「土地を売ろう」と思い立ってから引き渡しが完了するまでの手続きは、どのような流れで進んでいくのでしょうか?必要な書類と合わせて確認しておきましょう。
不動産仲介会社へ土地の査定を依頼します。一括査定サイトなどインターネット上から査定を申し込む場合は、簡単な不動産情報や連絡先などを入力すれば査定依頼は完了します。
ここでは書類提出が求められないケースがほとんどなので、登記簿謄本や図面などがなくても問題ありません。
ただし、「より詳しい情報をもとに査定を依頼したい」、「後から何か聞かれたときに答えられそうにない」という場合、土地の概要が記載されている測量図などの資料を用意しておくと安心です。
仲介を依頼する不動産仲介会社が決まったら、媒介契約を結びます。不動産仲介会社と結ぶ媒介契約には、特徴が異なる3つの契約形態があります。各契約の特徴を知っておきましょう。
特徴 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
---|---|---|---|
2社以上の不動産仲介会社と契約出来るか | ○ | × | × |
自分で見つけた買主様と直接取引出来るか | ○ | ○ | × |
不動産仲介会社から受ける活動報告の頻度 | 法令上の定めなし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
レインズ(※)への登録義務 | 法令上の定めなし | 媒介契約から7日以内 | 媒介契約から5日以内 |
契約期間 | 法令上の定めなし (行政指導では3ヶ月以内) |
3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 |
※レインズとは、Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の略称で、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営しているネットワークシステムをいいます。レインズには全国の不動産情報が登録され、レインズ会員である不動産仲介会社は自由に物件情報を閲覧出来ます。
契約形態によって出来ること・出来ないことは異なります。担当者のアドバイスをもとに、売主様のご希望に合った媒介契約を選びましょう。
媒介契約時に必要となる書類には、以下のようなものがあります。
・本人確認書類
・登記簿謄本(登記事項証明書)
・土地を購入した際の売買契約書
・地積測量図・筆界確認書
・固定資産税納税通知書及び固定資産評価証明書 など
担当者と相談のうえ、売出価格を決定します。売出価格が決まったら不動産仲介会社は物件情報を広告に掲載し、売却活動を開始します。
物件情報を閲覧した購入希望者から、見学の申し出があります。見学は不動産仲介会社が対応するため売主様の立会いは基本的にありません。
売主様・買主様の合意のもと、売買契約を結びます。契約時は売主様・買主様・不動産仲介会社の3者の立会いのもと、重要事項説明書の内容を確認しながら署名押印をおこないます。
契約当日に使用する重要事項説明書や売買契約書は不動産仲介会社で準備されますが、以下の書類は売主様で用意しておく必要があります。
・本人確認書類
・印鑑証明書
・実印
・住民票
・登記済権利証または登記識別情報
・固定資産税納付書
・地積測量図・筆界確認書
・建築確認通知書・工事記録書 など
売買契約時に取り決めた日程で、手付金を除く残代金の受領・引き渡しをおこない、土地売却は完了です。決済・引き渡し時は、以下の書類を準備しておきましょう。
・本人確認書類
・登記済権利書または登記識別情報
・実印
・鍵(土地に建物がある場合)
次に、土地売却でかかる費用について解説します。手続きごとにかかる費用の内訳を見ていきましょう。
インターネットから査定を申し込む場合、基本的に査定費用は発生しません。
媒介契約時は、必要書類の取得手数料がかかります。主な書類の取得手数料については、法務省HPまたは管轄の法務局HPをご確認ください。
土地の測量や戸建ての解体などをおこなう際にかかる費用は、売主様で用意します。一般的に、測量費用は35~45万円、解体費用は1坪あたり2.5~7万円ほどが目安です。
