マンションの築年数と売却の関係について

基礎知識
マンションの築年数と売却の関係について マンションの築年数と売却の関係について

もし自分のマンションを今売ったらいくらくらいになるのか、マンションオーナーなら少なからず気になるのではないでしょうか。
しかし気にはなっていても売却を決意するまでにはいたらず、不動産仲介会社へ査定を依頼することをためらってしまう方も少なくありません。
そのようなとき、「マンションの築年数と中古価格の相関関係」についての知識が役に立ちます。今回は、マンションの築年数と成約価格の関係について解説します。

マンションの築年数と中古価格の関係とは?

マンションの築年数と中古価格の関係とは?

バブル経済のころは、マンションを購入しても不動産物件の値上がりが大きく、売却益が出るといった状況もありました。しかし、公益財団法人 東日本不動産流通機構が運営しているREINSの「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2017年)」によるとマンションの築年数が経過するに従い、物件価格も値下がりするという傾向がはっきり出ています。

公益財団法人東日本不動産流通機構が2018年に「中古マンションの築年帯別平均価格」を算出しました。この資料では築年数ごとに中古マンションの平均価格を算出し、それを平均面積で割って1平方メートル当たりの単価を出しています。その結果がまとめられたグラフを見てみると、単価は築年数の経過とともに値下がりし、「マンションの築年数と中古価格」には相関関係が見えます。

「図表6-1 中古マンションの築年帯別平均価格」を見てみると、とくに築年数の浅い築0~5年の値下がりが大きく、その後も築年数20年までは値下がり幅は大きい傾向です。大まかな目安の数値ですが、築20年に達すると4割近く安くなります。

その後、築21年以上になると値下がりが鈍化し築31年以上になると、逆に価格が少し上昇します。この値動きについて、もう少し詳しく掘り下げて見ていきましょう。

「築31年~」の単価が高くなった理由として考えられること

2017年度の中古マンション新規登録状況によると、「築21~25年」の単価が41.62万円/平方メートル、「築26~30年」の単価が36.39万円/平方メートルです。一方、「築31年~」は42.57万円/平方メートルでした。築31年以上の単価が高くなるという逆転現象はなぜ起きたのでしょうか。

その要因の一つとして、土地価格が影響しています。築31年以上経過しても中古マンション市場に出てくるということは、「よほど立地がよいのではないか」と推測できます。一方、建物の価値はほとんどなくなるので「土地価格の比較」となり、築31年以上の中古マンションの方が高くなるという逆転現象が起きているのではないでしょうか。

マンションの売却タイミングを考える際、まだ築20年も経過していない状態で売却について迷っている状態なら、早めに売却してしまうのも一つの方法です。逆に、現在築20年以上経過しているのであれば、値下がり幅はあまり大きくないため、焦らずじっくりと売却タイミングを見計らってもいいでしょう。

築30年に近くても、都心だったり交通アクセスなどが便利だったりと立地条件に魅力があれば、地価の変動を見ながら土地の値上がりを待って売却に踏み切るという考え方もあります。築年数と中古価格の相関関係を大まかに知ったうえで、あとは時勢を見ながら売却タイミングを検討しましょう。

新築マンションを売却した場合の成約価格

新築マンションを売却した場合の成約価格

新築で買ったマンションでも、売却すると成約価格が購入額よりも大きく下がることも少なくありません。価格が下がる理由は、新築物件には新築プレミアムがついているためです。

新築プレミアムとは、買った不動産が購入した直後に価値が下がることから「一度も買われていないことに価値がある」ことを指す言葉です。

新築のプレミアム価格は、新築マンションの購入者が負担します。新築マンションを購入し、入居した時点で新築プレミアムはなくなり、15~30%ほど下落することもあります。

また、新築マンションでも4,000万円の新築マンションが1室だけ売れ残り、販売会社が3,200万円(2割引)で売れば、それがそのマンションの「築後未入居物件価格、または新古価格の最高値」になってしまい、中古価格に影響が出る可能性もあります。

タイミングや状況により、いきなり2割引とする可能性は少なくても、「売れ行きが思ったようにいかない」「決算の時期になって早く完売に持っていきたい」といった場合は、大きな値引きもあり得ます。

売出価格を決める際、値引き価格で売られた物件がないかどうかを確認して、自分のマンションを売却する価格を決めてください。

まとめ

マンションの築年数と成約価格の間には、基本的に正の相関関係があります。値動きを大まかにまとめると以下のとおりです。

・新築マンションに入居した時点で新築プレミアム価格分の15~30%下落

・新築から入居していなくても他の部屋が売却された場合はその成約価格が相場になる

・築5年までで急激に中古価格は落ち、築20年まで中古価格は大きく下がり続ける

・築20年を経過すると中古価格の値下がり率は穏やかになる

・築31年超の場合は土地の立地条件などによって値上がりする場合もある

築年数と成約価格の大まかな動きを知っていれば、マンションの売却を検討する際、不動産仲介会社に相談する際も役に立ちます。所有しているマンションが現在どのような価値かを確認して、自分が納得のいく価格で売却できるように行動しましょう。

土地を売る時のポイントについて詳しく知りたい方は、こちらもお読みください

<監修者>

田井 能久

不動産コンサルタント

不動産鑑定士として25年のキャリアを持つ。訴訟や調停、並びに相続等の税務申告のための鑑定評価書の作成が得意。 最近はマレーシアを中心としたビザの取得と海外移住のサポートを通して、トータルな資産コンサルティングも展開している。

  • ※本コンテンツは公開日時点での法制度に基づいて作成しています。
  • ※実際の取引での法制度の適用可否については、税理士・税務署等にご確認のうえ判断してください。

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