マンション探しの条件に、「角部屋」を選択する方は多くいます。角部屋といえば隣室が片方しかなく、他の部屋に比べてあまり居住者を気にしなくて済むという点が大きなメリットです。さらにマンションの立地や方角によっては、角部屋には以下のような利点があります。
角部屋は部屋の2面が外部に面することになるため、他の部屋に比べて日当たりが良く、日照時間が長くなりやすいです。開口部(窓)の数や面積が大きいと室内は明るく開放的で、日中は温かい日が差し込みやすいでしょう。
1階の角部屋などは周囲の目線が気になり逆にデメリットと捉えられるケースもありますが、これはあくまで道路や通路、共用スペースに面している場合のみのデメリットです。フェンスや花壇による目隠しがあれば通行人の目線はあまり気にならず、日当たりの良さによるメリットのほうが勝るでしょう。
高層階の角部屋になると、眺望の良さのメリットがより引き立ちます。海や山などの自然が眺められたり、花火大会などのイベントを観覧できたりするエリアなら、眺望の良さが大きなアピールポイントになるでしょう。
角部屋は他の部屋に比べて窓が多くなりやすいため、室内の風通しが良くなります。室内の風通しは物件比較で重視されやすいポイントです。風の通り道を多く確保でき、湿気もこもりにくいという点を上手にアピールしましょう。
このほかにも物件選びでは「南向きのバルコニー(部屋)」が日当たりも良く人気です。南東に向いた角部屋なら午前中~昼過ぎにかけての日当たりが良く、南西に向いた角部屋なら午後~夕方までの日当たりが良くなるでしょう。
このようにマンション売却では、こうした部屋の特性の違いにより物件の価格が変わってくることを覚えておきましょう。
角部屋・中部屋以外にかかわらず人気が高いのが、マンションの高層階です。マンションは上の階であればあるほど日照を妨げる建物が減るため、必然的に日当たりや眺望が良くなります。近くに同じ高さの建物がなければ、周囲の視線も気にせずに済むでしょう。窓からの侵入やイタズラといった防犯面も心配せずに済むため、階数が高いほど物件の価値は高くなると言われています。
一方、低層階は眺望や日当たりにおけるメリットが軽減する代わりに、災害時の避難などがしやすくなるメリットがあります。お子様や高齢者がいるご家庭でも安心であるなど、低層階ならではのメリットもあるといえるでしょう。
内見時に立ち会って購入検討者に直接会えるのであれば、角部屋の良さをアピールするためにも、以下の方法を実演してみましょう。
異なる方角(可能なら東・西、南・北のように対になる方角)の窓を開けると室内の風通しが良くなります。角部屋はリビングの2面に窓が設けられているケースも多いため、換気扇を付けずに換気ができる点をアピールしやすいでしょう。高層階なら、窓を開けるのと同時に蚊などの虫が入ってきにくい点もアピールできます。
南向きの角部屋は1年をつうじて日照時間が長く、日当たりの良さをアピールできます。明るい・温かいなどメリットに加え、
といったように、購入希望者が興味を持ちそうなトークを交えることもおすすめです。
東向きの角部屋は日の出とともに朝日が差し込むため、1日のスタートを気持ち良く迎えられる点がアピールポイントとなります。内見では実際に朝日が差し込む窓を指し、「こちらの窓から朝日が差し込みます」というように、日の出や朝日のイメージを持ってもらうことが有効です。
角部屋は日当たりや風通しの良さなどから人気が高く、物件としても価値が高く評価されやすいです。また、高層階は低層階にない眺望や防犯面の良さがあります。低層階は災害時のメリットも加味できるため一概にどの階がよいとはいえませんが、大切なのは内見に訪れた購入希望者が「住みたい、買いたい」と思えるアピールをおこなうことです。
今回ご紹介した内容を参考に角部屋や高層階のアピールポイントを知り、内見時に「よりよい物件である」アピールをおこなえるよう心がけましょう。
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田井能久
不動産コンサルタント
不動産鑑定士として25年のキャリアを持つ。訴訟や調停、並びに相続等の税務申告のための鑑定評価書の作成が得意。 最近はマレーシアを中心としたビザの取得と海外移住のサポートを通して、トータルな資産コンサルティングも展開している。
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