土地価格はもう上がらないの? バブルから2020年までの推移 土地価格はもう上がらないの? バブルから2020年までの推移
不動産の基礎知識

土地価格はもう上がらないの? バブルから2020年までの推移

かつて土地の値段は、永遠に上がり続けると信じられていました。土地神話という言葉があったくらいです。しかし、1990年代前半にバブル景気が終焉すると、土地神話は崩れました。それから土地の価格は値下がりを続けましたが、景気は徐々に回復し、土地の価格も上向いています。
それでは土地の価格は今後、どのようになっていくのでしょうか。ここ10年間のデータなどを交えて解説します。

土地価格、バブルから失われた20年へ

バブル景気の期間は1986年から1991年までとされています。

バブル景気は、実態的な経済成長よりも市場経済が過熱してしまうことで起きます。日本の80年代後半から90年代前半もそのような状況が起きていて、なかでも土地と株式の値上がりは顕著でした。

多くの日本人が一斉に「土地は値上がりする」「株は値上がりする」と信じたため、土地も株も「品薄」状態になって高騰しました。それでも「まだ値上がりする」と信じる人が多くいたので、土地と株はさらに買われました。高騰が急騰を呼び、暴騰したのです。

しかし「真の日本経済」、つまり実体経済はそこまで強くなく、バブル景気の土地と株の値上がり要因は「値上がりすると信じる気持ち」だけだったのです。

実体経済に伴わないほど高騰した土地の価格や株の価格の鎮静化をはかるために、政府が金融引き締め政策を行った結果、今度は売却の連鎖が起き、土地も株も大暴落しました。土地と株を購入する資金を貸していた銀行や証券会社も大打撃を受け、なかには倒産に追い込まれる会社もありました。

バブル景気最終盤の1990年の東京23区の商業地の公示地価は坪2,705万円と、1983年の7倍以上になっていました。
そして2005年の東京23区の商業地の公示地価は坪449万円と、1990年の6分の1にまで値下がりしたのです。

バブル崩壊で大企業が痛手を負い、中小企業が重傷を負いました。そのため、経済を回復させる担い手がいなかったのです。日本経済はなかなか立ち直れず、1991年のバブル崩壊、2008年のリーマンショック、そして2011年の東日本大震災を経て、第2次安倍内閣が発足した2012年12月までの20年余りは「失われた20年」と呼ばれています。

日本経済は20年間も低迷し、その間「土地を買ってビジネスをしよう」という企業が現れず、土地の価格は低迷を続けました。さらにバブルの象徴である土地は「やっかい資産」とさえみなされるようになったのです。

アベノミクスによる好景気で土地価格は回復した

アベノミクスによる好景気で土地価格は回復した

アベノミクスとは、2012年から始まり2019現在も継続している、政府と日本銀行による金融緩和策と規制緩和と経済支援策のことです。
アベノミクスは、為替の円安基調も追い風になり、順調に推移しました。円安になると日本製品を海外で安く売ることができるので、まず輸出関連企業が復活しました。そしてそれに釣られるように、小売業や住宅関連、流通業、金融業なども業績を回復させていきました。

企業が元気になると事業を拡大させるための土地が必要になり、都心部などの一部の土地が上昇基調に転じました。
また元気な企業は従業員の給料を増やすので住宅需要も高まり、これも土地価格の上昇を下支えしています。

アベノミクスによる土地の価格上昇効果は顕著で、東京都23区の住宅地価格の上昇率と下降率(前年比)は以下のように推移しています。

2009年:-8.3%
2010年:-6.8%
2011年:-1.3%
2012年:-1.0%
2013年(アベノミクス本格スタート):-0.2%
2014年:+1.8%
2015年:+1.9%
2016年:+2.8%
2017年:+3.0%
2018年:+3.9%

アベノミクスが本格スタートした2013年にはマイナス幅がかなり縮まり、翌2014年から毎年プラス幅を拡大させています。
ただ地価の上昇は東京23区や地方の大都市に限られ、地方の地価はまだ値下がりし続けています。

2020年の東京五輪以降はまた下落するのか

2020年の東京五輪以降はまた下落するのか

経済の専門家たちは、2019年には世界経済が落ち込み、それに伴って日本経済も減速するのではないか、と見ています。経済が落ちこめば土地の価格も再び下落してしまいます。
しかし日本には、2020年の東京五輪という「経済のカンフル剤」があります。それで2020年までは東京五輪による景気効果で土地は値上がりし続けるのではないか、と考えている人もいます。

ところが2019年10月には景気を悪化させる要因になるのではと心配されている消費税の増税があります。また当然ですが、五輪は永遠に行われるものではなく、開催期間も限られています。ということは五輪による景気効果は五輪が終了すると終わってしまうという懸念もあるわけです。
これが、土地価格の値下がり説です。

一方で、東京五輪以降も土地が値下がりしないとする説もあります。
2018年現在の土地価格の上昇は、海外の投資マネーが流入しているためで、海外投資家は「日本の土地は海外と比較して安い」と考えています。つまり、「東京五輪があるから買っている」わけではないので、東京五輪に関係なく土地の価格は推移するという見方もあるのです。
また東京五輪のような大規模イベントだけでなく、JR山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」の建設や渋谷駅周辺の再開発、リニアモーターカー「中央新幹線」の建設、そして統合型リゾートの誕生を見据えた大阪万博なども控えています。これらが景気を下支えすれば、地価も上昇傾向を維持するか、少なくとも大幅な下落は回避されると思われます。

まとめ

売却用の土地を持っている方は、土地価格の推移にやきもきさせられているのではないでしょうか。
地価が上昇するのであればもう少し保有しておきたいけれど、これ以上上がらない、もしくは下がる気配があるのなら、すぐにでも売却したい。そんな葛藤で揺れ動いている人も多いかもしれません。
将来の土地価格がどうなるかは誰にもわかりませんが、大切なのはこのような日本全体の地価動向に関心を持ちつつ、不動産仲介会社のWebサイトや営業担当者などから情報を集めて「売り時」を判断する能力を持つことでしょう。

田井 能久
田井 能久(不動産コンサルタント)
不動産鑑定士として25年のキャリアを持つ。訴訟や調停、並びに相続等の税務申告のための鑑定評価書の作成が得意。最近はマレーシアを中心としたビザの取得と海外移住のサポートを通して、トータルな資産コンサルティングも展開している。

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