マンションを売却するには、いくらで売り出すかを決める必要があります。そのためにそのマンションがどのくらいで売れそうか、事前に調べる必要があります。ここでは、マンションの売却の流れを解説するとともに、査定の重要性や査定の手順、査定の注意点などについて解説します。
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マンションを売却するにあたっては、まず「売出価格」を決めるわけですが、売主様が希望する価格で売れるとは限りませんので、不動産仲介会社がプロの視点で値付けを行います。これが「査定」と呼ばれるものですが、マンションの売却にはなぜ査定が必要なのでしょうか。
不動産には一つとして同じものが存在しないので、「一物一価の法則」は成立しません。区分所有建物であるマンションも階数や部屋の向き、間取り、管理状況などによって価格は異なります。このように不動産物件には「個別性」があり、立地条件や物件自体の特徴をふまえて、物件ごとに価格の設定をする必要があります。
したがって、マンションの売却も客観的なデータだけで価格を正確に査定することはできません。個別の特徴が変われば価格が変わります。
不動産は、同じ物件であっても取引する時期が変われば価格も大きく変わるという特徴があります。同じマンションであっても、取引する時期によって、経済的要因や社会的要因が影響して価格が大きく変わる場合があります。
一例を挙げると、消費税が引き上げられた2019年10月には、駆け込み需要が高まったことでマンション価格が上昇しています。1年前には5,000万円で買えたマンションが6,000万円になるというのは珍しい話ではありません。
したがって、マンションの販売価格を判断する場合には、市場全体の動向もふまえて、取引時期に応じて検討する必要があります。
査定には机上査定と訪問査定の2種類あります。机上査定は簡易査定とも呼ばれ、物件を実際に見ることなく、査定価格を算出する方法です。物件情報、公示価格、周辺取引事例、市場動向などを考慮し、机上で価格を算出します。Webサイトなどを経由して簡単に査定を依頼できるのが特徴で、査定からおよそ1~2営業日ほどで査定結果を知ることができます。
一方、訪問査定は不動産仲介会社がプロの目で物件を実際に確認し、客観的な視点で価格を算定します。一般的には簡易査定した後に訪問査定を行いますが、簡易査定をせずに訪問査定してもらうことも可能です。訪問査定は、物件の共用部と室内の劣化具合や周辺環境などをチェックし、査定価格を算出します。
机上査定だけでは正確な価格設定はできません。正確な価格設定には訪問査定は必須で、現地を訪問し、土地の形状や接する道路の状況、上下水道や電気ガスなどの整備状況、物件の外観や室内の状態、建物以外の外構や付帯設備の状況、改修や修繕の履歴などを細かくチェックし、精度の高い価格算定を行います。
そのため、訪問査定の場合、現地確認の日に立ち会う必要があり、また、物件の登記簿謄本、測量図などの各種図面、登記済権利証などの準備も必要です。マンションを本格的に売却しようとする場合、訪問査定は必須と言えます。
マンションを売却する場合の査定の手順・流れについて、順を追って説明します。
まず、売る予定のマンションがいくらで売れるのかを知るために、おおよその相場を把握します。所有するマンションと似たような条件の物件を不動産ポータルサイトなどで調べます。
次に、不動産仲介会社に査定を依頼する場合に必要になる資料を準備します。必要な資料は以下のとおりで、マンションの間取図や重要事項説明書、マンションを購入したときに受け取ったパンフレットなどです。
【必要な書類】
書類の準備ができたら、不動産仲介会社に査定を依頼します。その際、1社だけではなく、複数の会社に依頼することが大事です。
複数の会社に依頼するのは面倒と感じるかもしれませんが、不動産仲介会社の査定では、会社によって重視するポイントが異なるので、複数の不動産仲介会社に査定を依頼すれば、査定結果も異なります。その結果を比較すれば、正確に査定を行っているかどうかが分かり、不動産仲介会社の良否も判断できます。
不動産仲介会社に査定を依頼しても、査定は無料で行ってもらえるのでできるだけ多くの会社に査定してもらうことをおすすめします。
