不動産を売却するといってもどのように行えばよいかピンとこない方も多いことでしょう。 最初に気になるのは、所有する不動産がどれくらいで売れるのか、買い手がいるのか、などではないでしょうか。 間取りや地域などが似ている物件をインターネットの不動産情報サイトや、住宅情報誌、チラシなどで、所有不動産の概ねの相場をつかむ事は出来るかもしれませんが、一番確実な方法はその道のプロにまず聞いてみることです。
STEP1 仲介会社に不動産の査定を依頼する
売却のエキスパートである
不動産仲介会社に査定を依頼しましょう。査定方法には、実際の物件を見ずに立地や市場から概算で見積もる
「机上査定」と、現地調査を行い、より正確な査定額を見積もる
「訪問査定」の2種類があります。
・机上査定
ご所有不動産の近隣の売出事例や過去の
成約取引事例、
公示価格などをベースに不動産の価格調査を行います。仲介会社に、物件の所在地や、物件種別(マンション、一戸建て、土地など)、売却希望時期などの必要情報を伝えるだけで算出してくれるので、短期間で査定価格を知ることができます。売却検討の初期段階で利用されるケースが多いです。
・訪問査定
仲介会社の担当者がご所有不動産の現地に訪問し、売却予定物件を細かく調査します。不動産の室内や設備の状態、上下水等のインフラの整備状況、土地の地形や接道状況、日当たり、周辺施設などを確認。さらに法務局や行政庁などで、登記記録(
登記簿)の権利関係や法規制なども調査したうえで、より精度の高い売却可能価格を算出します。
不動産を売却される際は通常、訪問査定を行い、
売主様の売却希望価格を考慮したうえで、実際の売出価格を決定します。 ただし、仲介会社が提示する価格は、独自のデータやマーケット状況に基づく相場観も踏まえ算出されるので、その根拠は納得できるまで確認する方がよいでしょう。価格だけで決めるのではなく、仲介会社からは、さまざまな内容の
売却提案書が提出されますので、その内容を確認し、ご自身にあった売却プランを選びましょう。
STEP2 不動産の売却を正式に依頼し、媒介契約を結ぶ
実際に不動産の売却を依頼する際には、仲介会社と
媒介契約を結ぶ必要があります。媒介契約には、
「専属専任媒介契約」、
「専任媒介契約」、
「一般媒介契約」の3種類があります。
・専属専任媒介契約
1社の仲介会社にのみ売却を依頼する契約になります。そのほかの仲介会社に依頼することは契約上禁じられています。契約後に、売主様が自分で見つけてきた買主様(親戚や知人など)と直接交渉する場合でも、仲介会社を通して取引することが義務づけられています。売却活動のすべてを1社に任せることができるので安心感はある分、拘束力の強い契約になります。契約期間は最大3ヶ月となります。
・専任媒介契約
専属専任媒介契約とほぼ同一条件の契約内容になりますが、売主様が買主様を直接見つけてきた場合は、仲介会社を通さずに取引することが可能です。
・一般媒介契約
複数の会社に仲介を依頼することができる契約です。売主様にとっては、複数の不動産会社が売却窓口の担当になってくれることがメリットと言えますが、その一方で、窓口の複数社と販売の状況をやり取りしなければならないなど、手間も多くかかります。
契約形態ごとにそれぞれの特色がありますので、売却を検討する物件の特徴とあわせて仲介会社に相談のうえ、ご自身にあった媒介契約を結びましょう。
STEP3 不動産の売却活動を開始する
媒介契約が無事に締結されると不動産の売却活動がスタート。仲介会社は、買主様を探すためにさまざまな媒体や手段を活用し、プロモーションを展開します。売却を成功させるためには、できるだけ多くの購入希望者に正確な物件情報を開示することが重要になります。
・指定流通機構(通称:レインズ)への登録
国土交通大臣が指定した不動産流通機構です。東日本、中部圏、近畿圏、西日本に4法人が設立されており、それぞれの法人が地域ごとの不動産情報の交換業務等を行っています。
