不動産価格の推移を分析!不動産の売り時を見極める4つの根拠

基礎知識
不動産価格の推移を分析!不動産の売り時を見極める4つの根拠 不動産価格の推移を分析!不動産の売り時を見極める4つの根拠

不動産の売り時を見極める指標には、全体的な「不動産価格の推移」「契約率(需要)」「供給数」、そして「周辺の需給バランス」という4つがあります。
ただし、全体的な「不動産価格の推移」「契約率(需要)」「供給数」は対象の不動産が非常に多くなるため、あくまで参考値として把握しておきましょう。重要なのは「売却予定の不動産周辺の需給バランス」をチェックすることです
ここでは不動産の売り時を見極めるための判断指標である、「不動産価格の推移」「契約率(需要)」「供給数」「売却予定の不動産周辺の需給バランス」の4点について解説します。

不動産価格の推移を見極める

不動産価格の推移を見極める

不動産の売り時を見極める判断指標の1つに「不動産価格の推移」があります。

首都圏では過去5~10年で不動産価格は上昇しています。現在も不動産価格は高水準を維持しているといえるでしょう。以下より、首都圏の新築マンション・中古マンション・一戸建て・土地の価格推移を解説します。

首都圏の新築マンション価格推移

不動産経済研究所のデータによると、首都圏の新築マンションの価格は以下のように推移しています。

2010年:4,718万円
2011年:4,578万円
2012年:4,540万円
2013年:4,929万円
2014年:5,060万円
2015年:5,518万円
2016年:5,490万円
2017年:5,908万円
2018年:5,871万円
2019年:5,980万円
上記から分かるように、首都圏の新築マンションの価格は、過去10年で約26.7%アップしています。だ、2017年と2019年を比較すると、約1.2%しか価格は上がっていません。不動産価格の上昇率が鈍化していることが分かります。

首都圏の中古マンション価格推移

次に、首都圏の中古マンションの価格推移を見ていきましょう。東京カンテイの資料によると、首都圏の中古マンション価格は以下のように推移しています。

2010年:2,965万円
2011年:2,979万円
2012年:2,863万円
2013年:2,791万円
2014年:2,851万円
2015年:3,070万円
2016年:3,476万円
2017年:3,577万円
2018年:3,638万円
2019年:3,709万円

上記から分かるように、首都圏の中古マンションの価格は、過去10年で約25%アップしています。た、2017年と2019年を比較すると価格は約3.7%上昇しています。

このように、新築マンションの価格と同じく、中古マンションの価格も高い水準で推移しています(中古マンションの近年の価格上昇率は、新築マンションよりも高め)。

ただ、2015年から2016年の上昇率(約13.2%)と2017年以降の上昇率(約3.7%)を比較すると、新築マンションほどではないですが価格上昇率の鈍化が見て取れます。

首都圏の一戸建て価格推移

次に、首都圏の一戸建ての価格推移を見ていきましょう。東京カンテイの資料によると、首都圏の一戸建ての価格は以下のように推移しています。なお、以下の価格推移は各年の1月~12月の月次平均価格です。

年次 新築 中古
2015年 3,377万円 3,007万円
2016年 3,467万円 3,079万円
2017年 3,482万円 3,085万円
2018年 3,870万円 3,450万円
2019年 3,930万円 3,400万円

過去5年間で、首都圏の一戸建ての価格は新築が約16.3%、中古が約13%上昇しています。ただし、2018年、2019年を見ると上昇率はやや鈍化、もしくは、やや下落しています。

※東京23区の地価も上昇傾向

次に、東京23区の地価推移を見ていきましょう。東京都財務局の資料を見ると、東京23区の地価(住宅地)は以下のように推移しています。

2015年:491,100円(平方メートル)
2016年:508,900円(平方メートル)
2017年:527,800円(平方メートル)
2018年:550,900円(平方メートル)
2019年:590,900円(平方メートル)

上記から分かるように、東京23区の地価(住宅地)は過去5年で約20.3%上昇しています。

過去5年~10年を見ると、マンション・一戸建て・土地は、全般的に不動産価格が上昇していることが分かります。ただ、上記は指標の一つ。あくまで参考程度にとどめてください。

