マンション売却の具体的流れから注意点、失敗談、費用と税金対策など基本を解説

売却・査定
マンション売却の具体的流れから注意点、失敗談、費用と税金対策など基本を解説 マンション売却の具体的流れから注意点、失敗談、費用と税金対策など基本を解説

マンションを売却する際には、押さえておくべき知識や注意点があります。それらを把握した上でマンションの売却を進めないと、「物件が一向に売れない」「売った後で買い手とトラブルに発展する」、といった問題も起きかねません。そこで、ここではマンション売却に関しての基礎知識や注意点、そして失敗例・税金までをまとめて解説します。

マンション売却の簡単な流れ~必要書類集めから確定申告まで~

マンション売却の簡単な流れ~必要書類集めから確定申告まで~

まずは、マンション売却の具体的な流れを、売り出し前・売却活動期間・売り出し後(売買契約締結後)の3ステップに分け、それぞれの段階でやるべきことを紹介します。

【ステップ1】売り出し前

マンション売却におけるステップ1である「売り出し前」には、以下のことを行います。

  • 情報収集
  • 必要書類等の準備
  • 査定
  • 媒介契約

情報収集

情報収集とは、マンションの成約価格の相場を調べることです。相場を調べておくことで、不動産仲介会社に査定依頼した際に提示された査定価格が正確なのかを判断しやすくなります。具体的には、「REINS Market Information」と「土地総合情報システム」という2つのWebサイトを利用し、周辺で成約した事例を調べて相場を把握しましょう。

必要書類等の準備

また、マンションを売却する際に必要な以下書類も準備しておきましょう。

<必要書類>

  • 登記簿謄本(土地と建物)
  • 購入時の売買契約書
  • 購入時の重要事項説明書
  • マンションの図面やパンフレット
  • 最新の固定資産税納税通知書
  • 権利証(書)

「最新の固定資産税納税通知書」は、毎年5月頃に税務署から送付される書類です。そのほかの書類は、マンション購入時に受け取っている書類になります。

<あると良い書類>

  • マンションの管理規約
  • 設計図書
  • 耐震診断報告書やアスベスト使用調査報告書

上記書類は必須ではありませんが、もし手元にあれば用意しておきましょう。

詳しくは以下のページを参考ください。
【売却に必要な書類解説】マンションの権利証(権利書)はありますか?

査定

次に、不動産仲介会社に査定依頼をします。査定とは、マンションがどのくらいの金額で成約するのかを不動産仲介会社に試算してもらうことであり、一般的には「半年で売るならいくらで売れるか」という金額を試算します。

詳しくは後述しますが、マンションの売却実績が多い「信頼できる不動産仲介会社」を選ぶために、一括査定サービスを利用するのがおすすめです。不動産仲介会社はマンション売却を成功させるための大事なパートナーであり、その不動産仲介会社を見極めるための「査定」は非常に重要なステップです。

媒介契約

査定によって、マンションの売却を依頼する不動産仲介会社を決めたら、その不動産仲介会社と媒介契約を結びます。不動産仲介会社選びに失敗すると、「なかなか売れない」「成約価格が安すぎる」といったことになりかねないため、媒介契約を結ぶ前に慎重に不動産仲介会社を見極めましょう。

【ステップ2】売却活動期間

【ステップ2】売却活動期間

次に、「ステップ2:売却活動期間」について解説します。売却活動期間では、大きく分けて以下2つのことを行います。

  • 売却活動
  • 購入者からの申込と売買契約

売却活動

売却活動とは、マンションの購入検討者を集客し、実際にマンションを見せる「内覧」を行うことです。集客や内覧に関しては、基本的に不動産仲介会社が主導しますが、売主様も内覧時の清掃や出迎えなどは行う必要があります。

申込と売買契約

内覧が終わり購入検討者が購入の意思を示した場合、不動産仲介会社に購入申込書を提出します。その後、不動産仲介会社の担当者が売主様にその内容を報告し、価格面や引渡しなどの諸条件に関して交渉を行います。諸条件の調整が終わったのちに、売買契約という流れになります。
その間に、別の申込希望者が現れてもその方は「二番手」の扱いになります。そして、申込を受けて概ね1週間以内に売買契約を結ぶというのが一般的です。

