所有している土地を売却しようとするとき、最初に行うのは査定です。査定は不動産仲介会社が行いますが、査定価格はどのように決まるのでしょうか。今回は土地の価格を知りたい方に向けて、土地の価格を決める基本的な考え方と、査定の流れ、自分の土地の相場を自分で調べる方法について解説します。
ものの値段は需要と供給のバランスで決まってきますが、土地を含む不動産の価格は、他の物品と異なる考え方で決まります。不動産の価格はどのように決まるのか、不動産価格形成の基本的考え方を解説します。また同時に、土地を売却するに際して、なぜ査定が必要なのかもお伝えします。
土地など不動産の特性として、同じものが一つとしてないことが上げられます。
たとえば、私たちがふだん買い物をするとき、多くの商品は値段が決まっています。スーパーでリンゴを買うとき、デパートで靴を買うときなど、同じ商品であれば値段は同じであることが普通です。これを「一物一価の法則」といいます。食品や洋品など一般の商品では、この一物一価の法則が成り立ちます。
しかし一つとして同じものがない不動産ではこの「一物一価の法則」が成り立ちません。
同じ最寄り駅から同じような距離の土地であっても、微妙に広さや形が違ったり、接している道路が違ったりします。同じ場所に同じ不動産が存在することは物理的に不可能なためです。
このように、不動産には「個別性」があるのが大きな特徴です。そのため、その土地ごとに価格の設定をする、つまり査定をする必要があるのです。
不動産の価格は、取引時点が変わると価格も変わる、という特徴があります。
まったく同じ土地であっても、その価格相場が、取引する時期(取引時点)によって、大きく変わってくるのです。
取引する時期が変われば価格も大きく変わるため、不動産の売却にあたっては、時期も含め考慮する必要があります。そのためにも、査定が必要になります。
前述したように土地は一つとして同じものがないため、土地の価格には「定価」はありません。不動産の価格に相場はありますが、株式売買のような市場で決まるのではありません。
不動産の最終的な売買価格は、売主様と買主様が合意した価格になります。これを「相対取引」といいます。査定が必要なのは、この価格をすりあわせる際の裏付けとするためです。
土地の価格を決めるのに欠かせないのが査定です。査定はどのような順序で行われるのでしょうか、基本的な流れを解説します。
査定の前に、所有している土地のおおまかな相場を知り、相場観をつかんでおくことが大切です。相場観がなければ、査定を依頼したときの結果が高いのか低いのかを判断するのが難しくなります。
不動産の相場を調べる方法については後述しますが、下記のサイトを利用するのが便利です。プロでなくともある程度は調べることが可能です。
また、不動産一括査定サイトも相場を確認するのに役立ちます。
土地の相場価格を自分で調べる方法については後述します。
できるだけ正確な査定結果を得るために、実際に査定を依頼する前に、下記の必要書類を準備しておきましょう。
法務局や役所で再発行が必要な場合もあります。余裕をもって準備を進めることをおすすめします。
必要書類を準備したら、不動産仲介会社に簡易査定を依頼します。
不動産仲介会社によって査定の方法や価値を判断する基準、得意分野が違うため、査定結果が異なる場合があります。必ず複数社に査定を依頼することをおすすめします。
といっても、複数の不動産仲介会社に個別にコンタクトを取るのは面倒です。複数の不動産仲介会社に依頼する際には、一度の入力で同時に複数社へ査定依頼が可能な不動産一括査定サイトを利用すると便利です。
簡易査定の結果は、依頼から数日以内にメールなどで送られてきます。査定結果を比較して、売却活動を進めるかどうか検討すると良いでしょう。
売却活動を進める場合は、簡易査定の結果から、どの不動産仲介会社に訪問査定を依頼したいのかを検討します。ここで急いで依頼する会社を決める必要はありません。
簡易査定の結果をもとに、訪問査定を依頼する不動産仲介会社を決めます。実際に現地調査してもらう日時を確定します。
簡易査定同様、訪問査定も無料です。できるだけ複数社に依頼するようにしましょう。訪問査定を依頼したからと言って必ず媒介契約を結ばなければならない、ということはありません。
訪問査定についても不動産一括査定サイトを活用するのが便利です。不動産仲介会社に査定を依頼する場合の注意点は後述します。
