不動産鑑定士に土地の鑑定を依頼すべきときとは?鑑定と査定の違い、依頼料金、依頼の流れなどを解説

基礎知識
不動産鑑定士に土地の鑑定を依頼すべきときとは?鑑定と査定の違い、依頼料金、依頼の流れなどを解説 不動産鑑定士に土地の鑑定を依頼すべきときとは?鑑定と査定の違い、依頼料金、依頼の流れなどを解説

土地の価格を調べる際は、一般的に不動産仲介会社の査定サービスが活用されます。では「査定」は、「鑑定」とどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、鑑定と査定の違いや、依頼にかかる料金・流れについて解説します。

土地の「鑑定」と「査定」の違いとは

土地の「鑑定」と「査定」の違いとは

土地にかぎらず、不動産の価格は不動産鑑定士が行う「鑑定」、不動産仲介会社が行う「査定」により算定されます。これらの方法で算定された金額はそれぞれ「鑑定額」「査定額」と呼ばれます。
では鑑定額と査定額には、どのような違いがあるのでしょうか。

鑑定額とは「不動産鑑定士により算定された不動産の価値」のことです。不動産鑑定は、国家試験である不動産鑑定試験に合格した「不動産鑑定士」、もしくは試験の一部に合格した「不動産鑑定士補」が行える業務です。国が定める不動産鑑定評価基準に基づいて不動産の価値が鑑定され、鑑定依頼時には料金がかかります。

一方、査定額とは「不動産仲介会社により出される不動産の価値」のことです。不動産査定には、書類上のデータをもとに査定を行う「簡易査定」と、書類上のデータと現地調査をもとに査定を行う「訪問査定」があります。
どちらも不動産仲介会社の担当者により実施され、料金は基本的に無料です。

鑑定は査定に比べて詳細な価格を把握できます。しかし、売却を想定して土地の価格を調べる場合「一物四価」と呼ばれる公的評価をもとに価格が算定されます。
一物四価とは、1つの不動産には「実勢価格」「公示地価」「固定資産税評価額」「相続税路線価」の4つの価格があることを表す言葉です。

一般的に、土地はこの4つのいずれかの価格から価値が算定されます。「鑑定」と「査定」は評価の方法こそ異なりますが「売却を想定して土地の価格を調べるケース」においては、言葉の違いとしてとらえておいても問題ありません。

また、土地の売却を想定する場合「約3ヶ月後に売れることを想定した価格」が提示されます。「鑑定額や査定額が売却できる金額とはかぎらない」ことを念頭に置き、自分に合った方法で土地の価格を調べるようにしましょう。

次は、土地の「鑑定」を依頼するべきケースについて解説します。

土地の「鑑定」が必要な方とは

土地の「鑑定」が必要な方とは

不動産鑑定により算定された土地の価格は、税務関係や裁判資料でも使用される「法的な効力を持つ価格」です。土地を分割する、譲渡するといった手続きを行う際は、鑑定が必要になります。
以下に当てはまる方は、土地の鑑定を依頼しましょう。

・土地の相続や贈与を行う予定がある方

土地は均等な分割が難しい財産です。相続や生前贈与、財産分与などにより土地を分割する必要があれば、鑑定を依頼して適正な土地の価格を知ることが大切です。

・親族間で土地の売買を検討している方

親子や兄弟などの親族間で土地を売買する場合、あまりに低い取引金額は贈与税の課税対象となることがあります。鑑定で算定した適正な価格で売買ができれば課税の対象とならず、親族間のトラブルを防ぐことにもつながります。

・広大な土地の売買・相続を検討している方

農地や山林など広大な土地の売買・相続を検討する場合「広大地」もしくは「地積規模の大きな宅地の評価」と判定してもらうことで、適正な取引や税申告を行えるようになります。

また、病院やゴルフ場、ホテルなど「特殊な広い土地」の売買を検討している際も、鑑定を行うことでより正確な価値を出すことができます。

土地の価格は不動産仲介会社の査定で算定してもらうことも可能です。
しかし、査定額は依頼先により差が出るケースが多く、相続ではトラブルの原因となることもあります。上記のようなケースでは鑑定を依頼するようにしましょう。

