任意売却とは? 流れやメリット・デメリットについて解説!

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任意売却とは? 流れやメリット・デメリットについて解説! 任意売却とは? 流れやメリット・デメリットについて解説!

コロナ禍による収入減少など、住宅の購入時には想定できなかった理由で、毎月の住宅ローン返済に困ることがあります。まずは金融機関に相談することが先決ですが、解決策のひとつに「任意売却」という手法があります。任意売却の流れやメリット、デメリットを解説します。

任意売却とは? 普通の売却や競売との違いは

任意売却とは? 普通の売却や競売との違いは

住宅ローン返済が困難になったとき、自宅はどうなるのでしょうか。ローン融資の際に説明を受けたかもしれませんが、自宅には金融機関による抵当権が設定されているため、支払いが滞り続けると自宅は差し押さえられ競売にかけられ、退去を余儀なくされます。これを食い止め、よりダメージを少なくして自宅を売却する方法はないのでしょうか。

住宅ローン返済に困った人が検討するべき「任意売却」と「競売」という手法

リストラ、病気、離婚・・・・・・。最近ではコロナ禍による収入減少など、住宅の購入時には想定できなかった理由で毎月の住宅ローン返済に困り、滞納に及んでしまうことがあります。

また、従来の返済額では生活に影響が出るなら、返済計画の見直しを相談することもできます。しかし、滞納が連続して3~6ケ月に及び、なんの対応もしないままですと、住宅ローンを融資した金融機関は「競売」という手続きに入ります。

ただ、競売になった場合、情報が公開されるだけでなく、資金を受け取ることもできずに強制的に自宅から退去をしなければならないことが多いため、精神的にも社会的にもダメージを受けます。

しかし、競売の手続きに入られる前に、金融機関に相談することで「任意売却」という手続きに変えることができます。任意売却だと、通常に近い形態での売却が可能になりますし、場合によってはそのまま住み続けることもできます。

任意売却は金融機関の了承のうえで物件を売却すること

通常、自宅を売る際は自分の判断だけで売却ができます。このとき、売却金額がローン残債を上回れば問題はありませんし、下回れば自己資金を追加して残債の清算にあてることになります。

一方、任意売却ではローン融資先の金融機関と話し合いをしたうえ、売却には同意が必要になります。売却価格がローン残債を下回り、残債を一括で清算できない状況では、抵当権は外せません。残債の未払い状態で抵当権を外し、残債を分割で支払っていくため、金融機関の同意が必要となります。

任意売却は競売よりも多くの回収が期待できるため、金融機関は任意売却を認めるのです。

競売は金融機関が問答無用で抵当権を行使すること

ローンを融資した金融機関には、融資金の返済が滞ったとき、物件を強制的に差し押さえて競売にかけ、融資金を回収することができる権利があります。これを抵当権といいます。

通常、滞納3~6ケ月でローンを分割で返済できなくなり、その後、1~3ケ月で窓口が金融機関から保証会社に変わります。この後、裁判所から「競売開始決定通知」が届きます。1~2週間で裁判所の執行官により自宅の調査が行われます。5ケ月以内に裁判所から「期間入札」の通知が届くと自宅の競売が公告され、1ケ月半くらいのうちに期間入札がスタートします。

ここまでの期間なら任意売却に切り替えることができますが(銀行の判断による)、その後はもう競売手続きを止めることはできません。落札者に所有権が移ると、自宅から強制退去となります。

任意売却を検討するべき人とタイミングとは?

任意売却を検討するべき人とタイミングとは?

上記のように強制退去となる競売は避けられるものなら避けて、任意売却に切り替えたいものです。では、任意売却を検討すべき人はどんな方で、検討すべきタイミングはいつなのか、解説します。

収入がローン返済に追いつかない

任意売却を検討するべき人でありがちなのが、勤務先の業績悪化によるリストラやボーナスカットなどで収入が激減してしまい、毎月のローン支払いが追いつかなくなるケースです。このほか、病気になって以前のように働けなくなってしまった、ペアローンを組んでいた夫婦が離婚してしまい、支払いが一方だけになってしまったなどのケースがあります。

このほか、住人税や固定資産税などを滞納して役所から自宅を差し押さえられてしまったというケースも該当します。このような状況に陥ったら、できるだけ早く融資先の金融機関に相談し、安定してローン支払いを続けられそうにないならすぐに任意売却の検討に移るべきでしょう。

売却価格がローン残高を下回る

また、自宅の地価や資産価値が下落して、売却金額がローンの残債を下回るのに、差額分を現金一括で支払うことができない人が任意売却を検討すべき方に当てはまります。

通常、住宅ローンの残額を清算できない場合は抵当権を外すことはできないのですが、競売にかけると通常の売却よりも回収できる金額は相場の2~3割低くなってしまう場合もあるため、金融機関としても競売は避けたいと考えています。任意売却になると、売却価格は金融機関が決め、残債の支払い方法は話し合いによって、分割払いとなります。

