不動産を売却すると同時に別の不動産を購入するときの注意点

基礎知識
不動産を売却すると同時に別の不動産を購入するときの注意点 不動産を売却すると同時に別の不動産を購入するときの注意点

「不動産の売却と新しい不動産の購入を同時に進めたい」「もしどちらかしか契約できなかったらどうしよう」とお考えではないでしょうか。いま住んでいるマンションを売却すると同時に新しい不動産を購入する場合、資金繰りをしっかり検討しなければなりません。保有不動産の売却と新しい不動産の購入を同時に進めるときの注意点を解説します。

資金に余裕がない人は「二重ローン」に注意しよう

現在の住宅ローンの支払いが終わっていないのに、住み替え用の住宅ローンを組むことを二重ローン(またはダブルローン)といいます。とてもリスクが高い状況になるので、できれば避けたいものです。

先に手持ちのマンションを売却した後に新しく住み替える不動産を購入できれば理想ですが、売却する前に理想の物件に巡り合ってしまう可能性はあります。この場合、どうしても手持ちのマンションの売却よりも先に新しい不動産を買いたいと思ってしまうのも無理はありません。

また、先に不動産を売却できたとしてもリスクはあります。マンションを売却した後にすぐ購入したい物件が見つからない場合、仮住まいをする必要があり、余計な出費が避けられません。

家族での引越しや新しい賃貸物件を借りるとしても、100万円単位で費用がかかります。実家など緊急で仮住まいできる家屋のあてがあればいいのですが、そううまくいくとは限りません。

上記から、やはり新しい住居の購入を前提として手持ちのマンションを売りに出すのが一般的でしょう。しかし、前の住宅ローンが残った状態で新しい住居を購入するために別の住宅ローンを組む場合、二重ローンとなります。二重ローンを組む場合、その返済額は年収の30~35%といわれていますが、金融機関はこうした比率を重視しているため、合わせた返済額がこの比率を超えるようであれば借り入れは難しいでしょう。

年収と比較して返済金額や管理費など月々の支払いはどれくらいの割合になるかを計算してみてください。年収が低い場合ほど、月々の支払いが占める割合を少なめにして考える必要があります。

買い替えローンもリスクは残りますが、二重ローンよりは低リスクなのでおすすめできます。買い替えローンとは、現在のマンションを売却して住宅ローンの残債に充て、返済しきれなかった場合に新しい物件の住宅ローンに上乗せする住宅ローンの一種です。

二重ローンの場合は、文字通りダブルで払い続ける期間が発生します。買い替えローンの場合は新しい住宅のための住宅ローンに残債がまとめられるため支払いが二重になることはありません。月々の返済額も選択が可能です。

そもそも住宅ローンは一世帯につき一軒が基本ですし、中古の買い替えであれば新築以上に条件も厳しくなる可能性もあります。そのため、金融機関によっては、金利の安い住宅ローンにおけるダブルローンが組めない場合もあるでしょう。

やはり売却してから購入するほうが理想

やはり売却してから購入するほうが理想

不動産の売却と購入を同時に進めたいと考えても、売却と購入にはどうしてもタイムラグが生じます。やはり、理想の流れは手持ちのマンションを売ってから欲しい物件を買うことです。

先に手持ちの不動産を売却すれば、手元に残るお金が明確になります。これにより、「そのうちどれだけの金額を新しい不動産購入の頭金や諸費用として使えるか」「新たな住宅ローンをいくらぐらいで組まないといけないか」なども見えてくるため、現実的な価格で新しい不動産を探せるでしょう。

現実的な価格の不動産を購入することができれば、無理な住宅ローンを組むこともなく、支払いに苦しむこともありません。具体的にどうしても購入したい物件が見つかっていない状態なら、先に手持ちのマンションをできる限り適正価格で売却することを検討しましょう。

どうしても欲しい不動産を手に入れるには「買い先行」になってしまうが…

どうしても欲しい不動産を手に入れるには「買い先行」になってしまうが……

先に手持ちのマンションを売却できたほうが理想ではありますが、どうしても欲しい不動産が先に見つかったら、売却が済む前に新しい土地を買うという状況になることもあります。そうした際に考えたいのがつなぎ融資です。例えば、住宅ローンは新しい家を手に入れてから融資が降りるというケースが一般的ですが、買い替えを考えてから実際に新しい家を手に入れるまでさまざまな費用がかかります。つなぎ融資はこうした際の借り入れに有効です。

つなぎ融資は注文住宅を建てる際に利用されることが多いのですが、不動産仲介会社の中には、買い替えのためにつなぎ融資制度を提供している会社もあります。マンションの買い替えなどの場合、売却したい物件がまだ売れていない状況で新しいマンションを先に購入するということもあるでしょう。こうした場合に住宅ローンの借り入れを行う前のつなぎの期間に利用が可能となります。そのため、売却活動期間を十分に設けることが可能になります。

このようなサービスを利用することにより、買いたたきを気にしないで余裕をもった売却活動が可能です。つなぎ融資分の費用はかかりますが、どうしても売却よりも先に新しいマンションを買う状況になる場合は、不動産仲介会社が提供しているこのようなサービスもまた一考の余地があります。

まとめ

不動産の売却と同時に別の不動産を購入することは、うまくいけばお金や時間のかからない方法ですが、そうそう売却と購入のタイミングが合うことはありません。

このような場合は、売却の方を優先するのが手堅く安心な進め方です。高値で自宅を売却することに集中できますので、より希望に近い価格で売却できます。また、売却代金をもとに次に購入する住宅の価格を考えられるので無理のない資金シミュレーションが可能になり、堅実に住宅ローンを組めるでしょう。

どうしても購入の方が先になる場合でも、二重ローンは極力避け、買い替えローンや不動産仲介会社が提供している買い替え支援のつなぎ融資サービスなどの利用を検討してみてください。

買い替えたい不動産の価格帯を見定めるにも、まずは手持ちのマンションの価値が現在どのぐらいなのかを確認しなければなりません。マイホームの住み替えを検討しているなら、まずはマンションの一括査定をして、いくらぐらいで売れるのかを確認しましょう。

土地を売る時のポイントについて詳しく知りたい方は、こちらもお読みください

<監修者>

小林弘司

不動産コンサルタント/不動産投資アドバイザー

東京生まれ、東京育ち。海外取引メインの商社マン、外資系マーケティング、ライセンス会社などを経て、現在は東京都内にビル、マンション、アパート、コインパーキングなど複数保有する不動産ビジネスのオーナー経営者(創業者)です。ネイティヴによる英語スクールの共同経営者、地元の区の「ビジネス相談員」、企業顧問なども行っています。

  • ※本コンテンツは公開日時点での法制度に基づいて作成しています。
  • ※実際の取引での法制度の適用可否については、税理士・税務署等にご確認のうえ判断してください。

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