不動産鑑定士はどのように土地の鑑定評価を行うのか

不動産鑑定士はどのように土地の鑑定評価を行うのか

土地にかぎらず、不動産鑑定士による不動産の鑑定評価は「取引事例比較法」「収益還元法」「原価法」の3つの方法を組み合わせて行います。

取引事例比較法とは「鑑定する不動産と似た条件を持つ不動産の取引情報」をもとに価値を算定する方法です。過去に取引された不動産の価格と比較して、市況や取引時期などを考慮して調整を加えます。

収益還元法とは「その不動産が将来的にどれくらいの利益を出すのか」という観点から価値を算定する方法です。賃貸用不動産や駐車場など、収益を上げている土地の価格を知る際に用いられます。

原価法とは「その不動産を新たに建築した場合にかかる原価」から、経年分の価値を差し引いて算定する方法です。原価から築年数に応じた価値を差し引くことで、現在の価値を求めます。

どの方法を優先するかは、評価対象の不動産が持つ性質(更地なのか、貸している土地なのかなど)によっても異なります。基本的には3つの方法を組み合わせて鑑定が行われ、さまざまな要因をもとに修正された価格が最終的な鑑定評価となります。

鑑定評価は更に「一般的要因」「地域要因」「個別的要因」の3つ要因に左右されます。土地のどのような条件が評価に影響を与えるのか、以下で確認しましょう。

・一般的要因とは

不動産の価格に影響する基本的な条件のことです。一般的要因には、不動産の立地や気象条件、地盤、法的な規制などの項目が含まれます。

・地域要因とは

不動産の価格に影響を与える地域の特性のことです。不動産は大きく「住宅地域」「工業地域」「農地地域」「林地地域」に分けられ、地域ごとに確認する要因は異なります。例えば住宅地域であれば、交通の利便性や災害発生の危険性などがおもな地域要因となります。

・個別的要因とは

土地や建物が個別に持つ条件・状況のことです。土地は地質や接道状況などが、建物は築年数や構造、耐震性などが個別的要因となります。

不動産鑑定については、以下の記事もご覧ください。
関連記事:
不動産鑑定にかかる費用とは?不動産鑑定が必要なケース・メリットを紹介

不動産鑑定士に土地の鑑定を依頼する際にかかる費用

不動産鑑定士に土地の鑑定を依頼する際にかかる費用

鑑定は、土地によっても異なりますが、20~30万円の費用がかかります。不動産鑑定士事務所が独自に報酬基準を定めているケースが多く、依頼先によって料金が異なる点に留意しましょう。

また費用は土地の価格によるところが大きく、一般的には土地が高価になるほど費用も上がります。鑑定料金は、おもに以下の2種類の料金体系に基づいています。

・報酬基準型

土地の種類(宅地、借地など)や、土地の価格に応じて算定される料金体系のことです。例えば「所有権の宅地ならば○○円」「土地の価格が2,000万円までなら○○円」など、基本的な報酬基準にそって料金が決められます。最も多く採用される料金体系であり、報酬基準の内容は不動産鑑定士事務所により異なります。

・積み上げ型

土地の大きさや調査の複雑さなど、鑑定にかかる作業量に応じて段階的に料金が加算される料金体系のことです。面積が異なる土地の評価では、面積が大きい土地ほど作業に時間がかかるため、鑑定にかかる料金が上がります。

不動産鑑定士に土地の鑑定を依頼するまでの流れ

不動産鑑定士に土地の鑑定を依頼するまでの流れ

ここからは、不動産鑑定士へ土地の鑑定を依頼する際の流れを見ていきましょう。

1.不動産鑑定士の事務所を探し、複数社に見積もりを依頼する

土地があるエリアに対応している不動産鑑定士事務所を探します。見積もりは複数社へ依頼しましょう。鑑定方法や費用を明確にできます。
初回の相談や見積もりは、無料であることがほとんどです。不動産鑑定士事務所を都道府県別で探したい場合は「日本不動産鑑定士協会連合会」のホームページを利用しましょう。

2.委託契約を組み、不動産鑑定の申し込みを行う

鑑定を依頼したい不動産鑑定士事務所が決まったら、委託契約を結び、正式に土地の鑑定を申し込みます。
なお土地の鑑定を依頼する際は、以下の書類が必要になります。

  • 登記簿謄本(全部事項証明書)
  • 公図、地積測量図、実測図
  • 住宅地図
  • 固定資産評価証明書(固定資産税・都市計画税)
  • 売買契約書 など

