ホームステージングとは、売却をする物件に家具などを配置し、購入後の生活をイメージしやすいように演出することで成約につなげる方法で、“新築物件とモデルルーム”の関係と近いものと考えればわかりやすいと思います。
ホームステージングは自分好みのインテリアコーディネートをすればいいというわけではなく、購入を検討する人に対していかに物件の魅力をアピールできるかがポイントとなります。そのため物件の強みや特徴を把握した上で、より効果の高い演出をすることが求められます。
ホームステージングをすることにより、買主様の印象をよくする効果が期待でき、分譲マンションや一戸建ての売却では有利に働く可能性が高くなります。
ホームステージングのメリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。
ホームステージングを利用して物件を売り出すと、以下のメリットがあります。
・集客が増える
・成約率が上がる
物件を売却するときはチラシやネット広告を行います。ホームステージングを利用すれば、新築のモデルルームのような「きちんとコーディネートされた部屋」の写真を広告に掲載できます。そのため、広告において物件の魅力アップが期待できるので、集客増につながるというわけです。
また、ホームステージングを利用すれば買主様によい印象を与え、内覧会を開催したときに購買意欲を高める効果が期待できます。
なぜなら、買主様にとっては、購入後のイメージを描くのが容易になり、部屋の活用法なども考えやすくなるからです。
特に工夫のない無機質な空間を公開しても、買主様は生活をイメージできない可能性が高いので、ホームステージングによって購入後のイメージを膨らませ、結果的に成約率のアップにつながる点は大きなメリットといえるでしょう。
買主様の購買意欲を高めるためには、より魅力的な居住空間を演出するための知識を得てインテリアをコーディネートしたり、場合によってはクリーニングを行ったりする必要があります。そのため、売主様自身でホームステージングを実施する際には、負担が大きくなるでしょう。
売主様自身の手でホームステージングを実施するには手間がかかりますが、不動産仲介会社やホームステージングの専門会社に依頼すればその手間を大幅に削減することが可能です。仲介費用とは別に費用がかかりますが、より魅力的な空間を演出するための知識も備わっているため、購買意欲を高める効果が期待できるでしょう
日本ホームステージング協会が公開した「ホームステージング白書2018」によると、ホームステージングは年々増加しており、一般的にもかなり浸透していることがわかります。
この白書のデータによると、ホームステージングの実施後、成約までに至った期間は以下の通りです。
・在宅中の物件:(導入前)70日⇒(導入後)29日
※サンプル回答総数2,426件
・マンション 799(うち賃貸 156 空室 634 在宅 9)
・戸建191(うち賃貸 5 空室 177 在宅 9)
在宅時にホームステージングを実施すれば、ホームステージング導入前は平均70日間売れなかった物件が、その後平均で29日(1ヶ月弱)での成約となっています。
在宅中の部屋のホームステージングについては、実施しているケースがまだ少ないですが、成約までの日数が1ヶ月を切っていることから、ホームステージングによる集客・成約率アップは期待できるといえるでしょう。
また、主に首都圏だけで展開されることの多かったホームステージングですが、最近では東北や北陸、信州、四国、九州・沖縄といった各地域にも広がりを見せていることが明らかになっています。
こうした動きから見ても、不動産売却におけるホームステージングの有効性が認められつつあるのは間違いないでしょう。
不動産(分譲マンション・一戸建て)の売却を検討している多くの人が、ホームステージングを実施しはじめており、実際に成約までの期間が短縮されるなどの効果も見られます。
ホームステージングを実施する際は、不動産仲介会社や専門会社に依頼するのが一般的です。そしてホームステージングをして効果が得られるかどうかは、複数の不動産仲介会社に査定を依頼しつつ、その過程で不動産仲介会社からアドバイスを得て判断していくとよいでしょう。
まずは一括査定サービスを利用し、複数の不動産仲介会社とつながりをもつのがおすすめです。
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田井 能久(不動産コンサルタント)
不動産鑑定士として25年のキャリアを持つ。訴訟や調停、並びに相続等の税務申告のための鑑定評価書の作成が得意。 最近はマレーシアを中心としたビザの取得と海外移住のサポートを通して、トータルな資産コンサルティングも展開している。
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