訪問査定の当日になったら、現地調査に立ち会います。訪問査定は、不動産仲介会社の担当者が現地で調査を行うもので、通常は1~2時間程度で終了します。
不動産仲介会社の担当者は、土地や周辺環境の現状、交通アクセスなどを把握します。質問をされたらできるだけ正確に回答しましょう。マイナスになるようなことも正直に伝えることをオススメします。隠していると、正確な査定結果は望めません。
訪問査定終了後、結果が出るまでにおよそ1週間程度かかります。
査定結果を受け取ったら、それを元に、売却するかどうか、売却するならどの不動産仲介会社に頼みたいのかを検討しましょう。
相場と比較して安すぎたり高すぎたりする査定結果があった場合は、その根拠について質問しておくことをおすすめします。プロの知見を得ることで自分の所有している土地への理解が深まるため、その後の売却交渉を有利に進めることができます。
所有している土地はどのくらいの価格なのか、売却する場合は売主様があらかじめ知っておくことは売却を成功に導く上でとても大切です。土地の価格の相場を売主様が自分で調べる方法は主に4つあります。それぞれについて解説します。
実勢価格とは実際に行われた売買の価格を言います。
この実勢価格から、所有している土地の地価の相場を調べたい場合に便利なのが、国土交通省が運営している「土地総合情報システム」です。
これは、2006年4月から「不動産取引価格情報提供制度」に基づいて不動産市場の信頼性や透明性を高めるために設置された不動産取引情報サイトで、国土交通省が不動産購入者に対して行ったアンケート調査から、実際に取引された不動産価格の情報が過去5年分掲載されています。
坪単価や取引総額に加え、土地の地目、広さや形状、接道状況などの情報も詳しく載っているため、自分の土地に似た土地を探し、そのエリアの相場はどのくらいかを知るのに便利です。土地の事例だけでなく、建物を含めた取引事例も豊富です。
取引事例を調べるには下記にアクセスして知りたい土地の地図をクリックします。
土地総合情報システムの事例はおおいに参考にはなりますが、注意点もあります。
まったく同じ場所に同じ土地は二つとないため個別要因も影響してくること、売買の取引が少ないエリアでは参考になる例があまり多くないこと、時間の経過による価格変動があること、といった要因も考慮しましょう。
公示地価(地価公示価格)は、地価公示法に基づいて、国土交通省が、毎年3月下旬に発表しているその年の1月1日時点の価格です。
全国の都市計画区域に約2万6000地点の標準地が設置され、1地点につき複数の不動産鑑定士が鑑定調査し、国土交通省の土地鑑定委員会の審議を経て決定される価格です。建物がある場合は更地として、1平米あたりの価格を算出しています。
公示価格は国土交通省が運営するサイト「土地総合情報システム」の「基準地検索システム」で調べることが可能です。
下記サイトにアクセスし、「地価公示・都道府県地価調査」を選択して都道府県から検索します。
公共事業用地を取得する際には公示価格が基準となるなど公的な価値を表しているため、一般の土地取引でも参考価格として利用されています。しかし、通常の土地取引では、売主様と買主様の合意で価格が決まるため、公示価格は参考程度に留めておくのがいいでしょう。
地価公示価格からおおまかな売却相場を調べるには、下記に単価を当てはめて計算します。
売却相場=地価公示価格(m2単価)×土地面積×1.1
相続税や贈与税にかかる土地の価格を計算する際に使われる基準が相続税路線価です。
その年の1月1日を評価時点として、毎年7月1日に発表される路線(道路)に面する宅地の1m2当たりの価格です。
価格を決めるのは国税庁で、不動産鑑定士など専門家による鑑定評価額、識者の意見価格などをもとにしています。
相続税や贈与税にかかわる相続税路線価を調べるには2つの方法のどちらかになります。
路線価を調べる際は、上記サイトにアクセスし、国税庁が提供する「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」を以下の手順で利用しましょう。
路線価の調査対象は「主要な道路に面した土地」です。基準地として評価されていない土地はそもそも路線価が発表されません。
主要道路から離れているなどで路線価図にない土地は固定資産税に一定の「評価倍率」をかけて計算します。評価倍率は上記のサイトで住所から検索できます。
