不動産競売とは? メリットとリスクを分かりやすく解説

基礎知識
不動産競売とは? メリットとリスクを分かりやすく解説 不動産競売とは? メリットとリスクを分かりやすく解説

「不動産競売という言葉を聞くけど、どんなものなのだろう?」
「不動産競売は危険ではないのか?」
「なぜ安く購入できるのか?」
こんな風に思っている方もいるのではないでしょうか。不動産売買について調べていくと、競売という言葉に出会います。関心はあるが、近づく勇気はないという方も多いでしょう。
ここでは不動産競売について、公売、任意売却との違いや、競売物件情報の調べ方、競売物件のメリット、デメリットについて解説します。

競売とは

競売とは

競売とは、地方裁判所が行う不動産競売を指します。価格を確定せずに物件を売り出し、これに対して購入したい方がそれぞれに希望価格を申し出る販売方法です。競売は一般的に「きょうばい」と読みますが、法律用語では「けいばい」と読みます。

家を購入するときに多くの場合、銀行などの金融機関で住宅ローンを組みますが、その際に、金融機関ではこの家や土地などの不動産に抵当権を設定します。不動産の購入者(債務者)が住宅ローンの返済ができなくなると、金融機関(債権者)は住宅ローンを回収するために、抵当権をもとに地方裁判所にこの不動産の競売を申し立てます。

競売は、不動産の売却までのすべての手続きを裁判所が行うので、債権者にとっては資金を回収できるメリットがあります。一方で、債務者にとっては市場の相場よりも2~3割、場合によっては5割も安く売却される可能性があります。

バブル崩壊後に不動産の差し押さえ件数が急増しました。民事執行法の改正もあって、競売物件が市場価格よりも安価に入手できることから、不動産会社だけでなく一般の方による入札も増えています。

公売・任意売却との違い

公売・任意売却との違い

競売とよく似たものに公売、任意売却があります。それぞれの概要と競売との違いについて、以下説明します。

公売との違い

不動産の差し押さえ、という点で競売と似ているのが「公売(こうばい)」です。競売の債権者は主に金融機関なのに対して、公売は国税局や地方自治体が債権者になります。

公売は、所得税や相続税、贈与税などを滞納した方に対して、国税局や税務署が国税徴収法に基づいて不動産、車、絵画などを差し押さえて、入札方式や競り売り方式によって売却して滞納税にあてるものです。近年は、インターネット公売も増えています。

公売では、買受後の返品は認められないうえ、品質や機能についての保証がないので、一般的には市場価格よりも低い価格(売却価格の最低価格)が設定されます。

また、公売ではまれに旧所有者や占有者が居座っていて、明渡しをしない場合があります。このような場合、競売は引渡し命令の申し立てにより強制執行できるのに対して、公売は明渡し請求訴訟を起こして勝訴しないと強制執行ができないので、競売よりも時間と費用がかかります。

公売の入札に当たっては、公売保証金は売却区分ごとの見積価額の100分の10以上の額となるのに対して、競売の保証金の納付は売却基準価額の2割以上が必要となります。

任意売却との違い

任意売却とは、住宅の購入者(債務者)が住宅ローンを支払えなくなった場合に、金融機関(債権者)の同意を得て、不動産会社に依頼をして一般市場での不動産の売却を進めるものです。不動産を競売よりも高額に売却することができます。ただし、住宅ローンを組んで1~2年と日が浅い場合や、住宅ローンを返済できる能力があると判断されると、債権者の同意が得られない可能性があります。

このような物件は任売物件と呼ばれますが、競売物件が市場価格より2~3割安い価格で売却されるのに対して、任売物件は通常の仲介と比べると、売主様だけでは決められないという制限があるものの、販売価格は市場価格とそれほど変わらない価格で販売できる可能性があります。

任意売却のメリットは、競売が強制的に進められるのに対して、不動産所有者の希望に沿った形で進められることです。残債も競売よりも少なくなる可能性があるうえ、無理のない範囲で分割返済もできます。引越し費用も債権者との協議によっては、30万円程度まで受領できます。