以上を踏まえたうえで、以下より需給バランスについて解説します。

契約率で消費者マインドを見極める

契約率で消費者マインドを見極める

不動産の売り時を見極める2つ目の判断指標は、「契約率」。契約率から消費者マインドを見極めることが大切です。消費者マインドとは簡単に言い換えると「需要」のことです。

ここからは「契約率の推移で分かる需要の変化」について解説します。需要は供給とセットで見ることをおすすめします。ぜひ、本章で解説する「需要」と、次章で解説する「供給」をセットで読み進めてください。

需給バランスと不動産の売り時の関係

需要と供給が「不動産の売り時」に関係する理由は、不動産価格が基本的に需給バランスによって決まるからです。不動産価格は、買いたい人(需要)と売出物件(供給)のバランスによって決まります。

例えば、A駅付近でマンションの購入検討者(需要)がたくさんいたとします。A駅付近で売出しているマンションが1部屋しかなければ、その1部屋に購入検討者が集中します。

購入検討者の中には「高くてもいいから買いたい」という人がいるため、不動産価格は高くなります。逆に、購入検討者(需要)が少なく売出物件(供給)が多ければ、不動産価格は安くなります。

このように、不動産価格は需給バランスによって決まるため、需給バランスの推移を知っておく必要があります。以下より、まずは需要について解説します。

新築マンションの契約率は下落傾向をつづけている

新築マンションの需要は「マンション契約率」の推移を見ると分かります。

マンション契約率とは、マンションを売出した初月に売買契約を結んだ割合のこと。
これは、「新築マンションを買いたいと思う人がどれくらいいたか」という割合でもあるので、新築マンションの需要を測ることができます。

新築マンションの契約率は70%が好不調の境目とされています。70%以下であれば需要低下の可能性があるということです。不動産経済研究所のデータによると、新築マンションの契約率は以下のように推移しています。

2010年:78.4%
2011年:77.8%
2012年:76.3%
2013年:79.5%
2014年:75.1%
2015年:74.5%
2016年:68.8%
2017年:67.3%
2018年:62.1%
2019年:62.6%

上記のように、2016年以降は契約率70%以下です。ここ2年は特に低水準となっています。

中古マンションの成約率も下落傾向をつづけている

次に、レインズのデータで中古マンションの成約率(成約件数÷売出物件数)を見ていきましょう。過去10年の中古マンション成約率は以下の通りです。

成約率
2010年 21.9%
2011年 16.8%
2012年 17.3%
2013年 22.3%
2014年 21.0%
2015年 19.6%
2016年 19.1%
2017年 19.2%
2018年 18.0%
2019年 18.6%

この成約率だけを見ると、過去10年間ではやや低い水準にあることが分かります。ただし、一つの指標から需要を読み解くことはできません。次章で解説しますが、中古物件の供給数は増えています(成約率ではなく『成約件数』を見ると上昇しています)。

一戸建てと土地もやや下落傾向をつづけている

次に、レインズのデータで一戸建てと土地の成約率を見ていきましょう。過去10年間の一戸建てと土地の成約率は以下の通りです。

成約率
新築一戸建て 中古一戸建て 土地
2010年 11.0% 18.6% 13.0%
2011年 8.1% 16.9% 11.6%
2012年 7.3% 17.2% 11.9%
2013年 7.5% 18.9% 11.8%
2014年 5.6% 17.4% 11.8%
2015年 6.6% 18.3% 10.9%
2016年 7.2% 21.4% 13.2%
2017年 6.8% 20.5% 13.6%
2018年 6.1% 18.9% 12.0%
2019年 6.5% 18.0% 10.0%

このように、一戸建てと土地の成約率もやや下落基調です。ただし、中古一戸建ての2019年の成約率は、過去10年間で見ると標準的な水準にあります。また、次章で詳しく解説しますが、一戸建ても土地も「成約件数」で見ると伸びています。