依頼したい不動産会社がなく、1社ずつあたって査定依頼をするのが手間と感じる方は、不動産一括査定サイトを利用するという方法があります。不動産一括査定サイトの「すまいValue」では、査定依頼フォームに入力すれば信頼できる不動産大手6社に簡単に依頼することができます。
不動産仲介会社に机上査定を依頼すると、不動産仲介会社は物件の広さや築年数などの不動産の個別のデータや過去の取引事例などと比較して査定額を出します。この机上査定はさほど時間がかかりません。通常1~2日で不動産仲介会社から結果の連絡があります。複数社に依頼していれば、その結果を比較して訪問査定の依頼先を決めます。
机上査定をもとに現地を調査するのが訪問査定です。訪問査定は、売却予定のマンションを不動産仲介会社の担当者が訪問して、物件の詳しい状況を確認する査定方法です。書類やデータではわからない室内や近隣などの状況を加味した査定で、より適正な査定価格を得るために、複数社に依頼するのがおすすめです。
依頼先が決まったら、訪問査定を依頼する不動産仲介会社と訪問日時を決めます。訪問時間は1時間程度を見ておけばいいでしょう。
訪問査定では、不動産仲介会社の担当者が詳細に現地調査を行うので、売主は調査に立ち会う必要があります。現地調査では、物件の立地条件や外観、駐車場の確保など付帯設備の状況、部屋の日照条件、眺望、風通し、経年劣化の程度、設備の状態、改修や修繕状況、耐震基準への対応などを確認して査定を行います。
また、現地調査は、不動産仲介会社に物件について気になる点や売却の希望条件などを相談するいい機会になるので、遠慮なく相談しましょう。査定結果は5日ほどで連絡されます。
不動産仲介会社が訪問査定を行う際に、書類の確認を行います。その際に必要な書類は以下のとおりです。
不動産仲介会社は、訪問査定から数日後に査定結果を報告してきます。訪問査定の結果をもとに、実際に仲介(媒介)を依頼する会社を決定することになるので、査定価格の根拠について、説明してもらい、その査定価格が妥当なものかどうかを確認しましょう。
一方で、例えば「最近、近くで同じようなマンションの成約実績がある」「成約実績が豊富でノウハウが蓄積されているエリアである」などの根拠があれば、査定価格が他社より高くても信用できるでしょう。
ここで、マンション査定方法について詳しく見てみましょう。
不動産の査定価格の決め方には、次の3つの方法があります。
①取引事例比較法
査定する物件と同じような条件で実際に取引された事例をピックアップして、それをもとに査定価格を算出する方法です。この場合の条件は、駅までの距離、築年数、周辺環境、方角や階数などになります。
②原価法
査定する物件を再建築した場合の価格を算出し、その価格から築年数による価値低下を加えて調整するという査定方法です。戸建ての査定価格の算出や金融機関での不動産の担保価値の算出に利用されています。
③収益還元法
主に投資用物件に利用される算定方法で、査定する物件を運用した場合に、今後得られる収益から還元して査定価格を算出する方法です。
マンションの場合は、基本的に取引事例比較法で査定します。不動産仲介会社は、不動産仲介会社のみ閲覧できるREINS(レインズ)というコンピューターネットワークシステムを利用して、成約事例をピックアップします。その成約事例を基に「今回査定するマンションに当てはめると〇〇万円が妥当」という考え方で査定価格を算出します。
その成約事例を基にした見解の違いによって査定金額が異なることがあります。そのため、複数の不動産仲介会社へ査定依頼を行い、査定価格を比較することが重要だといえます。
では、マンションの査定を受ける場合に、どのような点に注意したらいいでしょうか。ここでは、査定の際の注意点について説明します。
物件の不具合(瑕疵)を隠したりせず、正直に伝えることが重要です。不動産仲介会社へマイナスポイントを共有せずに売却を進めると、契約内容に適合しないことが売買契約後に発覚するケースがあります。その結果、売主様は契約不適合責任を問われて売買契約が取り消しになったり、買主様から売主様へ修理、補修・損害賠償、代金の減額を請求されたりするリスクがあるのです。例えば、水漏れや給排水管の損傷などが考えられます。
