【不動産売却】ローンを完済したら抵当権の抹消登記を!

基礎知識
【不動産売却】ローンを完済したら抵当権の抹消登記を! 【不動産売却】ローンを完済したら抵当権の抹消登記を!

住宅ローンを完済したら、ご自身で抵当権の抹消登記をおこないましょう。不動産を売却する際は、抵当権の抹消手続きをおこなう必要があります。抵当権の抹消は金融機関へ依頼することができないため、必要なシーンに応じてご自身で最適な方法を選びましょう。
今回は、不動産を売りたいと考えている方に向け、住宅ローンを完済した際におこなう抵当権の抹消登記について詳しく解説します。

抵当権の抹消登記はなぜ必要なのか?

抵当権の抹消登記はなぜ必要なのか?

抵当権が設定されている不動産を売却したり、新しく住宅ローンを組んだりする際は不動産に設定された抵当権の抹消登記が必要です。まずは、登記や抵当権、抹消登記の基礎知識を押さえていきましょう。

登記とは?

登記とは、正式名称を「不動産登記」といい、土地・建物・所有者などの情報を法務局で管理されている帳簿(登記簿)に記録・記載することを指します。記載された登記情報は所定の申請をおこなうことで誰でも閲覧でき、以下のような事項を確認できます。

・表題部

土地または建物の概要(不動産番号、所在、構造、面積、登記の日付など)

・権利部(甲区)

所有権者の情報(住所、氏名、登記日など)

・権利部(乙区)

抵当権などの権利関係

抵当権とは?

抵当権とは金融機関等やその他債権保有者が不動産の債権を担保するための権利をいい、住宅ローン等の実行の際に所有する不動産に設定されます。

住宅ローンを貸し出す際に抵当権が設定される理由は、万が一住宅ローンの支払いが滞った場合でも金融機関が弁済を受けられるようにするためです。金融機関の判断により抵当権が実行されると、担保となっている不動産が差し押さえられ、売却されて債務が回収されることになります。

抵当権が設定された不動産は負債のリスクがあるため、一般的な取引において、抵当権を残したまま売買契約をおこなうことは困難です。不動産を売却する際は、必ず不動産に設定された抵当権の抹消登記をおこないましょう。

抹消登記とは?

不動産売却における抹消登記とは、所定の手続きを経て不動産に設定された抵当権を抹消することをいいます。抵当権の抹消登記をおこなう主なタイミングは、以下のとおりです。

・不動産を売却するとき

・住宅ローンを完済したとき

・新しく住宅ローンを組むとき

・不動産を相続するとき

抵当権は住宅ローンの担保として金融機関が所有する権利のため、登記申請により不動産の所有権を移動させたとしても自動的に抹消されることはありません。もし抵当権が設定されたままの不動産を買主様に引き渡してしまった場合、金融機関から債務不履行と判断され、買主様から売主様に対して損害賠償請求などがおこなわれるリスクがあります。

また、抵当権は一つの物件に対して二重に設定することができません。売主様の抵当権を抹消しておかないと、買主様は購入した不動産に抵当権を設定できず、新たな住宅ローンを組むことができなくなります。そのため、売主様は不動産の売却時には、必ず古い抵当権を抹消しておきましょう。

このように、不動産を売るときは売却前に抵当権の抹消登記をおこなうことが欠かせません。抵当権の抹消登記をおこなうには住宅ローンを完済する必要があります。そのため、残債が高額な場合、物件の売買代金を返済に充て、同時抹消をおこなうケースがほとんどです。

次は、抵当権の抹消登記の具体的な手順・方法について見ていきましょう。

抵当権の抹消登記の手順や依頼できる専門家は?

抵当権の抹消登記の手順や依頼できる専門家は?

