一度に17種類すべての書類を集めようとすると混乱のもととなるので注意しましょう。
まずは、査定で必要となる次の5種類の書類を集めましょう。タイミングとしては、査定依頼までに揃えておくことがベストです。
取得場所:法務局
取得方法:窓口請求、郵送請求、オンライン請求
取得にかかる期間:窓口請求なら即日、郵送・オンライン請求なら4~7日
登記簿謄本は土地と建物で異なるため、最低でも各1部ずつ取得する必要があります。登記事項証明書や土地建物全部事項証明書と呼ばれるケースもありますが、いずれも登記簿謄本を指します。必要に応じて不動産仲介会社に代理で取得してもらうこともできるため、法務局へ行く時間がない場合は担当者に相談してみましょう。
取得場所:住宅を購入した不動産業者やハウスメーカー
取得方法:問い合わせて再発行を依頼
取得にかかる期間:業者により異なる(繁忙期はとくに注意)
売買契約書は住宅購入時に受け取っているため、本来であれば自宅保管されています。紛失してしまった場合は住宅を購入した業者へ相談し、再発行を依頼しましょう。査定時に必須の書類ではありませんが、所持しているとスムーズな査定を期待できます。また、確定申告の際にも使用するため用意しておくことが望ましいです。
取得場所:住宅を購入した不動産仲介会社
取得方法:問い合わせて再発行を依頼
取得にかかる期間:業者により異なる(繁忙期はとくに注意)
重要事項説明書は不動産仲介会社が保管する義務がないため、再発行が難しい場合もあります。査定時に必須ではないため、用意できない場合は査定を依頼する不動産仲介会社へ相談してみましょう。
取得場所:法務局
取得方法:窓口請求、オンライン請求
取得にかかる期間:窓口請求なら即日、オンライン請求なら4~7日
土地の面積や隣家との境界線など、測量にもとづく情報が記載された書類です。測量が行われていない土地の場合は書類の発行ができず、家の売却時に測量が必要となるケースもあります。
取得場所:住宅を購入した不動産業者やハウスメーカー
取得方法:問い合わせて再発行を依頼
取得にかかる期間:業者により異なる(繁忙期はとくに注意)
住宅購入時に受け取っている書類の一部です。市町村管轄の家屋調査でも使用する書類のため、自宅保管していないか確認しましょう。見当たらない場合は住宅を購入した不動産仲介会社やハウスメーカーに問い合わせる必要があります。
不動産仲介会社に売却を依頼する前に、上記の5種類にくわえて次の6種類の書類が必要です。タイミングとしては、不動産会社と結ぶ媒介契約までに揃えておきましょう。
取得場所:法務局
取得方法:原則、再発行不可
取得にかかる期間:-
記済権利書または登記識別情報は、住宅購入時の発行以外に再発行することができません。万が一紛失してしまった場合は「事前通知制度」もしくは「本人確認情報の提供」のいずれかの手段で家の所有者であることを証明する必要があります。
取得場所:市区町村役場
取得方法:原則、再発行不可
取得にかかる期間:-
固定資産税の納税額が記載された書類で、毎年所定の時期に郵送されてきます。紛失してしまった場合は再発行ができないため、代わりとなる書類(家の所有者や固定資産税の納税額が記載されたもの)を発行してもらう必要があります。
取得場所:市区町村役場
取得方法:原則、再発行不可
取得にかかる期間:-
違法建築物でないことを証明するための書類で、再発行は原則できません。ただし、代わりとなる書類として「建築物台帳等記載事項証明書」を発行できます。
取得場所:住宅を購入した不動産業者やハウスメーカー
取得方法:問い合わせて再発行を依頼
取得にかかる期間:業者により異なる(繁忙期はとくに注意)
設計や工事を記録している書類で、主に売りたい家の修繕やリフォームをおこなう際に活用します。自宅保管している書類の一部ですが、紛失してしまった場合は不動産業者およびハウスメーカーへ問い合わせてみましょう。また、すでに修繕・リフォーム歴がある場合はマンション・戸建てともに修繕履歴・リフォーム履歴のわかる書類を準備しておきましょう。
取得場所:住宅を購入した不動産業者
取得方法:問い合わせて再発行を依頼
取得にかかる期間:業者により異なる(繁忙期はとくに注意)
売りたい家がマンションの場合に必要です。ペット飼育や各種設備の使用制限、管理費、修繕積立金など、居住するうえでオーナーが知っておくべき条項が記載されています。販売活動や内見に必要となりますが、個人で調達が難しい場合は媒介契約を結ぶ不動産仲介会社で取得してもらえる場合もあります。
取得場所:住宅を購入した不動産仲介会社やハウスメーカー
取得方法:問い合わせて再発行を依頼