現地見学にかかわる費用は不動産仲介会社への仲介手数料に含まれているケースが一般的です。そのため、ここで売主様が負担するべき費用は原則ありません。
売買契約では、印紙代、必要書類の取得手数料、仲介手数料(一部)の費用がかかります。印紙代は土地の成約価格により異なりますが、2,000円~20,000円(土地の成約価格100万円~5,000万円以下)が一般的です。
手付金を除く残代金の決済時には、仲介手数料の残金を支払います。
このほか、土地を売った際に利益(譲渡所得)があった場合、譲渡所得税や住民税がかかります。
譲渡所得税、住民税は土地の所有期間が5年を超えるか超えないかで税率が異なるため、担当者と相談のうえ、売却のタイミングを決めることが大切です。
税金 | 所有期間 | 税率 |
---|---|---|
譲渡所得税 | 5年未満 | 30% |
5年以上 | 15% | |
住民税 | 5年未満 | 9% |
5年以上 | 5% |
土地を売る際は多くの注意点があります。各段階でどのような点に気を付ければいいのか、手続きの流れに沿って見ていきましょう。
査定時は売りたい土地の相場や性質(どのような区域なのか)を簡単に調べておくと、査定結果や担当者の説明を理解しやすくなります。
また、この時点ではほとんどの売主様が不動産仲介会社を探している状態でしょうから、より信頼のおける不動産仲介会社を見極めるためにも、複数の会社に相見積もりを取るようにしましょう。
土地を売る際には、権利関係や境界など、複雑な事情が絡む場合があります。そのため、不動産仲介会社の実績やサービスの質をよく比較して、優良な会社と媒介契約を結びましょう。売りたい土地と似た条件の取引実績が豊富な不動産仲介会社を選ぶことをおすすめします。
売出価格は売主様の希望に添って決定出来ますが、適正価格から離れた価格を設定すると、売却期間が長引く、もしくは売却出来ないなどのリスクが高まります。担当者のアドバイスをもとに適正な売出価格を決定し売却活動を進めましょう。
購入希望者から売主様に対して直に条件交渉があれば、必ず不動産仲介会社に相談をするようにしましょう。また、売りたい土地の境界が確定していない場合や境界杭がない場合、担当者を通じて購入希望者から相談が入るケースがあります。
主に仲介手数料の一部の支払いなどにおいて、諸費用を現金で用意しなければならないケースが多いため注意してください。
決済時には仲介手数料の残金の支払いのほか、司法書士報酬が発生する場合があるため注意しましょう。たとえば抵当権の抹消手続きが必要な場合は、司法書士報酬として別途の費用が必要となります。
土地を売る際にかかる諸費用や支払うタイミング、注意点についてまとめてまいりました。
土地を売る手続きの流れとかかる費用を把握出来たら、さっそく売却を進めていきましょう。まずは、自分の土地売却を任せられる不動産仲介会社を探すために、複数社で査定が可能な一括査定を利用してみてください。
土地をより適正な価格で売るためには、土地の整備の仕方なども含めてプロに相談しながら進めると安心です。実際に買主様が見つかり売買契約に進むと、諸費用を現金で準備しなければいけない場面もあるので注意してください。この記事を参考に売却準備を進め、諸費用の支払いもスムーズに済ましていきましょう。
※土地を売る際の手数料に関しては下記も参考に。
「土地を売る際にかかる手数料って?金額や支払いタイミングなどを徹底解説」
土地を売る時のポイントについて詳しく知りたい方は、こちらもお読みください
小林弘司
不動産コンサルタント/不動産投資アドバイザー東京生まれ、東京育ち。海外取引メインの商社マン、外資系マーケティング、ライセンス会社などを経て、現在は東京都内にビル、マンション、アパート、コインパーキングなど複数保有する不動産ビジネスのオーナー経営者(創業者)です。ネイティヴによる英語スクールの共同経営者、地元の区の「ビジネス相談員」、企業顧問なども行っています。
最後までお読みいただき、
ありがとうございます。
ご回答ありがとうございました。
必須項目を入力、
送信いただければ
一括査定のお申し込み
完了です。
後日、それぞれの
会社より査定結果を
ご連絡いたします。
各社の提案内容を
ご確認いただき、
ご希望にあった会社を
お選びください。