全国地価マップは、一般財団法人資産評価システム研究センターが提供している土地の評価を知ることができるサイトです。
上記サイトにアクセスして「相続税路線価等」をクリックし、住所で検索します。相続税路線価の価格は、地価公示価格の80%程度が目安です。相続税路線価は1m2当たりの価額ですから、相場を知りたい土地の面積をかけて評価額を算出します。
固定資産税評価額とは、固定資産税や都市計画税などの税額を計算する際に用いられる基準価格をいいます。毎年1月1日現在、所有権を登記している人に対して課税されます。また、固定資産税評価額は3年に1回見直し(評価替え)を行います。
固定資産税評価額は毎年4~6月に市区町村(東京23区内にある固定資産については、都が都税として課税)から送付される「課税明細書」に記載されています。もし、この固定資産税課税明細書が見当たらない場合は、「固定資産評価証明書」を市区町村の窓口で取り寄せることも可能です。
固定資産税評価額は、地価公示価格のおおむね70%程度とされています。固定資産税から土地の取引価格を調べるには、以下の計算式を用いて算定します。
固定資産税評価額÷0.7
ただし、住宅地以外の土地や人気のあるエリアについては、上記があてはまらないこともあります。
土地を売却する際には、不動産仲介会社に査定を依頼する必要があります。査定価格や根拠の妥当性を判断するためにも、計算方法を理解しておきたいところです。
不動産の査定価格の計算方法としては「取引事例比較法」「原価法」「収益還元法」の3種類があります。3種類それぞれの概要について見ていきましょう。
1つ目の取引事例比較法は、売却を検討している不動産と立地・面積・築年数・駅からの距離など条件の近い物件における、過去の取引事例を元に査定額を求める方法。対象物件の状況によって、必要に応じた物件補正や時点修正などを行い、最終的な査定額を算出します。
例えば、近隣で再開発が行われたり大規模な商業施設が開業したりして、エリアの人気が高まっているケースなどでは、過去の取引事例に基づく価格にプラス補正がかけられるといった具合です。
2つ目の原価法は、対象となる不動産の再調達原価をベースに試算価格を求める方法です。主に、戸建て住宅などの建物の査定価格の計算に用いられます。
再調達原価とは、査定時点において対象不動産と同様の物件を再度建てようとした場合にかかると見込まれるコストのこと。原価法では、物件の築年数と法定耐用年数に応じて再調達原価を減価修正し、対象不動産の査定価格を求めます。一般的な計算式は次のとおりです。
原価法による積算価格 = 再調達原価 ×(法定耐用年数 − 築年数)÷ 法定耐用年数
建物構造や築年数が同じ条件であれば似通った価格となってしまうため、原価法を用いる場合には、取引事例比較法と同じく物件補正や時点修正などをかけます。
3つ目の収益還元法は、対象不動産が将来生み出すと考えられる収益に着目して試算価格を求める方法。主に賃貸マンションなどの収益物件の価格を算出する際に用いられます。収益還元法には「直接還元法」「DCF法」という2つの手法があります。
直接還元法
対象不動産から年間で得られる利益を還元利回りで割り戻して物件価格を求める方法
DCF法
将来的に得られる利益と売却時の予想価格を、現在の価格に割り引いて、合計を求める方法
不動産査定における3つの査定方法のうち、土地の査定で主に用いられるのが「取引事例比較法」です。
取引事例比較法では、査定対象の不動産と近い条件を持つ事例を集めて、取引価格の事例から対象不動産の事情補正や時点修正を行い、さらに地域的要因及び個別的要因の比較を行ったうえで算出された価格を比較考慮して、対象不動産の価格を求めます。
土地の査定価格には、その土地が位置するエリアの相場のほか、その土地ならではの個別的な要因が大きく関わってきます。土地の査定価格に影響を及ぼす個別的要因にはどんなものがあるのか、主なものを13点ご紹介します。
土地の査定価格を決める際には、その土地がどのように利用できるかが大きく影響します。所有する土地だからといって、勝手に好きなように建物を建てていいというわけではありません。建築基準法や都市計画法、政令、条例などによって、その土地に建ててよい建物の種類や建物の高さなどに制限があります。
こういった法令上の制限が土地の価格に影響します。具体的には、建物を建てることができない区域は価格が安くなるなどの例があります。