取得にかかる期間:業者により異なる(繁忙期はとくに注意)
1981年以前に建築された中古物件は現在の新耐震基準に則った建築ではないため、築40年近い中古物件を売る場合に必要です。紛失している場合は不動産会社に相談しましょう。
このほか、後述の「ローン残高証明書」が必要となる場合もあります。これは媒介時に立てる資金計画にローン返済計画が盛り込まれるためです。担当者から提出を求められた際は速やかに用意しましょう(ローン残高が確認できる他の書類でも可)。
買主様に家を引き渡すときに必要な書類は6種類です。スムーズに決済を完了させるためにも、決済日までに余裕をもって準備し、確認漏れがないよう注意しましょう。
取得場所:自宅、コンビニ、その他
取得方法:コピー
取得にかかる期間:-
運転免許証やパスポートのコピーを用意します。共有名義の物件を売る場合は共有者全員の本人確認書類を準備しましょう。
取得場所:市区町村役場
取得方法:窓口請求、郵送請求※
取得にかかる期間:窓口請求なら即日、郵送請求なら4~7日
3ヶ月以内に発行した印鑑証明書が必要です。共有名義の物件を売る場合は共有者全員の印鑑証明書を取得しておきましょう。
※自治体によっては郵送請求が認められていない場合があります。
取得場所:市区町村役場
取得方法:窓口請求、郵送請求
取得にかかる期間:窓口請求なら即日、郵送請求なら4~7日
3ヶ月以内に発行した住民票が必要です。共有名義の物件を売る場合は共有者全員の住民票を取得しましょう。また、住民票の省略事項(本籍やマイナンバー)については、媒介契約をおこなう不動産業者へ事前に確認しておきましょう。
取得場所:自宅、コンビニ、その他
取得方法:コピー
取得にかかる期間:-
銀行コード、支店番号、支店名、口座名義、口座番号などが分かるよう振込みを希望する銀行口座の通帳をコピーします。
取得場所:住宅ローンを契約した金融機関
取得方法:問い合わせて発行依頼
取得にかかる期間:4~7日
残債のある家を売る場合に必要です。ローン残高証明書の発行には本人確認書類の提出が求められますが、簡易的な書類での確認がOKの場合はローン返済予定表でも代用可能です。
取得場所:住宅を購入した不動産仲介会社やハウスメーカー
取得方法:問い合わせて発行依頼、Webからダウンロード
取得にかかる期間:業者により異なる(繁忙期はとくに注意)
マンションなどで過去にパンフレットが発行されていた物件なら、不動産仲介会社やWebから取得し、物件情報の一部として買主様に渡しましょう。このほか、給湯システムやバスルームなどの住宅設備の説明書は、室内に残置する場合もあります。
最後に、同一の場所で取得できる書類をまとめました。必ず用意するべき書類はできるだけまとめて取得し、書類準備にかかる時間や手間を省略しましょう。
取得場所 | 取得できる書類 |
---|---|
法務局 |
登記簿謄本(土地と建物) 土地の測量図または境界確認書 登記済み権利書または登記識別情報 |
市区町村役場 |
固定資産税通知書または固定資産税評価証明書 建築確認済証または検査済み証 印鑑証明書 住民票 |
住宅を購入した不動産業者やハウスメーカー |
購入時の売買契約書 重要事項説明書 家の図面または設備仕様書 建築設計図書または工事記録書 マンション管理規約、使用細則、維持費関連書類 耐震診断報告書またはアスベスト使用調査報告書 物件のパンフレット |
自宅、コンビニ、その他 |
売主様の本人確認書類 銀行口座の通帳のコピー |
住宅ローンを契約した金融機関 | ローン残高証明書 |
家を売るときに必要な17種類の書類について解説してまいりました。慣れない書類の準備にとまどうオーナーも多いですが、不動産仲介会社に依頼すれば、適切なタイミングで書類のアドバイスを受けることができます。必要に応じて代理取得してもらえる場合もあるため、これから家を売ろうと考えている方は、信頼できる不動産仲介会社・担当者と二人三脚で売却計画を進めていきましょう。
土地を売る時のポイントについて詳しく知りたい方は、こちらもお読みください
小林弘司
不動産コンサルタント/不動産投資アドバイザー
東京生まれ、東京育ち。海外取引メインの商社マン、外資系マーケティング、ライセンス会社などを経て、現在は東京都内にビル、マンション、アパート、コインパーキングなど複数保有する不動産ビジネスのオーナー経営者(創業者)です。ネイティヴによる英語スクールの共同経営者、地元の区の「ビジネス相談員」、企業顧問なども行っています。
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ご回答ありがとうございました。