【ステップ3】売り出し後(売買契約締結後)

「ステップ2:売却活動期間」を経て、最後のステップである「売り出し後」に移ります。売り出し後は、売主様は以下を行う必要があります。

  • 決済および引渡し
  • 確定申告

決済および引渡し

売買契約を結んだら、売買契約からおよそ1ヶ月~2ヶ月以内にマンションの決済および引渡しを行います。決済および引渡し日以降は、マンションの所有権が正式に売主様から買主様に移るので、引渡し日までに売主様は引越しを終わらせておく必要があります。

引渡し当日は、売主様・買主様・不動産仲介会社で集まり、まずマンションの残代金の入金を確認するという流れです。その後、引渡し関係の書類に署名・捺印し、マンションの売却は完了です。

確定申告

ただし、マンションの売却によって所得(利益)が出た場合や、税制で定められた特例を利用する場合には、売却した翌年の2月16日~3月15日の期間内に確定申告する必要があります。なお、確定申告が必要なケースや確定申告の方法などについては後述します。

マンション売却の注意点とおさえておきたいポイント9つ

マンション売却の注意点とおさえておきたいポイント9つ

前項までで、マンション売却の簡単な流れが理解できたかと思います。次に、マンション売却の際に注意しておくべきポイントを、売り出し前・売却活動期間・売り出し後の3ステップに分けて紹介します。

【ステップ1】売り出し前

まず、「ステップ1:売り出し前」の注意点・押さえておきたいポイントは以下の点です。

  • 十分な時間を確保する
  • 複数の不動産仲介会社から査定を受ける
  • 不動産仲介会社には不利になる情報もすべて伝える
  • マンション価格の下落率を加味して売りに出す

十分な時間を確保する

売り出し前には十分な時間を確保しましょう。マンションを売り出してから成約するまで、最大3ヶ月ほど時間がかかるケースもあります。そのため、売り出し前の期間も考慮し、マンションを売却したい時期から逆算して5ヶ月以上前から売り出しておくのが理想といえます。十分な時間を確保しておかないと、売主様にとって不利な成約となってしまう可能性があります。

仮に、買い替えや転勤などの諸事情があり、「あと2ヶ月以内に成約しなければいけない」という状況だったとすると、マンションの売出価格を低くせざるを得ないため、相場以下の成約価格になる可能性が高くなります。そのため、十分な時間を確保して売却に臨むことが重要になります。

複数の不動産仲介会社から査定を受ける

2つ目のポイントは、複数の不動産仲介会社から査定を受けることです。なぜなら、不動産仲介会社によって得手不得手があるためです。1社にしか査定依頼せずに、その不動産仲介会社が苦手なエリアのマンションであれば、査定価格は低く出る可能性があります。

複数の不動産仲介会社に査定依頼しておけば、もっと高く売却できる可能性があります。複数の不動産仲介会社へ査定依頼をして、より高く、より早くマンションを売却できる会社を選びましょう。

不動産仲介会社には不利になる情報もすべて伝える

3つ目のポイントは、売主様が不利になる以下のような情報も、不動産仲介会社にすべて伝えることです。

  • 過去に浸水したなどの事例
  • 物件内で事件があったなどの事故歴
  • 生活に支障を来すほどの騒音がある

このような、買主様に不利益になる情報を告知しない状態でマンションを引渡すと、買主様から瑕疵担保責任を問われる可能性があります。仮に、「売主様に瑕疵担保責任あり」と見なされた場合には、瑕疵に関して損害賠償を求められるリスクがあります。そのため、少しでも気になることがあれば、不動産仲介会社の担当者へ伝えておきましょう。

マンション価格の下落率を加味して売りに出す

4つ目のポイントは、マンション価格の下落率を加味して売りに出すことです。というのも、REINS※の資料によると、マンション価格の下落率は新築~築5年程度が最も大きく、その後は築20年前後まで緩やかに下落していきます。

つまり、築年数によってマンション価格の下落率に違いがあるので、基本的には10年以内のマンションの方が高く売りやすいということです。ただし、これはあくまで一例であり、全てのエリアで同じことが起こるわけではありません。

