土地の価格が安い理由はさまざま!市場相場より安い土地を売買する際に気を付けたいポイント

基礎知識
土地の価格が安い理由はさまざま!市場相場より安い土地を売買する際に気を付けたいポイント 土地の価格が安い理由はさまざま!市場相場より安い土地を売買する際に気を付けたいポイント

個人が自分の土地を売ろうと不動産仲介会社に査定してもらった際、市場相場をかなり下回る査定価格が算定されることがあります。それは、その土地になんらかの事情があり、不動産仲介会社が「なかなか買い手がつかないだろう」と加味した結果です。一般的に、需要と供給の関係性から人気のない土地の価格は下がる傾向にあります。しかし、そのような土地であっても売れないというわけではありません。ここでは、土地の売却時に知っておきたいポイントを解説します。

地形が悪い土地、傾斜地、旗竿地は使いにくいから安い

土地の価格や人気度を決める要素の多くは、立地です。地方の土地より都心部の土地の方が人気はあり、不動産価格も高くなることが一般的です。しかし同じ地域、同じ面積の土地でありながら、周囲より極端に安くなる可能性がある土地もあります。たとえば「地形が悪い土地」「傾斜地」「旗竿地(はたざおち)」がその代表例です。

地形が悪い土地とは、たとえば三角形だったり、極端に細長かったりする土地があげられます。このような土地の場合、土地の形状にあわせた建物の配置や間取りとせざるを得ず、駐車場の場所も決めにくくなります。

またたとえ正方形であっても、傾斜地は人気がない傾向にあります。傾斜地に家をつくる場合、盛り土をしたり、建物の土台を頑丈なものにしたりしなければならず、造成や建築コストがかさむからです。

旗竿地とは、土地のメイン部分(建物を建てる部分)となる「旗(はた)」の部分と、メイン部分から前面道路に出るまでの「竿(さお)」のような細長い通路のような土地部分で構成された土地のことをいいます。竿に旗がついているような地形のため、このような名称で呼ばれています。

旗竿地は道路に出にくいだけでなく、周囲を他人の住宅に囲まれていることが多いので、日当たりがよくない傾向があります。

このように、こういった土地は有効利用ができにくいため人気が低く、整形地と比較すると価格が下がってしまう傾向にあります。

再建築不可物件や私道持分がない土地はさらに安値になりやすい

再建築不可物件や私道持分がない土地はさらに安値になりやすい

また、「再建築不可物件の土地」や「私道持分がない土地」も同じく土地の利用が著しく制限されてしまうため土地の価格は安くなってしまう傾向にあります。

再建築不可物件とは、現在の建物を取り壊して同じ場所に建物を建て替えできない不動産のことをいいます。

現在の建築基準法では、建築物の敷地は、原則として幅員4メートル以上の建築基準法上の道路に2メートル以上接していなければなりません。そのため現在の建築基準法上の規定が制定される以前の規定では、適法に建物を建てることができたものの現在の建築基準法に照らし合わせると、その土地においては建物を建てることができないこととなります。

したがって、再建築不可物件であったとしても建物の利用については、問題はありませんが、同じ場所に新たに建物を建てることができないため土地価格は安くなってしまうのです。

次に「私道持分がない土地」についてですが、ここでいう「私道」とは先ほど紹介した旗竿地の「竿」の土地部分のことを例示とします。メイン部分の土地(旗の部分の土地)だけ所有していても、前面道路とメイン部分土地をつなぐ道(竿の部分)部分の土地を所有していないと、メイン部分の土地から道路に出るときに、他人の土地を通らなければならないこととなります。このような前面道路に面した土地の所有権を持たない土地のことを「私道持分がない土地」といいます。

「私道持分がない土地」の所有者は、私道部分の利用にあたっては、その土地の所有者に通行許可や水道管・下水管などのライフラインをメイン部分に引き込むための道路掘削の承諾を得なければなりません。しかし、必ずしも私道の所有者がそれらを承諾してもらえるとも限りませんし、承諾を得るためには承諾料を支払うことが必要となる場合もあり、土地の利用にあたってはそのような不確定な状態であることから、このような土地を積極的に買おうとする人が現れにくいのです。

不人気な土地を求める人もいる!?

不人気な土地を求める人もいる!?

ここまで人気がない故に土地価格が安くなってしまいがちな土地を紹介してきました。しかし、土地の需要にも時代の変化があり、これまでよいとされてきた条件の土地や人気のなかった土地へのニーズの変化がでてきています。

たとえば、これまで「南東角地」といえば、そのエリアの一等地であり、日当たりが確保できるため人気がありました。しかし最近では、南東角地に家を建てると、家の二面が道路と接することから、プライバシーが守られにくいなどの理由もあり、あえて南東角地以外を選ぶ方も現れ始めているのです。

一方、これまで人気のなかった土地の代表格であった旗竿地を求める購入検討者も現れています。この旗竿地のメイン部分の土地(旗の部分)は周囲の住宅に囲まれているため、前面道路からは距離があり、車両の騒音が軽減されることやプライバシーが守られやすい土地として再評価されてはじめているのです。

まとめ

価格が安い土地には、さまざまな理由があります。市場相場より安い土地を売買する際は、上記で説明したポイントに注意するようにしましょう。

また、不安な点がある場合、不動産仲介会社に相談をするようにしましょう。

土地を売る時のポイントについて詳しく知りたい方は、こちらもお読みください

<監修者>

小林弘司

不動産コンサルタント/不動産投資アドバイザー

東京生まれ、東京育ち。海外取引メインの商社マン、外資系マーケティング、ライセンス会社などを経て、現在は東京都内にビル、マンション、アパート、コインパーキングなど複数保有する不動産ビジネスのオーナー経営者(創業者)です。ネイティヴによる英語スクールの共同経営者、地元の区の「ビジネス相談員」、企業顧問なども行っています。

  • ※本コンテンツは公開日時点での法制度に基づいて作成しています。
  • ※実際の取引での法制度の適用可否については、税理士・税務署等にご確認のうえ判断してください。

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