3.不動産鑑定士が実地調査を行う

必要書類がそろったら、不動産鑑定士による実地調査が行われます。
土地の現況の確認やヒアリングのほか、役所調査や法務局調査、価格形成要因の分析なども実施されます。
なお「簡易鑑定」による土地の鑑定を依頼する場合は、現地調査は行われません。
調査にかかる期間は、鑑定する土地や不動産鑑定士事務所の繁忙状況にもよりますが、おおむね2~3週間が目安です。

4.必要に応じて中間報告を受ける

正式な鑑定評価書が作成される前に鑑定内容を確認したい場合は、中間報告を受けます。鑑定評価内容における不明点や疑問点を漏れなく確認しましょう。

5.鑑定評価書を交付される

すべての調査終了後、評価作業を経て、正式な土地の価格を記載した「不動産鑑定評価書」が発行されます。鑑定評価書は正本1部、副本1部の合計2部が発行されますが、必要があれば副本の部数を増やしてもらうこともできます。
なお簡易鑑定を依頼した場合は鑑定評価書ではなく「不動産調査報告書」が発行されます。鑑定評価書は不動産鑑定評価基準に則った公的な書類ですが、不動産調査報告書は例外として扱われる点に留意してください。

不動産「鑑定」と不動産「査定」どちらがいいのか

不動産「鑑定」と不動産「査定」どちらがいいのか

不動産鑑定と不動産査定で迷った際は、目的で決めるといいでしょう。
相続や贈与などで信頼性のある公的な資料が必要であれば、不動産鑑定士へ鑑定を依頼し、土地の鑑定評価書を発行してもらいましょう。

土地の売買を検討しているなら、不動産仲介会社へ査定を依頼しましょう。土地の相場を知ることができます。ただ、農地や林地など価格の算定が難しい“広大な土地”なら、不動産鑑定を利用するのも1つの方法です。

不動産鑑定と不動産査定のメリット・デメリットを比較し、自分に合った方法を選びましょう。

方法 メリット デメリット
不動産鑑定
  • 土地の適正な価値が分かる
  • 公的な証明となる
  • 有料(20~30万円から)
  • 鑑定評価書の発行までに約3週間かかる
不動産査定
  • 無料
  • 査定結果が約1週間で分かる(簡易査定の場合)
  • 公的な証明にならない
  • 不動産仲介会社により査定額に差が出やすい

鑑定を依頼する際は複数の不動産鑑定士に見積もりを依頼し、鑑定にかかる料金や鑑定方法、サポートの有無などを比較しましょう。

査定も同様に、複数の不動産仲介会社へ依頼することで各社の得意分野や自分との相性を比較できます。複数社の査定結果(査定額・価格の理由)を比較し、信頼できる不動産仲介会社を選ぶことが大切です。

まとめ

鑑定と査定では、調査を行う機関や調査内容、料金の有無が異なります。「土地を公平に分割したい」「トラブルなく相続したい」といった場合は、公的な価値を知ることのできる鑑定をおすすめします。鑑定には料金がかかるため、事前に無料の見積もりを取り、鑑定の料金や内容を把握しておくことが大切です。

一般的な土地の売却で「土地がいくらで売れそうか」を知りたい場合は、不動産仲介会社へ査定を依頼しましょう。依頼する査定方法にもよりますが1週間程度で相場を知ることが可能です。

土地の売却を検討している方は、業界大手6社へ査定依頼ができる「すまいValue」へ、ご相談ください。
土地価格の相場の調べ方や土地を売る時のポイントについて解説

<監修者>

宮本弘幸

宅地建物取引士

1960年石川県加賀市生まれ。大学卒業後、大手ハウスメーカーの営業として20年勤務した後、地元、金沢小松、加賀で不動産・住宅の営業に携わる。2016年より、石川県小松市にて、株式会社みやもと不動産を開業。お客さまのニーズをよく共有し、最適な提案を行う営業スタイルで、お客さまに愛される不動産業を心がけている。宅地建物取引士のほか、ファイナンシャルプランナー(AFP)、相続診断士などの資格を保有。

  • ※本コンテンツは公開日時点での法制度に基づいて作成しています。
  • ※実際の取引での法制度の適用可否については、税理士・税務署等にご確認のうえ判断してください。

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