とはいえ、築年数によるマンション価格の下落率はマンションを高く売却するなら無視できない要素です。そのため、一括査定サービスを利用して、「今マンション価格はいくらか、 購入時と比べてどのくらい下落しているのか、 今後の下落率はどうなのか」を検証することをおすすめします。

※REINSとは…不動産情報交換のためのオンラインシステムの総称。

【ステップ2】売却活動期間

【ステップ2】売却活動期間

次に、「ステップ2:売却活動期間」での注意点・押さえておきたいポイントは以下の点です。

  • 不動産仲介会社に集客を任せきりにしない
  • 内覧前に部屋を綺麗にしておく
  • 内覧は丁寧に対応する
  • 適正価格から大きく離れた価格設定は避ける

不動産仲介会社に集客を任せきりにしない

5つ目のポイントは、不動産仲介会社の担当者に集客を任せきりにせず、売主様自身も積極的に参加することです。具体的には、掲載されているWebサイトの文言や写真などをチェックし、もっとアピールしたい点などがあれば担当者に伝えるようにしましょう。売主様だからこそ知っている不動産の魅力もあるはずです。

例)

  • 不動産の周辺環境について
  • 最寄りの繁華街へのアクセスについて
  • 生活していて「これ便利だな」と思った点 など

内覧前に部屋を綺麗にしておく

6つ目のポイントは、内覧前に部屋を綺麗にしておくことです。当然ですが、部屋の印象の良し悪しは検討度合いに大きく関係してきます。そのため、内覧前には必ず以下を行っておきましょう。

  • フローリング部分や畳の掃除
  • 水まわりの掃除
  • 不要な荷物を収納内に片づける
  • 消臭剤などで臭いを消す

内覧は丁寧に対応する

7つ目のポイントは、内覧は丁寧に対応することです。基本的に内覧者への対応は不動産仲介会社の担当者が行いますが、売主様の態度も検討に影響します。そのため、内覧中にテレビを見る、全く相手にしない、などは避けましょう。

たとえば「周辺にスーパーはありますか?」など不動産仲介会社よりも売主様の方が知っていることであれば、売主様自身が積極的に説明した方が検討者に良い印象を与えることができるでしょう。

適正価格から大きく離れた価格設定は避ける

8つ目のポイントは、適正価格(≒相場価格)から大きく離れた価格設定を避けることです。中古不動産の売却時は、値引き交渉されることを考慮して相場価格よりも少し高めで売り出すことが多いです。しかし、その価格があまりに高すぎると、集客が極端に少なくなるリスクがあります。

売出価格をいくらにすべきかは物件によりますが、不動産仲介会社が提示した査定価格(≒相場価格)に、1割プラスした価格を上限の目安としましょう。もちろん、エリアや物件によって適正な売出価格は異なりますので、実際は不動産仲介会社の担当者と話し合って決めることをおすすめします。

【ステップ3】売り出し後

次に、「ステップ3:売り出し後」での注意点・押さえておきたいポイントは確定申告・税納付を怠らないことです。確定申告が必要かどうかの詳細は後述しますが、仮に確定申告および納税が必要であるにも関わらず納付期限に遅れると、延滞税が発生することもあるので注意しましょう。

マンション売却のよくある失敗とその対策14選

マンション売却のよくある失敗とその対策14選

次に、マンション売却のよくある失敗例と対策について、14の事例をステップごとに解説していきます。マンション売却の失敗例と対策を知ることで、同じ失敗をしないように気を付けましょう。

マンション売却のよくある失敗例【売り出し前編】

まずは、マンションの売り出し前に起こる失敗例と対策を紹介します。

1社にしか査定依頼しない

上述したように、1社にしか査定依頼しないと、相場や適正価格を理解しないまま売り出すことになります。そのため、「複数社に査定していたらもっと高く売れた」という失敗につながります。このようなことにならないよう、複数の不動産仲介会社に査定依頼をして、それぞれの査定価格を比較して不動産仲介会社を選定しましょう。

査定価格だけで不動産仲介会社を選んだ

複数の不動産仲介会社に査定依頼しても、その査定価格だけで不動産仲介会社を選ぶと失敗します。なぜなら、その査定価格に根拠がなければ、提示された査定価格では売却することができず、最終的には相場価格以下で成約する可能性もあるためです。

