
結論から言えば、一般的には更地の方が売れやすいと考えてよいでしょう。
更地ならば用途の幅が広く、たとえば住宅用であっても一から図面を引くことができます。商業地であれば、ビルを建てたり駐車場にしたりと、目的に合わせた利用が可能です。
また、日本のように国土が狭い国では、更地は希少です。
日本では、木造戸建住宅の耐用年数が22年と定められているため、木造の戸建住宅は築20年前後で資産価値が失われていきます。そのため、更地にすることで需要が高まる可能性もあるのです。
もし今売ろうとしている土地に家が建っており、その家が購入してもそのままでは住めないほど荒れていれば、遅かれ早かれ解体する必要が出てきます。
買う側にしてみれば、住めないほどの家が土地の上に残っていると、たとえ土地が理想的であっても購入にためらいを感じてしまうでしょう。
一方で必ずしも更地にしなくても、古屋付きで売れる土地もあります。
たとえば立地環境がよい土地は、多少古い家屋があっても高い需要があります。古い家がいまだにある場所は、もともと地盤などの環境に恵まれた土地が多く、災害にも強い地域というケースがあります。
開発が進むにつれて住宅地は郊外に広がっていきますので、実は古い住宅街ほど交通の便がよいなど好条件の場所であることも多いのです。
また、家自体が古くてもまだ十分に利用価値がある場合には、わざわざ更地にしなくても売れる可能性が高くなります。住める家が付いているのに、ほぼ土地代だけで購入できるならばお買い得と考えられるのです。
さらに、古い家そのものに付加価値がある場合も考えられます。昨今の古民家ブームを受けて、リフォームを前提に古い家を探している人もいます。
街並みに溶け込んだレトロな外観の家の場合は、更地にするよりもずっと高額で売れる可能性もあります。
いずれ改装するにしても、家がある方が日当たりやレイアウトについてイメージがしやすいという点も含め、更地ではなく家付きを好むケースもあるようです。
もうひとつ大きなメリットは、家付きの土地を購入する方が、住宅ローンが組みやすいということです。通常の住宅ローンは土地だけの購入を対象としていないため、更地の場合は融資が制限されていたり、手続きが煩雑になるケースが存在します。
多少費用をかけても早めに売りたい、あるいは確実に売りたいというのであれば、更地にしてしまうのもひとつの方法です。ただ更地にしても長期にわたり所有し続ける場合には、建物があるときの6倍の課税となるため注意しなければなりません。
木造家屋の解体費用は2万5,000円~4万円/坪が相場となっています。家付きのまま売りに出す手はずでいても、建物の価値がないと判断されれば、成約価格から解体費用分の差し引きを要求されることもあります。
一方でまだ家に市場価値がある場合には、あわてて更地にしてしまうのは考えものです。しかし、その判断基準は立地環境や不動産業界のトレンドなどに影響され、素人ではなかなか判断が難しいところがあります。
建物の価値判断や周辺環境などを考慮し、十分に検討する必要があります。
一般的には更地の方が売れやすいと言われていますが、建物の状態によっては古家付きでも十分に売れる可能性があります。
一方で不動産に魅力がなければなかなか売れず、結局は解体せざるを得ないことも多々あります。
どうしたらよいのか悩む場合には、不動産仲介会社などプロの目で判断してもらうのが確実です。家と土地の価値を不動産仲介会社も交えて客観的な視点で図り、納得のいく売却結果を得られるようにしていきましょう。
家付きのまま売りたい場合には、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
土地を売る時のポイントについて詳しく知りたい方は、こちらもお読みください
小林弘司
不動産コンサルタント/不動産投資アドバイザー
東京生まれ、東京育ち。海外取引メインの商社マン、外資系マーケティング、ライセンス会社などを経て、現在は東京都内にビル、マンション、アパート、コインパーキングなど複数保有する不動産ビジネスのオーナー経営者(創業者)です。ネイティヴによる英語スクールの共同経営者、地元の区の「ビジネス相談員」、企業顧問なども行っています。
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