金融機関や裁判所から通知が来た

前述のように、滞納を放置していると金融機関や裁判所から通知が来ます。ローン支払いの督促状が来ている段階ならまだ軌道修正が可能ですが、滞納が3~6ケ月を過ぎた後に金融機関から保証会社に変わったことを知らせる通知や裁判所からの「競売開始決定通知」が届く頃には、もう任意売却か競売しか選択肢は残されていません。

その後、裁判所から「期間入札」通知が届き、入札が開始されます。開札前なら任意売却への移行は可能な場合があります。

任意売却のメリット

任意売却のメリット

任意売却は競売と比べてどんなメリットがあるでしょうか。主なものを解説します。

売主様の情報は非公開なので競売より高く売れる可能性

競売の場合、裁判所の職員が自宅を調査し、物件に関する情報が専用サイトで公開されます。所有者の名前は伏せられますが、おおまかな住所や居室の面積、内観写真などはネットで誰でも見られます。このため、入札金額も市場価格の7~8割前後と低くなってしまいます。

一方、任意売却の場合は、通常の不動産取引と同様に、不動産会社をつうじて売却情報が発信されます。任意売却物件であることは公開されません。このため、よい条件を示してくれた買主様を選ぶことができ、競売よりも市場価格に近い価格で売却できます。

ただ、前述のとおり、任意売却の場合は通常の売却と異なり、売却価格は売主様が自由に設定することはできません。住宅ローンの債権者である金融機関がより高く、より早く売れそうな価格を定めます。早さが優先された場合、売主様の希望とは反して売却価格が安くなる可能性があることは押さえておきましょう。

引越し費用など諸費用は売却金から出せる

住まいを通常の方法で売却するとき、不動産会社に支払う仲介手数料や登記費用、固定資産税の支払い、引越し費用などもろもろ含めると、売却価格の4~5%程度の諸費用がかかるとされます。3,000万円のマンションの場合、120万~150万円程度となります。

しかし、任意売却を検討している方にとって、数百万円におよぶまとまった現金を一括で準備することは難しいのではないでしょうか。任意売却の場合は、債権者である金融機関に支払う売却代金の中から、この諸費用が必要経費として認めてもらえます。引越しまでが完了しないと売却が成立しないという考え方から、金融機関の多くが自宅の売却金額から引越し代(生活準備金)を差し引くことを認めているのです。

このため、引越し費用や未払いの固定資産税を支払う現金が不足していても、任意売却をすることは可能です。

任意売却後に住み続けることもできる

任意売却といえば、退去が前提のケースが大半ですが、中には「子供に転校させたくない」「両親が高齢で引越しは負担」「住み慣れたわが家を離れたくない」などの理由で住み続けることを希望する方もいるかもしれません。そういった方にとって朗報なのが、任意売却は売却先によっては住み続けることもできるということです。

任意売却では売却先を選んで交渉することができます。近親者に購入依頼をして交渉すれば、家賃を支払うことで住み続けることができるかもしれません。

また、「リースバック」といって、自宅を不動産投資会社に一括で購入してもらうと同時に賃貸契約を結ぶことで、そのまま住み続けることができます。

任意売却のデメリット

任意売却のデメリット

任意売却は競売と比べてどんなデメリットがあるでしょうか。主なものを解説します。

ローン滞納が連帯保証人に知られることも

住宅ローンを組む際に連帯保証人を求められた人の滞納期間が3ケ月を超えると、本人が支払いの督促を受けるだけでなく、連帯保証人にも連絡がいきます。

さらに、任意売却を行うとき、同意が必要になるのは金融機関だけでなく、連帯保証人も同様です。ここで、連帯保証人から同意が得られないと、手続きは止まってしまいますので、事前に同意を取り付けておかなければなりません。

金銭トラブルは人間関係に大きな影響を与えます。任意売却に手を出したことを他人に知られることの精神的負担は大きなものになるかもしれません。

いわゆる「ブラックリスト」入りも

一般に住宅ローンを3回以上滞納すると、信用情報機関の個人信用情報に滞納履歴が事故情報として登録されます。これがいわゆる「ブラックリスト」と呼ばれるものの正体で、事故情報が登録されると、通常5年間は金融機関から融資を受けたりクレジットカードを作成したりができなくなるとされています。

こうなると社会生活で不利益を被ることになります。「任意売却をしたらブラックリストに載る」ということではなく、そういう状況になるまで滞納を放置していると「ブラックリストに載る」のかもしれませんが、いずれにせよ、滞納を放置しないようにすることが必要です。

任意売却の流れと期間

任意売却の流れと期間

任意売却の流れを表にまとめました。早ければ、相談から自宅引き渡しまで半年程度のようです。

任意売却の流れ 1 金融機関への相談と現状の把握 数日
2 不動産会社へ売却依頼と価格設定 1~2週間程度
3 金融機関など債権者との交渉 1~3ケ月程度、その後も継続
4 販売活動開始 3ケ月前後
5 売買契約の締結 1ケ月前後
6 決済、引き渡し 1ケ月前後
7 新生活、残債務の返済 場合によっては数年~