そのため、複数の不動産仲介会社に査定依頼した後は、その査定価格だけではなく「査定価格を算出した根拠」をヒアリングして比較するようにしましょう。

売出価格を高く設定し過ぎた

上述したように、売出価格を高く設定し過ぎると、マンション売却に失敗しやすくなります。というのも、売出価格が高いということは広告に記載されている価格が高いので、予算的に検討から外す人が増えるからです。

つまり、売出価格を高くすることで集客が少なくなり、結果的にマンションの売却スピードが落ちることになります。そのため、相場より1割程度高い価格を目安として、詳細は担当者とよく話し合いましょう。

住宅ローン残債を把握していない

住宅ローンの残債を把握しないままマンションを売却すると、結局「住宅ローンを完済できずにマンションの売却ができない」という失敗につながります。というのも、マンションの売却は「住宅ローンを完済する」というのが前提であり、完済できないと基本的にマンションの売却(引渡し)ができないからです。

そのため、まずは毎年金融機関から郵送されてくる「ローン償還表」などで、現時点の残債を把握し、その残債と売却時の諸費用や引越し代などを加味して、成約価格がいくらなら住宅ローンを完済できるかを考える必要があります。

時間的に余裕がない

時間的に余裕がない状態でマンションを売却すると、以下の失敗につながります。

  • 売出価格が下がる
  • 値引き交渉に弱い

まず、早く売るためには集客が必要なので、売出価格が低くなります。そして、「○月〇日までに決済(引渡し)するので××万円に値引きして欲しい」という買主様からの交渉も受けざるを得ないケースが増えるのです。そのため、上述したように売却希望時期の5ヶ月以上前から準備を始めることをおすすめします。

マンション売却の実績が少ない不動産仲介会社に依頼した

不動産仲介会社も得手不得手があるため、仮に「マンション売却」の実績が少ない不動産仲介会社に依頼すると、なかなか売れないという失敗につながります。そのため、一括査定サービスを利用して複数の不動産仲介会社を比較し、マンション売却の実績が豊富かどうかを吟味してから不動産仲介会社を選定すると良いでしょう。

マンション売却のよくある失敗例【売却活動期間編】

次に、売却活動期間中に起こる失敗例と対策を紹介します。

同じマンション内で競合した

同じマンションの別部屋と競合すると、その部屋との価格競争になりやすいです。というのも、その競合した部屋と「広さ・間取り」などの条件が似ている場合には、検討者は2つの部屋を同時に検討するケースが多いからです。そうなると、結局値引き交渉に巻き込まれて、成約価格が安価になるという失敗につながります。

このような事態にならないように、ほかの部屋にはない「陽当たり」や「眺望」「間取りの使いやすさ」など、その部屋独自の長所を整理しておきましょう。もしくは、売却時期をずらせるのであれば、競合する物件が売れてから本格的に売り出すという方法もあります。

相場の安い時期に売り出してしまった

また、相場の安い時期に売り出してしまうと、希望価格を下回った価格で成約するという失敗につながります。上述したように、築年数は価格下落率に大きく影響するので、5年・10年・15年など、築年数の節目には気を付けましょう。

適切な内覧準備をしていなかった

上述したような内覧準備をしていないと、検討者が以下のような印象を持ってしまう失敗につながります。

  • 部屋が汚いので全体的に悪い印象
  • 売主が全く関与しないので感じが悪い
  • 水まわりにカビがあるのでほかの箇所も劣化していそう

このような印象を持たれると検討度合いが上がらなかったり、値引き交渉の材料になってしまったりします。そのため、内覧の度に清掃や片付けを忘れないことは重要です。

安易に価格を下げてしまった

思ったようにマンションを売却できないケースがあります。そのときに、早く売ろうと焦って安易に価格を下げてしまうと、本来は下げなくても売れたのに…という失敗につながってしまいます。

そのため、安易に値下げしてしまう前に何か打てる手はないかを、不動産仲介会社にも相談して対策を練ることが重要です。たとえば、広告のコピーを変えてみたり、写真を差し替えてみたりと、ささいなことで売却がスムーズにいくこともあります。