任売物件を購入するメリットは、市場価格よりは割安で不動産を購入でき、競売物件に比べ不動産の所有者が売却に協力的なことです。競売物件で起きがちな占有者によるトラブルも少ないので、売買がスムーズなことが多いです。

競売物件の情報を調べる方法

競売物件の情報を調べる方法

競売物件の情報を調べる方法は、インターネットで公開されているので、全国の競売物件の情報を簡単に知ることができます。競売物件、公売物件の情報をインターネットで調べる方法を以下に説明します。

競売物件

競売物件は、競売物件専用サイトで検索できます。これには、最高裁判所が運営する「BIT(不動産競売物件情報サイト)」と、不動産競売流通を業務の中心とする不動産会社を会員とした一般社団法人不動産競売流通協会が運営する「981.jp」があります。

BITは全国の競売物件を、北海道や東北、関東などのブロック別に、土地、戸建て、マンションなどの種別ごとや売却基準価額の範囲を指定して検索できます。また、都道府県や市区郡ごとの地域や、JRや私鉄の沿線、裁判所、事件番号からそれぞれ検索できます。2021年10月21日11時現在、閲覧可能件数は1,335件となっています。

一方、981.jp は、最高裁判所管轄のBITシステムと連動していて、最高裁判所が公開している競売物件情報を分かりやすいデータとともに公開されており、加盟不動産会社との連携で安全で明瞭な競売取引をサポートしています。

981.jp の特徴は、各物件をランク付けしていることです。このランクは、売却基準価格を基準とした「単純利回り」、地域、交通の利便性を基準とした「賃貸需要」、建物の構造、用途、築年数を基準とした「耐用年数消化率」から査定されていて、物件を選ぶ際の参考値として位置づけされています。

公売物件

国税庁が運営するサイト「公売情報」は、国税庁と税務署が滞納処分で差し押さえた土地、建物、農地などの不動産や、車、絵画などの動産などの財産についての情報を掲載していて、検索、閲覧だけでなく、競り売りの方法で売却する官公庁オークションサイト、すなわちインターネット公売にも参加可能です。

通常の公売と違うのは、公売保証金の提供手続、公売参加申し込み手続、買受申し込み手続をインターネットで行うことです。公売物件は、公売財産を現況有姿のまま売却され、その種類や品質の不適合についての責任を国や財産の所有者に問うことはできないので、あらかじめ個々の公売財産の詳細画面に掲載の写真などで確認することが必要です。

競売物件のメリット

競売物件のメリット

では、競売物件を購入するメリットは何でしょうか。メリットとしては、市場価格より安く購入できること、物件の種類が豊富なこと、登記手続きの負担が少ないなどがあります。

市場価格より安く購入できる

競売物件を購入するメリットは、価格が安いことです。これが最大の特徴であり、魅力です。場合によっては、市場の相場よりも2~5割引で購入できます。競売物件は裁判所から依頼された不動産鑑定士が評価する際に減価され、廉価な売却基準額が設定され、最低入札価格は市場の相場より2~5割程度安くなります。

物件の種類が豊富

物件の種類が、戸建て住宅、マンション、店舗、商業ビル、更地など豊富なことがメリットです。このほかにも、農地や山地、特殊な形状をした土地など、一般の不動産ポータルサイトでは見かけないような特殊な物件もあります。

登記手続きの負担が少ない

競売物件を購入するメリットとして、登記手続きがシンプルであることが挙げられます。競売は、一般的な取引よりも手続きが煩雑で面倒くさいと思われがちですが、実際は裁判所から購入することになるため、所有権移転登記や抵当権抹消登記など、物件の権利関係の手続きを裁判所と進めることができます。結果として、一般の取引よりも手続きの負担が小さくなります。

競売物件のデメリット

競売物件のデメリット

一方、競売物件にはいくつかのデメリットやリスクがあります。実際、どのようなリスクがあるか見ていきましょう。

建物の内見ができない

競売物件の場合、明渡しまで建物の内見ができないため、建物に雨漏りやシロアリの被害、腐食などの欠陥があるかもしれないというリスクがあります。物件の状況を判断するには、裁判所が作成する「物件明細書」「現況調査報告書」「評価書」の3つの資料を読み込むしかありません。

