ステップ1 査定を依頼する
家主(売主様)が家を自力で売却するのは大変です。大金が動くため、万が一のことがあったら取り返しのつかないダメージを受けてしまうことになりかねません
そのため、家を売る時は不動産仲介会社に売買の仲介を依頼することをおすすめします。
まずステップ1では、不動産仲介会社に家の査定をしてもらいます。査定とは「今この家を売ったら大体いくらになるか」を調べてもらうことです。
査定価格は目安にすぎませんが、不動産仲介会社の担当者は実際に売却する時の成約価格に限りなく近い額にしようとします。したがって査定価格が算出されると、売主様は、家を売却した後に大体いくらくらい手元に入ってくるのかが分かります。住宅ローンの残債がある場合、この「大体いくら」がとても重要になります。
査定は複数の不動産仲介会社に依頼することをおすすめします。なぜなら不動産仲介会社によって、取り扱いが慣れている不動産とそうではない不動産があるからです。
本サイト「すまいValue」では実績が豊富な大手6社に一括して査定依頼を出すことができますので様々なニーズに対応が可能です。
次に、査定を依頼した不動産仲介会社のなかから、媒介を依頼する会社を選びます。不動産仲介会社は、売主様の売却をアシストしてくれる会社です。売却する家の広告を出してくれたり、買主様を探してくれたりします。家が売却できた際は、売主様は不動産仲介会社に手数料を支払います。
つまり、査定の依頼は、不動産仲介会社を選考する目的もあるということです。
査定価格には、不動産仲介会社によってばらつきがあることもありますが、相場を無視したあまりに高額な査定価格を出した不動産仲介会社は選考から外したほうがいいでしょう。
ステップ2 仲介会社と媒介契約を締結する
査定してもらった不動産仲介会社から媒介を依頼する会社を選んだら、媒介契約を締結することになります。
仲介契約の正式名称は「媒介契約」といい、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があります。それぞれの特徴は次の通りです。
1社としか媒介契約できない。売主様が自力で買主様を見つけてきても、媒介契約した不動産仲介会社を通さなければならない。媒介契約した不動産仲介会社は、1週間に1回以上、契約の進捗等について報告をする義務がある。
1社としか媒介契約できないが、売主様が自力で買主様を見つけてきたら、媒介契約した不動産仲介会社を通さなくてよい。ただし、その際に媒介契約をしていない不動産仲介会社を通すことは禁じられており、あくまでも個人間の契約になります。媒介契約した不動産仲介会社は、2週間に1回以上、契約の進捗等について報告をする義務がある。
複数社と媒介契約でき、売主様が自力で買主様を見つけてきたら、媒介契約した不動産仲介会社を通さなくてよい。一般媒介契約の場合、契約の進捗等の報告義務はない。
不動産仲介会社を選ぶ時は、担当者の「スキル、知識、やる気、誠実さ」に注目しましょう。大抵の中古の家は、黙っていては売れません。売却対象の家がある地域の不動産市場を知り抜き、購入希望者に適確にPRすることで、ようやく売ることができます。
また家の売買は大金が動くので、不動産仲介会社の担当者に誠実さがなければ、思わぬ事故にも巻き込まれかねません。「自分の家をしっかり売ってくれる」人を選ぶようにしましょう。
ステップ3 内覧会を実施する
家を売るには、購入希望者にその家をじっくりみてもらわなければなりません。そのため、売却活動では内覧会の開催は必須事項です。
内覧会のコツは、とにかく物件を魅力的にみせることです。家のなかだけでなく、庭の掃除や草むしり、また一戸建てであればできれば前の道路の清掃も行っておきましょう。
家のなかの清掃は、ハウスクリーニングを頼んでもいいかもしれません。
また、売主様が住みながら内覧会をおこなう時は、なるべく生活感を出さないようにしましょう。台所、洗面台、浴室、トイレなどの洗剤や道具類は一時的に撤去しておきましょう。内覧会時は家のなかを片付けておくことをおすすめします。
家のなかに余計なものがないと、部屋は広く感じられます。購入希望者に「延べ床面積の割に広く感じる」という印象を持ってもらえれば、売却に一歩前進するでしょう。
ステップ4 購入希望者と価格交渉をする
売出価格は売主様がつけます。売出価格は、値引き要請されることを考慮しながらつけていきましょう。
では、もし購入希望者が、売主様が想定していた「本当の成約価格」より安い額を求めてきたらどうしたらいいでしょうか。
指針の一つとして例をあげるなら、たとえば住宅ローンの残債を完済できない額で決着しないとあらかじめ心の中で決めておくとよいのではないでしょうか。
ただし、希望する成約価格に固執するあまり、売れ残っては意味がありません。そのため、販売開始してから1ヶ月単位で売れない場合、その段階で価格の見直しをすることをおすすめします。
価格交渉の際は、「真ん中を取る」という方法で詰めていくと、相手に不快感を与えません。
たとえば売主様が3,000万円で売りたいと考えており、購入希望者が2,800万円を提示してきたら、「間を取って2,900万円ではいかがですか」と提案するのです。こうすることで「痛み分け」を演出できます。
まとめ
家の売却の原則は「売れる時が売り時」です。家が建っている地域がよほどのブランド地区である場合などをのぞき、家の価値や価格は築年数を経るごとに下がっていく傾向にあります。
しかし、家はオーナーの重要資産なので「売り急がない」ことも大切です。少しでも適正な価格で売るために工夫しましょう。
そこで売却活動を始めて3ヶ月以内は強気の姿勢を保ち、3ヶ月を超えたら少しずつ値引きに歩み寄ってみてはいかがでしょうか。
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<監修者>
小林弘司
不動産コンサルタント/不動産投資アドバイザー
東京生まれ、東京育ち。海外取引メインの商社マン、外資系マーケティング、ライセンス会社などを経て、現在は東京都内にビル、マンション、アパート、コインパーキングなど複数保有する不動産ビジネスのオーナー経営者(創業者)。ネイティヴによる英語スクールの共同経営者、地元の区の「ビジネス相談員」、企業顧問なども行う。
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