・ホームページや広告媒体への掲載
仲介会社の自社ホームページや住宅情報専門誌・WEBサイトに掲載する広告のほかに、新聞の折り込みチラシやダイレクトメール、ポスティング広告などで集客活動を行います。
・オープンハウスの開催
売却物件を自由に見学できるように開放して、購入を検討している方に直接見てもらうためのイベントになります。集客を促すため、仲介会社ではポスティング広告や現地看板などで案内するなどの活動を行います。
大手不動産仲介会社には、多くの購入希望者が登録されているので、その中から買主様候補者が見つかることもあります。 売却活動の状況については、仲介会社から定期的に報告されます。報告の頻度は、専属専任媒介契約の場合は1週間に1回以上、 専任媒介契約の場合は2週間に1回以上と、契約内容によって定められています。もちろん、気になることがあれば随時報告を求めてもかまいません。 一定期間たってもなかなか物件を売却できない場合には、売却活動を見直すことも必要です。売出価格は適正か、物件に不備はないか、物件の魅力の伝え方は十分かなど、売却手段も含めて仲介会社に相談してみましょう。
STEP4 売買契約を結ぶ
買主様候補者が見つかると、
売買契約に向けての交渉が始まります。売主様には仲介会社を通して、買主様候補者から購入申込書(交渉依頼書)という書面が提示されます。仲介会社は、売買金額、代金の支払方法、物件引渡し時期等を売主様・買主様候補者と交渉・調整を行い、契約関係書類を作成します。
売買契約を結ぶ際には、売主様は売却物件に付帯する設備と状況を買主様候補者に書面で報告する義務があります。契約後にトラブルが発生しないよう、できるだけ正確な情報を伝える必要があり、そういった面でも仲介会社のサポートが重要になります。
売主様と買主様候補者が売買条件で概ね合意すれば、仲介会社は売主様と買主様候補者が直接対面する日時や場所の調整を行い、双方に詳細説明を行います。そして、無事に双方の合意が得られると売買契約が成立。売主様は買主様より
手付金を受け取ります。
STEP5 決済を行い、物件を引き渡す
売買契約を締結すると、売主様は契約条件に沿って物件を引渡せる状態にする必要があります。売却額の残代金を受け取る日までに引越しの準備を行い、
固定資産税、公共料金等、マンションの場合には
管理費などの清算準備を済ませます。
残代金の決済に先立ち、売主様・買主様の立会いによる物件の最終確認を現地にて行います。境界の確認や設備表等にもとづき、契約書に定めたとおりに引渡しが行われるかを確認します。
そして、いよいよ物件の残代金決済・お引渡しです。残代金の受け取り・鍵の引渡しを行い、法務局に
所有権移転登記等の申請を行います。
その際、住宅ローンの借入れを残代金で完済する場合には、所有権移転登記の申請に合わせて
抵当権の抹消手続きも必要となりますので、こちらも仲介会社に事前に相談していると手続きがスムーズです。
最後に、引渡しが完了した証明として「
引渡確認証」を売主様と買主様とで取り交わすことで、売買契約のすべてが完了となります。
用意するもの
- 登記済権利証
- 住民票(住所変更がある場合)
- 本人確認書類(免許証など)
- 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
- 実印
- 管理規約等必要書類
- 売却物件の鍵
- 仲介手数料残金
- 登記費用(抵当権抹消の手続き等がある場合)
このように不動産を売却するには、さまざまな準備や知識が必要です。すまいValueを運営する6社では、不動産の査定から物件引き渡し時のフォローまで、すべてを一貫して、安心・安全にサポートいたします。大切な不動産の売却時には、ぜひご相談ください。
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- ※実際の取引での法制度の適用可否については、税理士・税務署等にご確認のうえ判断してください。