マンション売却のよくある失敗例【売り出し後編】

マンション売却のよくある失敗例【売り出し後編】

次に、マンション売却の売り出し後に起こる失敗例と対策を紹介します。

買主様の与信が低く契約解除になった

大半の買主様は住宅ローンを組んでマンションを購入するので、審査に通らないとマンションが欲しくても買えません。そして、その住宅ローン審査は以下のような要素が加味されます。

  • 借入者の年収や勤務先
  • 借入者の年齢や勤続年数および雇用形態
  • 借入者の信用情報(過去の延滞歴や自己破産歴など)
  • 物件の担保価値

上記のような審査項目があるので、購入検討者が現れたら不動産仲介会社を通して、検討者の職業や勤務先などをヒアリングしてもらい、住宅ローン審査は本当に大丈夫かを確認しておきましょう。また、売買契約を結ぶときは、住宅ローンの仮審査に通過していることを条件にするのが望ましいです。

設備に関する告知が不十分

中古マンション売却時は、エアコン・照明・給湯器などに関して、以下の点をきちんと告知する必要があります。

  • 撤去するのかそのままにするのか
  • 故障や不具合はないか
  • 過去の修繕履歴はないか

仮に、これらの告知が不十分だと、引渡し後に買主様からクレームが入り、場合によっては補修費用などを支払う失敗につながってしまいます。そのため、不動産仲介会社の担当者と相談し、上記の旨を「付帯設備表」や「告知書」などで書面として漏れなく申告しましょう。

短期保有によって納税額が高額になった

詳細は後述しますが、マンションを売却する時期がマンションを購入してから5年以内か5年以上かで利益にかかる税率は変わります。これを知らずにマンションを売却し、仮に売却益(譲渡所得)に対して税金が発生すると、高い税率が課せられるという失敗につながるので注意が必要です。

マンション売却は、多くの人にとって一生に何度もない大きな取引になるため、上記のような失敗に陥らないためにも、少しでも心配事や不安事がある場合は不動産仲介会社に相談するようにしましょう。

マンション売却にかかる諸費用と税金の目安

マンション売却にかかる諸費用と税金の目安

次に、マンション売却にかかる諸費用・税金である以下の項目について、その概要と目安金額を紹介します。

  • 仲介手数料
  • 抵当権抹消費用
  • 不動産売買契約書の印紙税
  • 譲渡所得税
  • その他費用

仲介手数料

まずは仲介手数料から解説します。仲介手数料とは、不動産仲介会社に支払う成功報酬のようなものであり、成約金額によって以下の通りパーセンテージが決まっています。

売買価格 仲介手数料率
200万円未満 成約価格×5%
200万円超~400万円以下 成約価格×4%+2万円
400万円超 成約価格×3%+6万円

上記は、不動産仲介会社が売主様・買主様それぞれに請求できる仲介手数料の上限であり、上記で計算した金額に消費税が加算されます。仲介手数料について、支払うタイミングや特例など詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
不動産売却における仲介手数料とは?支払うタイミングは?

抵当権抹消費

次に、抵当権抹消費用です。上述したように、マンション売却時は抵当権の抹消が必要であり、その際は以下の費用がかかってきます。

  • 登録免許税:不動産1戸につき1,000円
  • 司法書士報酬:司法書士による

参考:法務局(抵当権抹消の登録免許税)
登記に関しては、司法書士の資格を保有していなくてもできますが、手続きが複雑であるため、司法書士に依頼するのが一般的です。

具体的な登記手続きや必要書類に関して知りたい場合は、以下のページをご覧ください。
マンション売却の際は抵当権の抹消を!手続きの流れや必要書類を紹介

不動産売買契約書の印紙

マンション売却時には、売買契約書に印紙税がかかります。印紙税は、売買契約書へ記載する金額(成約価格)によって、以下のように税額が決まっています。

契約金額 本則税率 軽減税率
10万円を超え 50万円以下のもの 400円 200円
50万円を超え 100万円以下のもの 1,000円 500円
100万円を超え 500万円以下のもの 2,000円 1,000円
500万円を超え1,000万円以下のもの 1万円 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下のもの 2万円 1万円
5,000万円を超え 1億円以下のもの 6万円 3万円
1億円を超え 5億円以下のもの 10万円 6万円
5億円を超え 10億円以下のもの 20万円 16万円
10億円を超え 50億円以下のもの 40万円 32万円
50億円を超えるもの 60万円 48万円

