マンションを相続したものの、そこに誰も住んでおらず、今後も住む計画がない場合は管理費や税金がかかりますので売却したほうがよいでしょう。経年劣化により、壁紙が色あせたりバストイレなどの水周りの設備に故障が見られたりすることもあります。こういった保有しているだけで生じる劣化は、マンションの価値を下げることになるので、マンションを保有し続けるデメリットとなります。
経年劣化を抑えて資産価値を保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。マンションを保有していると、管理組合で修繕費用の積み立てとしていくらかの費用が必要になります。
また、マンションを日々管理する費用も必要です。一般的なマンションでは、共有部分の清掃や定期的な設備点検などをまとめて管理会社に任せ、毎月管理費用を支払います。マンションを売却することで、マンションの維持費は不要になり、負担は軽くなるでしょう。
また、不動産を保有し続けるだけで、税金の支払いも必要です。固定資産税や都市計画税は、毎年課税されますが、その金額は約数10万円以上となり決して安い負担額ではありません。固定資産税と都市計画税は、地方自治体が徴収します。
これらの税金は土地と建物別々に評価・課税されますが、自治体によって税率が違います。
マンションの価値は時間が経つにつれて下がる一方で、維持費や税金は支払い続けなければなりません。価値が下落する前に売却できれば、現在および将来において必要となる費用も抑えることができます。マンションを売却するかどうか迷うような状況なら、思い切って売却を具体的に検討してみるのも良いでしょう。
居住用のマンションを保有している場合、住宅ローンの返済が苦痛になったり現金が必要になったりということもあるかもしれません。そうした場合は、売却を考えてみてはいかがでしょうか。住宅ローンだけではなく共益費や維持費などの心配がなくなると同時に、売却することで戻ってくるお金もあります。例えば、住宅ローンの保証料です。マンションを売却したお金で住宅ローンを完済できれば、保証料が還付される金融機関もあります。
ただし、買い替えの場合は再度住宅ローンを組むことも視野に入れなければなりません。マンションを売却することによる大きなメリットはまとまったお金が入るということにありますが、買い替えの場合は、新しく組む住宅ローンの返済などもしっかりと考えて行動することが大切です。
住み替えの理由としてよく見られる例は、家族構成や生活環境の変化による売却です。結婚して子どもが生まれると、特に将来のことを考えて広めの住宅に引越しするという人が多く見られます。「子どもが独立する」「親世帯や子ども世帯との同居」なども、家族構成が変わるタイミングの例です。
生活環境の変化に関しては、例えば以下のような例が挙げられます。
・新婚時代は都心の繁華街に近い場所や通勤に便利な場所を選ぶ
・子どもが生まれたら、教育環境のよいエリアや自然の豊かな場所を選ぶ
・親の介護が必要になると、実家に戻りやすい場所や介護を受けやすい場所を選ぶ
家族構成が変わるにつれて、部屋の間取りだけでなく生活環境も変えたいと考える人は少なくありません。今の生活環境では不便だと感じるようになり住み替えを検討する場合は、マンションを売却して条件に合致する新しい家を購入することでより住みよい暮らしが実現できるのではないでしょうか。
マンションを売却するかどうか迷っている場合は、まずマンションの現状を正しく把握することから始めましょう。まずは不動産仲介会社に相談をすることが売却への第一歩と考えていいかもしれません。
マンションの売却により手元に入るおおよその金額や諸費用が知りたいなど、マンション売却に関するお金のことが気になったなら、まずは不動産仲介会社への相談を考えてみてはいかがでしょうか。
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田井 能久
不動産コンサルタント
不動産鑑定士として25年のキャリアを持つ。訴訟や調停、並びに相続等の税務申告のための鑑定評価書の作成が得意。 最近はマレーシアを中心としたビザの取得と海外移住のサポートを通して、トータルな資産コンサルティングも展開している。
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