マンションを売却したときにかかる税金を解説 マンションを売却したときにかかる税金を解説
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マンションを売却したときにかかる税金を解説

「マンションを売っても税金が高いからあまり大きな収入にならない」と思い込んでいませんか?マンションを売却して「利益」が出ると、それが譲渡所得とみなされ所得税と復興特別所得税と住民税がかかります。ただ、特別控除に該当すれば譲渡所得が3,000万円以下なら税金はかかりません。今回は、マンションを売却したときにかかる税金について詳しく解説します。

譲渡所得税という税はなく「所得税と復興特別所得税と住民税」の総称

譲渡所得税という税はなく「所得税と復興特別所得税と住民税」の総称

譲渡所得にかかる税金のことを譲渡所得税と呼ぶことがありますが、これは正式名称ではありません。譲渡取得税とは「所得税と復興特別所得税と住民税」の総称です。復興特別所得税は、2013年1月1日から2037年12月31日までの期間、復興特別所得税として所得税額の2.1%が課税されます。

マンションを売却した金額から、取得費や経費を差し引いたものが譲渡所得です。つまり、「売却収入=譲渡所得」ではありません。マンションを購入したときの費用や売却時の手数料を差し引くと譲渡所得が0円またはマイナスになることもあります。その場合、譲渡所得税はかかりません。

また、譲渡所得の税率は、対象のマンションを5年以上所有していたかどうかで税率に大きな違いがあります。短期譲渡所得と長期譲渡所得の税率それぞれの違いは以下のとおりです。

・短期譲渡所得(5年以下の所有)の税率
39.630%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)

・長期譲渡所得(5年超の所有)の税率
20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)

なお、不動産保有期間の算定は売却年の1月1日時点で計算しますので注意してください。たとえば、2014年の3月1日に購入した不動産の場合、2019年の5月1日に売却したとしても、2019年の1月1日時点では所有して5年は経過していないため、長期ではなく短期譲渡所得の税率が採用されてしまいます。短期と長期では税率が2倍近く違うので注意しましょう。

たとえば、不動産を売却して1,000万円の譲渡所得が発生したマンションがあったとします。短期譲渡所得の税率だと、支払う税金は総額で396万3,000円、長期譲渡所得の場合は203万1,500円です。また、消費税がかかる家賃収入が2年前に年間1,000万円以上ある場合は、売却代金に消費税もかかりますので注意しましょう。消費税がかかる家賃収入とは、オフィス利用の場合の家賃や駐車場収入などのことをいい、居住用のマンションやアパートの家賃収入には消費税はかかりません。なお、2年前の消費税がかかる家賃収入が年間1,000万円未満の場合は、免税事業者となり消費税はかかりません。このように消費税の免税事業者となるかどうかは、2年前の収入を基に判断するのがポイントです。

3,000万円の特別控除が受けられるパターンを確認

3,000万円の特別控除が受けられるパターンを確認

3,000万円の特別控除は、マンションをマイホームとして使っていた場合に適用され、譲渡所得から3,000万円が控除できる(差し引く)仕組みです。その結果、譲渡所得が0円またはマイナスになれば譲渡所得税は発生しません。特別控除を受けられる条件はさまざまありますが、以下では主なものを抜粋してまとめました。

【マイホームとして居住していた場合】
・居住用として住んでいること
・過去住んでいた場合は、引っ越した日から3年を経過する日の属する12月31日までに売却
・住んでいた家屋を解体した場合は、以下の条件すべてに当てはまること
 1.敷地の譲渡契約が家屋の取り壊し日から1年以内に締結
 2.引っ越した日から3年を経過する日の属する12月31日までに売却
 3.家屋解体から譲渡契約の締結日までの間に貸し駐車場など居住以外の用途に使っていないこと
・他に一定の特例の適用を受けていないこと
・通常の天災の場合は3年を経過する日の属する12月31日までに売却
・東日本大震災の場合は7年を経過する日の属する12月31日までに売却
・夫婦や親子など、特別な関係にある人との間で売買していないこと
・他の物件に移り住む前の仮住まいや別荘など居住用以外の使い方をしていないこと

上記はマイホームを売却したときの特例ですが、2023年12月31日までの期限付きで、一定の要件満たす相続した空き家を売却した場合にも3,000万円特別控除の特例が設けられています。

【空き家として相続した場合】
・1981年(昭和56年)5月31日以前に建築されたこと
・区分所有建物登記がされている建物でないこと
・相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと
・相続により売却対象の土地や家屋を得ていること
・相続から売却までの間に、別の用途や居住用に使われていなかったこと(空き家だったこと)
・相続してから3年経過後の12月31日までの間に売却すること
・売却価格が1億円以下であること

