンション売却を検討する方もいるでしょう。

また、「築12年」という目安もあります。
住宅ローンの性質上、築12年以上のマンションは返済期間設定に制限がかかる可能性があるからです。
一般的に、住宅ローンの返済期間は物件の法定耐用年数の残存期間に応じて設定します。
買主様が住宅ローンの返済期間を最長の35年で設定する場合、法定耐用年数47年のRC造マンションにおいては、築年数が12年以内でないと、住宅ローンの審査が通らない場合があるという問題が出てくるのです。

※RC造法定耐用年数47年 - 住宅ローンの最長返済期間35年 = 築年数12年

築15年以上

築15年を超えると建物や設備の老朽化が目立ちやすくなり、新築と比べるとマンションの資産価値は大きく下がります。
前述のとおり、築20年まで資産価値は低下し続けます。できるだけ早く売りに出すことで、老朽化による影響を受けにくくなるでしょう。

築20年を超えたマンションは、資産価値がほぼ底値となります。リノベーション(大規模な改修)を前提とした売却活動をおこなうことが必要です。
その後は築年数に応じて資産価値が変動することが、ほとんどなくなります(築年数以外の要因から多少の影響を受けるようになります)。

築年数が15年を超えてからはメリットが少なくなるため、築年数以外の要素を含めて売却のタイミングを検討することが大切です。
築年数ごとのポイントを以下で確認しておきましょう。

築年数 売却するメリット
築5年未満 新築同等、もしくは新築の2割減ほどの資産価値で売却できる可能性がある
築5年~10年未満 築5年未満の売却に比べ、譲渡所得にかかる税金をおよそ半分に抑えられる
築10年~15年未満 大規模修繕にかかる手間や修繕積立金の増額を回避できる
築15年以上 特になし

マンションの築年数と売却の関係については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
マンションの築年数と売却の関係について

季節で考えるマンション売却の時期

季節で考えるマンション売却の時期

転勤や子どもの進学など、ライフスタイルの変化から、家の買い替えや引越しを検討する方は多いです。
新生活や引越しシーズンなど、季節によってもマンションの需要は変動します。ここからは、季節ごとの需要の変化から、マンション売却に適した時期を考えていきましょう。

11月~12月に準備を開始するのがおすすめ

東日本不動産流通機構のレポート(2019年)によると、首都圏の月別中古マンションの成約件数は、3月がもっとも多いことが分かります。

〈首都圏の月別中古マンション成約件数〉

参照元:http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/mw_201912_summary.pdf
(Market Watch サマリーレポート2019 年 12 月度/東日本不動産流通機構)

2月~3月は新生活に向けた引越しシーズンです。

  • お子様の入学、新学期にあわせた購入検討(住まいが手狭になる)
  • 家族の転勤にあわせた購入検討

上記のように、ライフスタイルの変化で住宅の購入ニーズが高まる時期。マンション売却にも適しています。
2月~3月の売却を目標とする場合、売却準備は11月~12月頃から始めましょう。
一般的に、マンションを売りに出してから成約するまでに3ヶ月の期間が必要とされています。

企業の人事異動シーズンも売却の時期

6月~7月、9月~10月は企業の人事異動シーズンです。
一般企業の転勤時期でもっとも多いのは6月末~7月初旬頃。次に多いのは9月末~10月初旬です。
一般企業は決算時期に合わせて人事異動をおこなうケースが多く、転勤などにより住宅需要が高まることが予想されます。
そのため、前述のようにマンションの売却にかかる期間(3ヶ月)を見越して、3月~4月、6月~7月頃から売却準備を始めると売却のチャンスが多くなるでしょう。

1月~2月、5月、8月~10月は、売却準備を開始してもチャンスを逃してしまう可能性があります。
売却に適した時期(需要が高まる時期)から逆算して、最適なタイミングで売却準備を開始できるようにしましょう。

売却に適した時期 売却準備開始におすすめの時期
2月~3月(引越しシーズン) 11月~12月
6月~7月(人事異動シーズン) 3月~4月
9月~10月(人事異動シーズン) 6月~7月

大規模修繕工事前後に見る売却の時期

大規模修繕工事前後に見る売却の時期

大規模修繕が予定されているマンションの売却。注意したい点として、「修繕のタイミング」があります。
大規模修繕が予定されている場合、工事と売却活動の時期が重なると、売却のチャンスを逃してしまう可能性があります。
ここからは、大規模修繕の工期から、売却に適したタイミングを考えていきましょう。

大規模修繕が予定されている場合は早めの売却がおすすめ

大規模修繕の工事が開始されると、「建物の外観が見えない」「足場が組まれて窓からの眺めや景色がわかりにくい」「室内が暗い」といった状況から、内見者や購入希望者が少なくなる可能性があります。
大規模修繕の工期は長期間。買主様が購入検討しにくい状況が続き、売却のチャンスを逃しやすくなります。注意しましょう。
また、大規模修繕による影響を逆手にとって、値引き交渉を求められるケースもあります。
こうした可能性を避けるために、マンション売却を視野に入れたタイミングで大規模修繕の計画を確認し、工事が開始される前に売却手続きを進めることをおすすめします。