反対に、リフォームや修繕、設備の交換などをしていれば、建物の価値を上げるセールスポイントになります。エレベータなどの共用部分の設備の更新も含まれます。
マンションが購入時から大きく変化した部分があれば、不動産仲介会社にきちんと伝えておきましょう。
スムーズに売却を進めるには、査定時に不動産仲介会社に売主の希望や意思をきちんと伝えることがポイントになります。
例えば、希望する売却価格があれば、不動産仲介会社に伝えます。希望価格が相場から多少かけ離れている場合も、試しに売ってみるというチャレンジ価格による売却もできます。
また、いつ頃までには売却を済ませたいなどの条件があれば、そのことも伝えます。住み替えのためにすぐにマンションを売却したい場合、多少価格を下げて売る必要があります。場合によっては、マンションの状況次第ですが、不動産仲介会社から買取を提案されることもあります。
価格査定は必ず複数社に依頼しましょう。これは、不動産仲介会社によって査定価格が異なるからです。場合によっては、数百万円も異なることがあります。
査定価格が異なる理由の一つは、不動産仲介会社は条件が似ている物件の成約事例をピックアップして査定しますが、その成約事例から査定価格を算出する際の見解が各社ごとに異なるためです。
また、不動産仲介会社には、それぞれマンションや戸建て、土地など得意分野があります。依頼したいと考えている不動産仲介会社がマンションの販売に豊富な実績を持っているかどうかを、依頼する前にホームページなどで確認するようにしましょう。
マンションを売却する場合に、リフォームをしたほうがいいのではと考える向きもありますが、必ずしもその必要はありません。その理由は、リフォームをしても、価格にその費用が上乗せされることはほとんどないためです。マンションの売却価格は築年数や面積、アクセスなどで決定されるので、結果的には、損をすることが多くなります。
加えて、中古マンションを購入する場合、自らリフォームをしたいという買主様が多いことも理由のひとつです。リフォームは入居する家族の趣味や嗜好に合わせて行われることが多く、新築同然まできれいにする場合もあります。
また、専門業者によるハウスクリーニングですが、同様の理由から引渡し時には不必要です。ただし、内見時には清潔にしておいたほうが印象が良くなりますのである程度必要です。専門業者に依頼してもかまいませんが、ご自身で掃除をされる程度でも十分でしょう。
ここまで、マンション査定の必要性と、査定を受ける際の注意点などを解説してきました。売却活動は、マンションの正確な相場価格をつかんだうえで進めましょう。正確な査定価格を出すためには、不動産一括査定サービスを利用し、実績が豊富で信頼できる不動産仲介会社と媒介契約を結ぶことをおすすめします。「すまいValue」では、査定依頼フォームの簡単な入力で大手不動産会社6社に一括査定を依頼することができます。この機会にぜひご活用ください。
公認 不動産コンサルティングマスター・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
株式会社 髙野不動産コンサルティング 代表取締役、株式会社 アーキバンク 取締役。不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、不動産ファンドのAM事業部マネージャーとして従事。現在は不動産コンサルティング会社を立ち上げ、投資家や事業法人に対して不動産コンサルティングを行いながら、建築・不動産の専門家で形成される株式会社アーキバンクの取締役として、業界において革新的なサービスを開発・提供している。
中村 昌弘
宅地建物取引士
都内大学を卒業後に新卒で上場ディベロッパーに就職。マンションの販売・企画・仲介などを経て2016年に独立。独立後は、不動産事業としては主にマンション売却のコンサルタントに従事している。
酒向 潤一郎
税理士
J’sパートナー総合会計事務所(酒向潤一郎税理士事務所)にて、税理士として会計事務所の経営を行う一方で、一部上場IT企業の幹部や投資会社の監査役などを務める複業税理士。最近では開業・副業コンサルに注力。会計専門誌などにも複数寄稿している。
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