抵当権の抹消登記は、以下の流れで登記申請をおこないます。

1.不動産を管轄する法務局を調べる

2.抹消登記申請書を作成する

3.抹消登記に必要な書類を準備する

4.1の法務局に抹消登記を申請する

5.抹消登記の完了書類を受け取る

不動産の抹消登記は、通常2週間ほどで手続きが完了します。申請は売主様ご自身でおこなうことも可能ですが、煩雑な手続きに不安があれば司法書士に依頼することも可能です。司法書士に手続きを依頼する場合は不動産仲介会社へ相談し、信頼のおける司法書士を紹介してもらいましょう。

抵当権の抹消登記を司法書士へ依頼するメリット・デメリットは以下のとおりです。

<抹消登記を司法書士へ依頼するメリット・デメリット>

メリット デメリット
不備なく抹消登記の申請ができる
抹消登記の申請にかかる時間や労力を削減できる
不動産売却をスムーズに進めやすい
抹消登記を依頼する費用(司法書士報酬)が発生する

詳しくはこちら
関連記事:「銀行の担保になっている不動産を売却する方法」

抵当権の抹消登記に必要となる費用

抵当権の抹消登記にかかる主な費用は、「登録免許税」と「司法書士報酬」の2つです。自分で登記申請をおこなう場合は司法書士報酬が発生しないため、費用は半分以下に抑えられるでしょう。以下では、申請方法別に費用相場と内訳を見ていきましょう。

抵当権の抹消登記を自分でおこなう場合の費用

抵当権の抹消登記を自分でおこなう際にかかる費用の一覧(例)です。

内訳 金額
抵当権抹消登記の登録免許税 2,000円
(1物件につき1,000円。土地・建物はそれぞれに登録免許税が必要)
事前物件確認のための不動産登記簿謄本(登記事項証明書)の取得費用 600円
登記完了後の内容確認のための不動産登記簿謄本(登記事項証明書)の取得費用 600円
郵送料(法務局への申請・返送) 1,020円
4,220円

※不動産登記簿謄本の取得にかかる費用や郵送料は、書類の申請方法や郵送方法により変動します。

司法書士に依頼する場合の相場

以下は抵当権の抹消登記を司法書士に依頼する場合の費用内訳の一例です。

内訳 金額
抵当権抹消登記の登録免許税 2,000円
(1物件につき1,000円。土地・建物はそれぞれに登録免許税が必要)
司法書士報酬 10,000円
事前物件確認のための不動産登記簿謄本(登記事項証明書)の取得費用 600円
登記完了後の内容確認のための不動産登記簿謄本(登記事項証明書)の取得費用 600円
郵送料(法務局への申請・返送) 1,020円
郵送料(登記完了書類の発送) 300円
14,520円

※司法書士報酬や不動産登記簿謄本の取得にかかる費用、郵送料は、依頼する司法書士や書類の申請方法、郵送方法により変動します。

まとめ

不動産を売却しても抵当権の表記は自動で消えないため、不動産を売却する際は事前に抵当権の抹消登記をおこないましょう。すでに住宅ローンを完済している場合や預貯金で残債を返済可能な場合は、所定の方法で抵当権の抹消登記が可能です。残債が高額で住宅ローン返済の目処が立たない場合、不動産の売却代金を返済に充てる同時抹消をおこないましょう。

抹消登記の申請は不動産仲介会社を経由して司法書士に依頼することも可能です。不動産仲介会社への相談を交えることで信頼のおける司法書士へ依頼でき、担当者との連携により不動産売却をスムーズに進められるでしょう。個人でおこなう抹消登記に不安があれば、まずは不動産仲介会社へ相談してみましょう。

土地を売る時のポイントについて詳しく知りたい方は、こちらもお読みください

<監修者>

小林弘司

不動産コンサルタント/不動産投資アドバイザー

東京生まれ、東京育ち。海外取引メインの商社マン、外資系マーケティング、ライセンス会社などを経て、現在は東京都内にビル、マンション、アパート、コインパーキングなど複数保有する不動産ビジネスのオーナー経営者(創業者)です。ネイティヴによる英語スクールの共同経営者、地元の区の「ビジネス相談員」、企業顧問なども行っています。

  • ※本コンテンツは公開日時点での法制度に基づいて作成しています。
  • ※実際の取引での法制度の適用可否については、税理士・税務署等にご確認のうえ判断してください。

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