大規模修繕前に売却できなかったら、修繕後も狙い目

売却前に工期を迎えてしまった場合は、修繕工事が完了してからの売却も視野に入れましょう。
大規模修繕が完了しているマンションは、大がかりなリノベーションが施されていることから、買主様へ積極的にアピールすることができます。
また、全国宅地建物取引業協会連合会と全国宅地建物取引業保証協会が調査した「不動産情報の検索等に関する意識調査(2011年3月)」によると、買主様が不動産物件情報を探す際に写真で確認したい点は、「建物の外観・デザイン」。
大規模修繕により外壁塗装がおこなわれた場合は建物の外観が大きく向上するため、売却におすすめの時期となります。

前述したとおり、築10年を超えると修繕工事の必要性が高まります。
大規模修繕の予定を早めに確認できた場合は、工期を迎えるまでに売却を。難しい場合は、修繕工事後に積極的に売却を。以上のスケジューリングがおすすめです。

中古マンションを売却する際に注意すべき点

中古マンションを売却する際に注意すべき点

中古マンションを売りに出すタイミングが変われば、売却できる確率も変わります。売却に適した時期を踏まえて準備を進めることが重要です。
ここでは、中古マンションの売却前に確認しておくべき注意点を見ていきましょう。

相続したマンションの場合に気を付けたい「名義の確認」

マンションを売却するには、マンションの名義人が所定の手続きをおこなう必要があります。マンションの名義人が自分以外だった場合、登記手続きを済ませてからでないと売却手続きが進められません。
相続などにより譲り受けた不動産は、まれに所有権移転の手続きがおこなわれないまま年月が経ち、名義人が古いままになっているといったケースがあります。気を付けましょう。

住宅ローン残債がある場合、売却の結果として利益が出るか

売却により得た資金で完済できるのであれば、住宅ローンが残っているマンションも売却を進められます。
住宅ローンを完済し、利益が出るように進めることが理想です。
売却により得た資金が住宅ローンの残債額に満たない場合は、足りない費用をご自身で補うことになります。この点に注意しておきましょう。

相場よりもわずかに余裕を持つ価格設定に

マンション売却では、買主様から値段交渉を高確率で持ちかけられます。
無理に応じる必要はありません。しかし、柔軟な対応ができないと売却の機会を逃す可能性があります。
より多くの機会を掴むためにも、マンションの売出価格は相場より多少余裕を持ち、値段交渉に応じられるよう設定しておきましょう。
市場の動向などから売却が難しくなってしまった場合も、売出価格に余裕があれば落ち着いて価格設定を見直すことができます。

周辺に競合マンションがある場合にも売却の時期は重要

人気の高い住宅地ほど、競合となるマンションは多いです。
売却には、競合マンションを意識することも大切。
周辺に競合マンションがある場合の注意点は以下の通りです。

近隣に新築マンションの建築が予定されている場合

売却したいマンションの付近に新築マンションの建築計画がある場合、多くの買主様が新築マンションに流れることが予想されます。
中古マンションの売却を有利に進めるには、新築マンションの販売価格の公表を待ち、より手の届きやすい価格に設定することが大切です。
そうすることで、「新築マンションの販売価格が希望価格と合致しない買主様」にアピールすることができます。

競合となる中古マンション(同じマンション内や近隣マンション)が複数ある場合

売却したいマンションと似た条件の中古マンションが多い場合、売却時期が重なると売却機会が減ります。
早期に売却するためには、売出価格を低く見積もる必要も出てくるでしょう。
高値での売却を実現するために、競合の中古マンションと売却時期をずらし、後から売却を進めることをおすすめします。

売却のスケジュールに余裕があれば、値下げの余地を残した高めの価格設定もできるでしょう。中古マンションの多い人気エリアでは早めの計画と行動が肝心です。
最適な売出時期を知るために、当該エリアで豊富な取引実績を誇る不動産仲介会社へ相談することをおすすめします。
エリア内の需要の変化やすでに売り出されている中古マンションの動向から、的確なアドバイスをもらえるでしょう。

マンション売却前に知っておくべき「契約不適合責任」

マンション売却前に知っておくべき「契約不適合責任」

マンション売却では、成約後に「瑕疵(かし)」によるトラブルが起こる可能性があります。
マンション売却後のトラブルを未然に防ぐためには、「瑕疵担保責任」について正しく理解しておくことが大切です。

2020年4月1日から「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」へと改正された

民法の改正により、これまで売主様に問われてきた「瑕疵担保責任」は2020年3月をもってなくなりました。2020年4月からは売主様に「契約不適合責任」が問われています。売主様の不動産売却における責任が、より広範囲になりました。
ここからは、瑕疵担保責任と契約不適合責任の概要や相違点について見ていきましょう。