記載金額(成約価格)が10万円を超えるもので、かつ平成26年4月1日から令和2年3月31日までの間に作成される売買契約書は、上記の軽減税率が適用されます。
参考:国税庁

譲渡所得税

譲渡所得とは、物件の売却により利益が出た場合にかかる「所得税」で、他にも「住民税」、および「復興特別所得税」の税金が発生します。譲渡所得の算出方法などは後述しますので、ここでは譲渡所得の税率について解説します。譲渡所得の税率は、以下のように保有期間によって異なります。

税の種類 長期保有 短期保有
所得税率 譲渡所得×15% 譲渡所得×30%
復興特別所得税率 所得税額×2.1% 所得税額×2.1%
住民税率 譲渡所得×5% 譲渡所得×9%

マンションを売却する年の1月1日時点で、購入してからの保有期間が5年以上(購入してから1月1日を5回経過)であれば長期保有となり、5年以内であれば短期保有となります。マンション売却の税金の詳細については、以下のページをご覧ください。
マンションを売却したときにかかる税金を解説

その他費用

マンション売却時は、上述した諸費用と税金以外に以下の費用もかかります。

  • 引越し費用
  • 不用品の処分費用
  • ハウスクリーニング費用

引越し費用は、荷物の量や引越し時期、引越し業者によって金額が変わります。そのため、引渡し時期が確定したら、早めに引越し業者へ見積もりを依頼しましょう。
また、不用品の処分も行政の粗大ごみで捨てたり、買取業者に連絡したりして、処分費用がいくらかかるか確認する必要があります。

さらに、物件によってはハウスクリーニング費用がかかることもあります。マンション内の汚れがひどい場合は、その汚れをクリーニングする前提で売買契約を結ぶ場合もあります。その辺りは、買主様・不動産仲介会社の担当者と相談する必要がありますので、覚えておきましょう。

マンション売却後の確定申告の方法~適切な税金を支払うために~

マンション売却後の確定申告の方法~適切な税金を支払うために~

次に、マンション売却後の確定申告について、確定申告する方法などを詳しく解説していきます。

確定申告とは何か?

確定申告とは、所得があることを自ら申告し、その所得に課せられる税金を納税することです。会社員であれば勤務先が代わりに納税(源泉徴収)してくれるので、確定申告する必要はありません。しかし、マンション売却で発生した所得は自分で確定申告する必要があります。

マンション売却における所得の計算方法

マンション売却において、上述した譲渡所得が発生したときには確定申告が必要です。つまり、マンションを売却して「譲渡所得(≒マンションの売却益)が発生したかどうか」という点が、確定申告が必要かどうかを決めるということです。

そんな譲渡所得の計算式は以下になります。

  • 「所得(課税譲渡所得)=譲渡価額(売却額)-取得費-譲渡費用」

上記の計算式で譲渡所得がプラスになるということは、そのプラスになった金額に譲渡所得率をかけた税金が発生するというわけです。そんな「譲渡所得の計算式」について詳しく見ていきましょう。

取得費とは?

取得費とは、具体的には以下です。

  • マンションの購入時費用-減価償却費
  • マンション購入時の諸費用

マンションの購入費用とは、当時マンションを購入した金額です。なお、減価償却費用については次項で詳しく解説します。また、マンション購入時の諸費用とは、仲介手数料・登記関係費用・不動産取得税などを指します。

減価償却費とは?

ここでいう「減価償却費」とは、簡単に言うと「耐用年数に応じて価値が下落した分を差し引く」という意味です。仮に、2010年に2,500万円(建物価格)で購入したマンションを、2020年に売り出すとします。

その場合、築10年経過しているので、マンション購入価格の2,500万円から、10年経過して劣化した分、つまり減価償却費の相当額を差し引く必要があるのです。減価償却費の計算方法は複雑なので、不動産仲介会社に算出してもらうか、国税庁の「確定申告作成コーナー」というサイトを利用して計算するとよいでしょう。

譲渡費用とは?