不動産の契約率や成約率だけを見ると、需要は減少傾向にあります。この「需要」の傾向を念頭に置いて、次章の「供給」を確認してみましょう。

供給数で需給バランスを見極める

供給数で需給バランスを見極める

不動産の売り時を見極める3つ目の判断指標は、「供給数」です。この章では、マンション・戸建ての供給戸数の推移について解説します。

新築マンションの供給戸数推移

不動産経済研究所の資料によると、新築マンションの供給戸数の推移は以下の通りです。

年代 販売戸数
2010年 44,535戸
2011年 44,499戸
2012年 45,602戸
2013年 56,478戸
2014年 44,913戸
2015年 40,449戸
2016年 35,772戸
2017年 35,898戸
2018年 37,132戸
2019年 31,238戸

このように、新築マンションの供給戸数は低水準です。2019年は過去10年でもっとも供給数が少なくなっています。また、前述したように契約率も現在は低水準です。

ただ、供給数が減少している状況で需要が一定であれば、マンションの契約率は上昇するはず。供給数が減少し、契約率も低下しているので、新築マンションの需要は減少傾向にあるといえるでしょう。

中古マンションの供給戸数推移

次に、中古マンションの供給戸数の推移について解説します。レインズのデータによると、過去10年の中古マンションの供給戸数は以下のように推移しています。なお、前章で解説した中古マンションの成約率もあわせて表記しています。

成約率 成約件数 新規登録件数
2010年 21.9% 30,347件 138,377件
2011年 16.8% 28,871件 172,024件
2012年 17.3% 31,397件 181,682件
2013年 22.3% 36,432件 163,637件
2014年 21.0% 33,798件 161,185件
2015年 19.6% 34,776件 177,296件
2016年 19.1% 37,189件 194,336件
2017年 19.2% 37,329件 193,988件
2018年 18.0% 37,217件 206,901件
2019年 18.6% 38,109件 204,891件

このように、成約率はやや下落傾向であるものの、成約件数と新規登録件数(売出物件数)は上昇しています。新規登録件数は過去10年間で約48%増加しているものの、成約率は3.3%の下落にとどまっています。

供給数が大きく増加している状況で需要が一定であれば、成約率は大きく低下するはずです。しかし、供給数が大きく増加し、成約率(需要)が微減しているので、中古マンションの需要は新築マンションほど減少していないと考えられます。

「需要と供給をセットで見る重要性」をお分かりいただけたでしょうか。

中古戸建ての供給戸数推移

次に、中古戸建ての供給戸数推移を見ていきましょう。
レインズのデータによると、過去10年で中古戸建ての供給戸数は以下のように推移しています。

成約率 成約件数 新規登録件数
2010年 18.6% 10,745件 57,639件
2011年 16.9% 10,569件 62,698件
2012年 17.2% 11,459件 66,771件
2013年 18.9% 12,245件 64,623件
2014年 17.4% 11,208件 64,287件
2015年 18.3% 12,153件 66,447件
2016年 21.4% 13,195件 61,788件
2017年 20.5% 12,743件 62,181件
2018年 18.9% 12,718件 67,207件
2019年 18.0% 13,037件 72,525件

中古戸建ても中古マンションと同じようなことがいえます。新規登録件数(売出物件数)という「供給」が増えていますが、成約率は標準的な数値です。つまり、中古戸建ての需要は、新築マンションほど下がっていないと考えられます。

このように、需要と供給の両方をチェックすることで需給バランスを把握することができ、不動産価格の推移を見極められるようになります。

周辺物件の需給バランスを見極める

周辺物件の需給バランスを見極める

不動産の売り時を見極める4つ目の判断指標は、「売却予定の不動産周辺の需給バランス」です。ここまでで解説してきた不動産価格推移や需給バランスは、首都圏全体・東京23区の傾向。全体的な需給バランスを考慮しつつ、保有している不動産の周辺エリアにおける需給バランスを見極める必要があります。

ここからは以下について解説します。

  • 周辺の需給バランスが常に重要
  • 周辺の需給バランスは査定して調査
  • 自分で不動産価格推移を把握する方法

周辺の需給バランスが常に重要

「周辺の需給バランスが非常に重要である理由」として以下の点が挙げられます。

  • 成約価格に大きく影響するから
  • 周辺の需給バランスが変化しやすいから

以下より詳しく解説します。

成約価格に大きく影響する

1つ目の理由は、周辺の需給バランスが成約価格に大きく影響するからです。

不動産を購入する人は、ある程度エリアを決めています。
仮に、「首都圏でマンションを探している」のであれば、前述した首都圏の需給バランスをチェックすることで不動産の売り時が分かるでしょう。