物件明細書には、競売後引き継ぐべき賃借権の有無などが記載されていて、賃借権がある場合は、賃借人がいることを意味します。

現況調査報告書は物件の使用状況をまとめたもので、建物の内部の写真も添付されているので、確認が必要です。不動産の占有者についても記載されています。

評価書は、不動産鑑定士が作成していて、図面などが添付されていて、建物の内部を知る貴重な資料になります。

欠陥があっても責任追及ができない

競売物件では、明渡し後に欠陥が分かるので責任追及ができません。不動産売買では売主様が買主様に対して、不備や不良などがあった場合に負う「契約不適合責任」がありますが、競売では売主様が存在しないので、責任を負う方がおらず、契約の取り消しや損害賠償を請求できません。このため、購入後に修繕費などの追加出費が発生するリスクがあります。

占有者の立ち退き交渉も自前で行う

競売物件では所有権移転登記の手続きは行われますが、占有者や旧所有者が居座った場合、落札者が立ち退き交渉をする必要があります。不法占拠が続けば、裁判所に不動産明渡しの申し立てに関する手続きを行います。その場合、最短でも明渡しまで1ヶ月半程度かかります。

このように、建物明渡しの強制執行に要する金銭的、時間的コストを支払うケースがあります。これらの費用は原則的には占有者の負担になりますが、経済的な状況などから、購入者が負担するケースも多いようです。

銀行融資には条件がある

競売物件の購入のために金融機関から融資を受けることは可能です。ただし、金融機関もリスク評価をするので、事前の入念な打ち合わせが必要になります。通常の住宅ローンよりは審査が厳しくなる可能性があり、もし融資審査に通らない場合でも、売買代金を払う必要があります。通常の売買ではローン特約により審査が通らない場合には売買契約を解除できますが、競売物件は契約を解除できません。

また、競売物件は入札時に、売却基準価額の2割以上を保証金として裁判所に納付しなければなりません。その分はあらかじめ現金で用意する必要があります。残りの代金を納付すると所有権移転登記ができ、金融機関が担保設定できます。もし、残金が期日までに支払われなければ、保証金は没収されてしまいます。

まとめ 競売物件の購入は不動産会社とタッグを組もう

競売物件は市場価格よりも2~3割、場合によっては5割程度も不動産を安く購入できるのが特徴です。この安さが魅力となって、近年、不動産会社以外の一般の方による購入が増えています。

一方、競売物件には、前章で見てきたようなデメリットやリスクもあります。このため、競売物件の購入は、知識や経験のない方にとっては、物件選びから入札価格の目安、ローンの組み方に至るまで、簡単なものではありません。もし競売を通した不動産の購入にチャレンジするなら、競売物件を扱う信頼できる不動産会社に事前に相談し、パートナーとしてタッグを組むことをおすすめします。

さらに競売以外において、売却や住み替えを検討しているならば、マンション、戸建て、土地の適正価格を一括査定する不動産売却ポータルサイト「すまいValue」を利用してみてはいかがでしょうか。一度の査定申し込みで最大6社から査定結果を受け取れて、比較できるので安心です。

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<監修者>

髙野 友樹

公認 不動産コンサルティングマスター・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

株式会社 髙野不動産コンサルティング 代表取締役、株式会社 アーキバンク 取締役。不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、不動産ファンドのAM事業部マネージャーとして従事。現在は不動産コンサルティング会社を立ち上げ、投資家や事業法人に対して不動産コンサルティングを行いながら、建築・不動産の専門家で形成される株式会社アーキバンクの取締役として、業界において革新的なサービスを開発・提供している。

  • ※本コンテンツは公開日時点での法制度に基づいて作成しています。
  • ※実際の取引での法制度の適用可否については、税理士・税務署等にご確認のうえ判断してください。

最後までお読みいただき、
ありがとうございます。

ご回答ありがとうございました。

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