また、マイホームの例に限りますが3,000万円の特別控除とともに、マイホームを売ったときの軽減税率の特例も受けることが可能です。この軽減税率では、マンションを取得してから売却日の属する年の1月1日時点で10年以上経過している場合、以下の税率の軽減が受けられます。

【所有期間が10年超】
・長期譲渡所得が6,000万円以下の部分の税額
所得税10%+復興特別所得税 0.21%+住民税4%=合計の税率は14.21%
(譲渡所得-特別控除3,000万円)×14.21%

・長期譲渡所得が6,000万円超の部分の税額
所得税15%+復興特別所得税 0.315%+住民税5%=合計の税率は20.315%
6,000万円以下の部分の税額にくわえて、次の税額が加算されます。
(譲渡所得-6,000万円)×20.315%

【所有期間が10年以内】
・短期譲渡所得(5年以下の所有)の税額
(譲渡所得-特別控除3,000万円)×39.630%

・長期譲渡所得(5年超の所有)の税額
(譲渡所得-特別控除3,000万円)×20.315%

たとえば、マイホームとして住んでいるマンションの譲渡所得が5,000万円だった場合、それぞれの条件で税額を計算すると以下のとおりになります。

【所有期間が10年超】
譲渡所得-3,000万円=6,000万円以下になるため、計算式は(5,000万円-3,000万円)×14.21%で税金額は284.2万円です。

【所有期間が10年以内】
・短期譲渡所得(5年以下の所有)の場合
(5,000万円-3,000万円)×39.630%=792万6,000円

・長期譲渡所得(5年超の所有)の場合
(5,000万円-3,000万円)×20.315%=406万3,000円

10年以上居住しているマイホームを売却する場合は、税金がかなり優遇されていることが分かる数字です。

そのほかの税「印紙税と登録免許税」

不動産譲の場合は、譲渡所得税だけでなく印紙税と登録免許税もかかります。印紙税は、2020年3月31日まで軽減措置がありますので、その税額も含めて以下の表で確認してください。

契約金額 本則税率 軽減税率
10万円を超え50万円以下のもの 400円 200円
50万円を超え100万円以下のもの 1,000円 500円
100万円を超え500万円以下のもの 2,000円 1,000円
500万円を超え1,000万円以下のもの 1万円 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下のもの 2万円 1万円
5,000万円を超え1億円以下のもの 6万円 3万円
1億円を超え5億円以下のもの 10万円 6万円
5億円を超え10億円以下のもの 20万円 16万円
10億円を超え50億円以下のもの 40万円 32万円
50億円を超えるもの 60万円 48万円

登録免許税は、マンションの売却の伴い、不動産の移転登記や抵当権抹消などの登記をするときに必要です。個人が住宅用として家屋を購入・売却した場合、諸条件を満たしていれば、2020年3月31日まで軽減税率が適用されます。不動産の売却にかかわる不動産の登記に関係する登録免許税の税率および軽減税率は以下のとおりです。

登記の事由 課税標準 税率 軽減税率
土地所有権の移転登記 売買 固定資産税評価額 2.0% 1.5%
相続 0.4%
贈与 2.0%
建物の登記 所有権の保存 固定資産税評価額または登記官認定価格 0.4% 0.15%
売買による所有権の移転 固定資産税評価額 2.0% 0.3%
相続 0.4%
贈与 2.0%
抵当権の設定登記 抵当権の設定 債権金額 0.4% 0.1%(1,000円未満の場合は1,000円)

まとめ

マンションを売却したときにかかる税金は、以下の5つです。

・所得税(2037年までは復興特別所得税もプラス)
・住民税
・登録免許税
・印紙税
・課税所得が一定以上の場合には消費税も課税

所得税と住民税については、マンションを5年超所有しているなら、長期譲渡所得で軽減税率が採用されます。さらに、マイホームとして利用していたマンションの売却なら、3,000万円の特別控除をはじめ、さまざまな軽減措置を受けることが可能です。

10年以上所有していれば、さらに大きな所得税・住民税の軽減税率があります。期間限定ですが登録免許税、印紙税の軽減措置があります。また、相続や生前贈与を受けた場合も、3,000万円の特別控除や登録免許税の軽減があるため該当するか確認するようにしましょう。

このように、マイホームとして利用していたマンションや、相続した空き家で一定の要件を満たす場合には、さまざまな軽減措置を利用することにより節税が可能です。軽減措置は期限がついているものも多々あるため、マンションを売却するつもりなら期限を確認して早めの行動を検討してみてください。

<監修者>

松本佳之

税理士・公認会計士・行政書士

1980年兵庫県に生まれる。2001年公認会計士二次試験合格。2002年関西学院大学商学部卒業、朝日監査法人(現あずさ監査法人)入所。2005年公認会計士三次試験合格、公認会計士登録。2007年税理士登録後独立し、北浜総合会計事務所を開設。監査法人勤務時代は企業公開部門に所属し、さまざまな実績を重ねる。

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