※流れはあくまで目安です。

競売に入られる前に任意売却の相談を

任意売却を望んでも、自らローンを融資した金融機関に申し出をしなければ自動的に競売になってしまうことに注意しましょう。競売の手続きに入られる前なら任意売却に移行できますが、早いに越したことはありません。少しでも不安を感じたら、まずは金融機関に相談することが大事です。

最後の確定申告も忘れずに

任意売却で自宅を売却して譲渡所得(売却価格が取得費と諸費用の合計を上回った場合)が出た場合、確定申告をする必要があります。これは通常の売却と同様です。

一方、譲渡損失が出た場合、確定申告は必要ではありません。しかし、ほかの収入と損益通算すれば、所得税と住民税を減らすことができます。このため、いずれにしても確定申告はやっておきましょう。

任意売却後の残債整理の方法

売却できた場合、売却代金は自由にすることはできません。債権者である金融機関との協議によって、全額を返済に充てなくてはなりません。

まず、不動産売却にかかる仲介手数料や登記費用などの諸費用を差し引かれます。マンションの管理・費修繕積立金、固定資産税なども滞納していた場合は、ここから支払うことが認められています。

さらに、手持ち資金がない場合は引越し代や賃貸住宅への敷金などとして30万円前後を売却代金から融通してもらえることがあります。

こうして残った住宅ローンは分割返済となります。その時点での収入や生活状況が考慮され、家計を圧迫しすぎないよう一般に月額5,000~3万円くらいの金額で返済するパターンが多いようです。

任意売却をするときの注意点

任意売却をするときの注意点

任意売却は競売を回避するためにもできるだけ早く検討すべき手段ですが、以下の3つの注意点があります。

任意売却をすると決めたらすぐに始める

前述のとおり、住宅ローンを滞納し、何の対応を取らないままでいると、自動的に競売手続きに入られます。以前のように住宅ローンを支払っていける状況に戻れるという確信がない場合はすぐに任意売却の手続きに入りましょう。やると決めたら早ければ早いほうがメリットが増えます。

住まいの場合、土地の価格はその時点の国内の経済状況などによって変動がありますが、建物部分に関しては年数がたつほど価値が下落していきます。このため、資産価値の下落が進まないうちに早く売却活動を始めた方が賢明です。また、任意売却をすると決めるまでの期間によっては、競売が実行されるまで時間が残されていないことがあります。思い立ったらすぐ行動に移しましょう。

不動産会社選びは慎重に

任意売却を行う際には、物件を仲介する不動産会社選びも重要です。任意売却物件での実績の多い不動産会社を選びましょう。任意売却は通常の不動産取引よりも、法律の知識や経験が問われることが多くなるからです。

売却価格の設定は金融機関が行いますが、不動産会社の売出方によっては売却期間が長くなることがあります。そうなると、内覧対応などに時間を取られることになるので、可能なかぎり早く売ることができる不動産会社を選ぶことが求められます。

任意売却を行うために不動産会社に特別な資格は必要ありません。このため、どの不動産会社でも任意売却を扱うことはできます。ただ、前述のように法律の知識に強いことが求められるため、弁護士や司法書士など法律の専門家と業務提携しているかも確認しておきましょう。

マンションは管理費を清算する

マンション住まいの方で住宅ローンの支払いを滞納してしまった方の多くが、毎月、マンションの管理組合に支払わなければならない管理費と修繕積立金も滞納しているという実態があるようです。管理費と修繕積立金に滞納があると、任意売却で自宅を購入してくれた方に債務が継承されてしまいます。このため、売却代金で必ず精算する必要があることを忘れないでおきましょう。

まとめ

以上、住宅ローンを滞納して、その後の対応をしなかった方が競売を回避するための手段である任意売却について説明してきました。競売になるよりはるかにダメージは少ない任意売却にですが、やはりメリットとデメリットはあります。それらをよく把握した上で、ご自分の状況に合った売却方法を進めていくことが大切です。

<監修者>

髙野 友樹

公認 不動産コンサルティングマスター・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

株式会社 髙野不動産コンサルティング 代表取締役、株式会社 アーキバンク 取締役。不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、不動産ファンドのAM事業部マネージャーとして従事。現在は不動産コンサルティング会社を立ち上げ、投資家や事業法人に対して不動産コンサルティングを行いながら、建築・不動産の専門家で形成される株式会社アーキバンクの取締役として、業界において革新的なサービスを開発・提供している。

  • ※本コンテンツは公開日時点での法制度に基づいて作成しています。
  • ※実際の取引での法制度の適用可否については、税理士・税務署等にご確認のうえ判断してください。

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ご回答ありがとうございました。

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