しかし、首都圏という広い範囲で不動産を探す人はほとんどいないはず。

多くの人は、「××線の沿線でA駅~C駅」や「○○区内」などのように、ある程度エリアを決めて不動産を探すものです。そのため、不動産の需給バランスを調べるときはエリアを「周辺」に絞らないと、成約価格の推移、不動産の売り時が分からないのです。

周辺の需給バランスは変化しやすい

2つ目の理由は、周辺の需給バランスが変化しやすいからです。

調べるエリアを「周辺エリア」に絞ると「首都圏」よりもエリアが狭くなります。そのため、売出物件が少し増えただけで競合物件が多くなるのです。

例えば、A駅付近で売出し中のマンションが4物件あり、それが8物件に増えた……となれば、売出物件は4件増えただけですが、競合物件が倍増したことになります。

そうなると、検討者数(需要)が倍増しない限り、不動産価格が下がる可能性があるのです。このように、周辺の需給バランスは変化しやすく、不動産価格に大きな影響を与えます。

周辺の需給バランスは査定依頼して調査

周辺の需給バランスは、不動産仲介会社へ査定依頼して調べます。

査定とは、不動産が大体どのくらいの金額で売却できるかという「目安価格」を、不動産仲介会社に算出してもらうことです。以下より、査定することで需給バランスが分かる理由と、査定時の注意点について解説します。

査定することで需給バランスが分かる理由

査定することで需給バランスがなぜ分かるのか。それは、不動産仲介会社が査定価格を算出するときに直近の成約状況や売出物件状況を加味して算出するからです。

不動産仲介会社は以下の流れで査定価格を算出します。

  1. 過去に成約した事例を確認
  2. 現在の売出物件を確認
  3. 最近の検討者状況を確認

つまり、「直近の成約事例」「現在の売出物件(供給)」「検討者状況(需要)」という3点から価格が算出されます。そのため、査定価格を算出してもらうことにより、エリアの需給バランスがピンポイントで分かるのです。そして、需給バランスが分かれば売却の目安価格が分かります。

査定時の注意点

査定時に売出物件の資料をきちんともらうようにしましょう。査定価格の提示を受けたときに不動産仲介会社から売出物件の資料をもらえなければ、現在の売出物件の情報をヒアリングすることをおすすめします。これは、「供給数」を把握するためです。

自分で不動産価格推移を把握する方法

最後に、ご自身で周辺の不動産価格推移を把握する方法を紹介します。

REINS Market Informationの情報は、レインズという不動産仲介会社のみ閲覧できるサイトのデータを基にしています。
一方、土地総合情報システムは国土交通省が行ったアンケートを基にしています。

情報の正確性という点においては、REINS Market Informationの方が、より不動産会社に近しい情報に触れることができるでしょう。
しかしながら、どちらのサイトも個人情報保護の観点で、「○○区××町」のように広範囲での成約価格しか表示されません。
ピンポイントでエリアの不動産価格推移を把握することは難しいので、参考程度にしておくことをおすすめします。

まとめ

不動産の売り時は「不動産価格の推移」「契約率(需要)」「供給数」「売却予定の不動産周辺の需給バランス」という4点から見極めることができます。

不動産の売り時を考えるうえで特に重要な「周辺の需給バランス」は、不動産仲介会社へ 査定依頼することでしか正確に知ることができません。
全体的な不動産価格推移・契約率・供給数などを参考にしつつ、売り時を知るためには査定依頼をしましょう。

不動産の査定依頼をするなら、大手6社の不動産仲介会社に一括で査定依頼できる「すまいValue」へ相談してみてはいかがでしょうか。 大手の不動産仲介会社ならではのノウハウがあります。不動産の売り時を見極めやすくなるでしょう。

<監修者>

中村昌弘

宅地建物取引士

マンションディベロッパーにて、新築マンションの販売・仲介や用地取得の業務を経て独立。自身でも不動産売買経験があり、不動産投資にも精通している。

  • ※本コンテンツは公開日時点での法制度に基づいて作成しています。
  • ※実際の取引での法制度の適用可否については、税理士・税務署等にご確認のうえ判断してください。

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