これまでの「瑕疵担保責任」とは

マンション売却における「瑕疵」とは、住宅としての品質や機能が損なわれるような不具合のことです。「瑕疵担保責任」は、隠れた瑕疵があった場合に、買主様を保護するための法律です。
例えば、マンション引渡し後に雨漏りや床の傾きなどの瑕疵が見られた場合、買主様は売主様に対して損害賠償や契約解除の請求をおこなうことができます。
瑕疵による損害賠償の請求は通常、瑕疵の発見から1年間です。しかし、売主様が告知義務を無視して瑕疵の通知を怠っていた場合、瑕疵担保責任で定められた期間に関係なく、買主様は損害賠償や契約解除の請求が可能です。

事故物件の扱いや売主様の告知義務については、こちらの記事を参考にしてください。
事故物件の売買は可能?売却する際に心得ておくべき重要事項とは

「契約不適合責任」とは

契約不適合責任とは、契約書に定めた内容と異なるものを売却した場合に、売主様が負うべき責任を定めた法律です。
瑕疵担保責任で定められた「損害賠償」と「契約解除」のほか、「追完請求」と「代金減額請求」の責任が加えられました。

「追完請求」とは、買主様が売主様に対し、瑕疵の修理を請求できる権利のことです(新民法第562条)。
「代金減額請求」とは、追完請求に売主様が応じない場合、または何らかの原因により修復が不可能である場合に、買主様が購入代金の一部を減額請求できる権利のことです(新民法第563条)。
基本的には追完請求となり、追完請求が通らない場合に代金の減額請求ができる仕組みとなっています。
つまり、「損害賠償」「契約解除」「追完請求」の3つが、売主様が問われる主な責任となります。

今後の売却のために知っておきたい契約不適合責任における留意点

契約不適合責任は、目的物の状態を明確にしたうえで売買をおこなうための法律です。契約不適合とならないために、売主様ができることを知っておきましょう。

インスペクションの事前実施

インスペクションとは、構造躯体(柱、基礎、壁、屋根など)や外壁、開口部など、雨水の浸入を防止する部分についての専門家による診断・調査ことです。
インスペクションを実施すると、瑕疵になりうる問題点を見つけることができるため、売却後のトラブルを未然に防ぐことにつながります。
インスペクションによって明らかとなった事象(傾いている家なのか、傾いていない家なのかなど)は、売買契約書に記載されます。売主様・買主様双方が納得のうえ、売買契約を締結できます。
インスペクションの実施には5万円~10万円ほどの費用(売主様負担)がかかりますが、契約不適合責任が問われた場合のリスクを考えると、必要に応じて実施することが望ましいです。
インスペクションに関しては以下の記事で詳しく解説しています。

不動産を売却するときに知っておきたい「インスペクション」とその必要性とは?

売買契約書の特約・容認事項を明確に記載する

マンションの売買契約書には、法律の定めに則った条文のほか、売主様や売却するマンションの条件に合わせた特約や特記事項、容認事項を記載することが可能です
(例えば、建物の現状について通知したい内容や、インスペクションによって判明した事象を記載)。
目的物の内容を契約時に明確にし、契約書の内容と物件の状況を適合させることが重要です。

設備について一切の契約不適合責任を負わない旨を契約条文に記載する

中古マンションの売却において、設備に一切不具合が見られないようなケースは、あまりありません。
そのため、中古マンションの売却では設備などに多少の不具合が見られることを前提として、売買契約を進めることが大切です。
中古マンションの設備に契約不適合責任を適用すると、売買契約の進行に支障が出る可能性もあるため、「売買契約書には設備についての契約不適合責任を負わない旨」を忘れずに記載しましょう。

まとめ

マンション売却に適した時期は、築年数や季節などさまざまな観点から判断できます。しかし、個々のライフスタイルや売却時に求める条件などにより、最適な時期は異なります。
有利に売却できる時期を見定めるには、信頼のおける不動産仲介会社へ相談し、専門家からアドバイスを受けることが重要です。
マンションの売却を検討している方は、すまいValueの一括査定を利用してみてはいかがでしょうか?

<監修者>

宮本弘幸

宅地建物取引士

1960年石川県加賀市生まれ。大学卒業後、大手ハウスメーカーの営業として20年勤務した後、地元、金沢小松、加賀で不動産・住宅の営業に携わる。2016年より、石川県小松市にて、株式会社みやもと不動産を開業。お客さまのニーズをよく共有し、最適な提案をおこなう営業スタイルで、お客さまに愛される不動産業を心がけている。宅地建物取引士のほか、ファイナンシャルプランナー(AFP)、相続診断士などの資格を保有。

  • ※本コンテンツは公開日時点での法制度に基づいて作成しています。
  • ※実際の取引での法制度の適用可否については、税理士・税務署等にご確認のうえ判断してください。

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