譲渡費用とは、そのマンションを売却(譲渡)する際の諸費用のことです。具体的には、売却時に支払う仲介手数料や印紙税などが譲渡費用になります。

確定申告が必要なケースと不要なケース

確定申告が必要なケースと不要なケース

では、次に確定申告が必要・不要なケースである以下について解説します。

  • 譲渡所得がプラスのとき:確定申告が必要
  • 特例を利用するとき:確定申告が必要
  • 譲渡所得がマイナス:確定申告は不要だが確定申告した方がよい場合がある

譲渡所得がプラスのとき:確定申告が必要

譲渡所得を計算してプラスになった場合は税金が発生するので、確定申告をして納税しなければいけません。マンションが住居用・投資用に関係なく確定申告が必要であり、確定申告をしないと延滞税が加算されるので注意しましょう。

特例を利用するとき:確定が必要

また、もう1つ注意しなければいけないのが、次章で解説する以下の特例を利用するときです。

  • マイホームを売った時の特例(3,000万円の特別控除)
  • 保有期間が10年以上の場合の軽減税率の特例
  • マイホームを買い替えたときの特例

特に、自宅マンションを売却したときには「マイホームを売った時の特例」を利用するケースが多く、この特例を利用することで大きなメリットがあります。しかし、この特例を利用するためには確定申告が必要なので、その点もきちんと認識しておきましょう。

譲渡所得がマイナス:確定申告は不要だが確定申告した方が良い

譲渡所得がマイナスのときは所得が発生していないため、確定申告は不要になります。しかし、以下の条件などを満たしていれば、譲渡損失をほかの所得と合算することが可能です。

  • マイホームの売却であること
  • 長期保有であること(譲渡の年の1月1日における所有期間が5年を超える)
  • 家屋の床面積が50平方メートル以上あること
  • マンション取得時の住宅ローン借入期間が10年以上であること

たとえば、譲渡損失が200万円出たとき、給与等で発生した所得が700万円であれば、合算することで所得合計が500万円(700万円-200万円)まで下がり、所得税が節税できるというわけです。
また、引ききれなかった分は、3年にわたって繰り越すことができます。詳しい条件については、国税庁のWebサイトをご覧ください。

マンション売却後の確定申告の流れ

マンション売却後の確定申告の流れ

次に、マンション売却時の確定申告の流れについて解説していきます。

確定申告の時期

確定申告は、マンションを売却した翌年の2月16日~3月15日の間に行いますが、土日祝日によって期間は変わるので確認が必要です。たとえば、2020年1月1日~12月31日にマンションを引渡した場合は、2021年2月16日(火)~3月15日(月)になります。

必要種類の準備

譲渡所得が発生して納税する際の確定申告は、以下の書類が必要になります。

  • 確定申告書や納付書用紙:税務署
  • 譲渡所得の内訳書:税務署
  • マンション譲渡時の書類:手元にある
    1.売買契約書のコピー
    2.売買代金受取書のコピー
    3.固定資産税精算書のコピー
    4.仲介手数料など譲渡費用の領収書コピー
  • 取得時の資料:手元にある
    1.売買契約書のコピー
    2.売買代金受取書のコピー
    3.固定資産税精算書のコピー
    4.仲介手数料等取得費用領収書のコピー
  • 譲渡した土地や建物の全部事項証明書:法務局

上記の「手元にある」となっている書類に関しては、マンション売却時に手元に残しておくべき書類になります。

税務署への提出方法

確定申告書類を作成したら、以下3通りのいずれかの方法で管轄の税務署へ提出します。

  • 税務署へ持参
  • 税務署へ郵送
  • e-taxの利用

税務署へ持参・郵送する際は、確定申告書類は2部用意しましょう。そうすれば、1部は受領印を付けたものを取っておくことができるので、その書類を手元保管用することが可能です。
郵送の場合は返信用封筒に切手を貼って同封の必要があります。また、e-taxで申告するには一度税務署へ行き、IDとパスワードを発行する必要があります。ただ、一度発行すれば次年度以降も利用できます。

確定申告の詳細に関しては、以下のページをご覧ください。
不動産売却・一括査定コラム:不動産売却で確定申告が必要になるケースと受けられる控除について

マンション売却後の税金と、その計算方法

マンション売却後の税金と、その計算方法

最後に、マンション売却後の税金とその計算方法に関して、以下3つの特例を解説します。

  • マイホームを売ったときの特例(3,000万円の特別控除)
  • 保有期間が10年以上の場合の軽減税率の特例
  • 買い替えの特例

マイホームを売ったときの特例(3,000万円の特別控除)

マイホームを売ったときの特例は「3,000万円の特別控除」ともいわれており、譲渡所得を3,000万円控除してくれる特例です。
つまり、上述した「所得(課税譲渡所得)=譲渡価額(売却額)-取得費-譲渡費用」という計算式で譲渡所得がプラスでも、その譲渡所得から3,000万円を差し引くことができるというわけです。

マイホームであるマンションを売却したときに、譲渡所得が3,000万円超になるケースは少ないので、この特例を利用できれば譲渡所得がゼロになるケースが多いでしょう。
また、3,000万円で差し引けなかった部分には税金がかかるので、計算式としては以下になります。

  • 譲渡所得税=(課税譲渡所得(長期/短期)-3,000万円)×譲渡所得税の税率

ただし、この特例を利用するのは、「投資用ではなくマイホームの売却」や「買主様と特別な関係(近親者)ではない」などの諸条件があります。詳細を知りたい方は、以下のページをご覧ください。
特別控除とは不動産の成約価格が3,000万円以下なら税がかからない仕組み

保有期間が10年以上の場合の軽減税率の特例

上述したように、長期保有か短期保有かによって譲渡所得税率は異なります。さらに、保有期間が10年以上の場合で一定の要件を満たす際には、以下のように税率は軽減されます。

  • 譲渡所得金額が6,000万円以下の場合:譲渡所得×10%(税率)
  • 譲渡所得金額が6,000万円以上の場合:(譲渡所得-6,000万円)×15%(税率)+600万円

たとえば、譲渡所得が500万円であり、上記の特例が利用できれば譲渡所得税は50万円(500万円×10%)です。一方、上記の特例が利用できないと、長期保有で1,015,750円、短期保有で1,981,500円という税額になります。

詳細は以下のページをご覧ください。
マンションを購入してから5年以内に売却すると税金が高くなる!?

買い替えの特例

また、居住用不動産の売却時に、「買い替え」が発生した場合にも特例があります。内容としては、マンションの売却によって譲渡所得税が発生しても、その税額を将来にわたって繰り延べることができるという特例です。

たとえば、マンションを売却して2,000万円の譲渡所得が発生したとします。本来であれば、この2,000万円に譲渡所得税が発生しますが、このケースでは新たに5,000万円のマンションを購入する(買い替え)としましょう。
その場合、2,000万円の譲渡所得に発生する税金は、5,000万円で購入した新しいマンションを売却するまで繰り延べされます。

つまり、5,000万円で購入したマンションを売却したときに譲渡損失がでれば、1,000万円の譲渡所得と相殺して所得ゼロにできる可能性があるというわけです。

この特例は「マイホームを売ったときの特例」とは併用できなかったり、結局税金を繰り越しているだけだったりという内容なので、利用するケースは多くありません。

詳細を知りたい方は国税庁のWebサイトをご覧ください。

まとめ

マンション売却は、ここで解説したような「具体的な流れ」や「注意点」を理解したうえで、時間に余裕をもって進めましょう。また、マンション売却の成功は不動産仲介会社の手腕にかかっているところもあるため、一括査定を利用して、実績があり信頼できる不動産仲介会社と媒介契約を結ぶことをおすすめします。
もしマンション売却を検討している場合はすまいValueを利用してみてはいかがでしょうか。

<監修者>

中村昌弘

宅地建物取引士

都内大学を卒業後に新卒で上場ディベロッパーに就職。マンションの販売・企画・仲介などを経て2016年に独立。独立後は、不動産事業としては主にマンション売却のコンサルタントに従事している。

伊藤英佑

税理士

大手監査法人勤務後、2005年に伊藤会計事務所開業。資産活用全般やライフプラン向上を見据えた総合的なコンサルティングやフィナンシャルサービス等を個人・法人へ提供している。

  • ※本コンテンツは公開日時点での法制度に基づいて作成しています。
  • ※実際の取引での法制度の適用可否については、税理士・税務署等にご確認のうえ判断してください。

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