通常はその土地が駅に近いほど通勤や通学の利便性が高いため、評価が高くなります。また駅前は商業施設が多く、日々の買い物や用事に便利なため、駅近の土地は評価が上がる傾向があります。
具体的には、徒歩10分(800m)を基準として、最寄り駅やバス停に近いほど査定の評点が上がり、徒歩10分以上かかってしまう場合は評点が下がる傾向にあります。
バスの運行状況なども加味されます。駅から徒歩30分でも、5分おきに発着するバス停が目の前にあれば評価はプラスになります。
スーパーや商店街など、日々の買い物に便利な商業施設があるかどうかも評価に影響します。商業施設が無理なく歩いて行ける徒歩5~10分(400~800m)の範囲内にあると、評価が上がります。
学校や病院、役所、公園など、生活に密着した公共施設が近くにあるかどうかも土地の価格に影響します。これらが近い方が評価は良くなります。具体的には徒歩10分(800m)以内に、生活のための公共施設が揃っているほど利便性が高いため評価が上がります。
道路と接している間口が2m以上ない土地は、建築基準法で「再建築不可」となってしまうため、地価が下がってしまいます。
その土地がどんな形をしているか、土地の形状も地価に影響します。一般的には、正方形や長方形などの「整形地」という形状の土地は、建物が建てやすいため評価が高くなります。
逆に評価が下がるのは、土地の一部が斜めになっていたり、鋭角があったりなど形が整っておらず建物が建てにくい「不整形地」です。ただし不整形地は、面積が広いほど形状の影響は少なくなります。
整形地であっても、間口が狭く奥に細長い土地(いわゆる「鰻の寝床」)や、奥まった場所にある「旗竿地」などは、建物が建てにくく、評価は高くなりにくい傾向があります。
また、土地の広さも価格相場に影響します。
例えば法令上、マンションやオフィスビルなどの大きな建物を建てることができるエリアでは、広い土地は希少性が高いので、面積あたりの地価は上昇する傾向にあります。
しかし、どんな場所でも「広いほど価格が上がる」というわけではありません。その地域で使いやすい広さかどうかというのが肝心です。例えば戸建て住宅が多いエリアでは、戸建て住宅が建てやすいくらいの大きさで整備されている土地は評価が高くなりやすく、逆に家を建てるには広すぎる土地や、狭すぎて狭小住宅を建てるのも難しい土地などは、評価が下がってしまいます。
接面道路と敷地との高低差も土地の査定価格に影響を与えます。
土地が道路よりもやや高い場合は特に問題はありませんが、高すぎる場合は道路との間に階段を作らなければならないので、マイナス要因になります。
また、土地が接面道路よりも低い場合は、排水のため敷地内で下水を汲み上げる必要があるため、価格が下がってしまいます。
幅員とは道路の幅の広さのことをいいます。査定を依頼する土地が接している道路の幅員も査定に影響します。
建築基準法では接面道路の幅員が4m以上ないと建物を建てられないため、幅員4m未満の土地は評価が下がってしまいます。幅員は一般的には広いほうが評価は高くなりますが、あまり交通量が多い道路だと生活しにくいと見られマイナス要因になることもあります。
また、接面街路の舗装状況も影響します。コンクリートやアスファルトなどで完全に舗装されていると評価が上がり、未舗装(砂利道など)だと評点が下がるといった傾向があります。
日当たりが良い土地や、風通しの良い土地の評価は高くなります。逆に、日当たり・風通しが悪くて、ジメジメした土地は評価が下がる傾向があります。
特に住宅地では、南東の二面または三面が道路に面していて採光量や日照条件にすぐれている場合や、通風を遮る障害物がない場合には、周辺の土地に比べて評価が上がりやすくなります。
日照や通風には隣接地の状況も影響します。例えば隣接地が、公園や低層の住宅地の場合は、日照や通風などの環境面で有利になります。逆に工場や高層ビルなどが建っていると、日照や通風が悪くなり、評価は下がります。
現在は建物がなくても建築計画があって日当たりが損なわれる可能性がある場合は、それを加味して評価されます。
その土地の眺望や景観も土地の査定価格に影響します。高台、海や山が見えたり、夜景を楽しめたりするなど、眺望や景観にすぐれている場所は評価が上がります。ただし、眺望や景観が良い場所であったとしても、がけ地の近くは災害リスクが高くなってしまうので評点が下がってしまいます。
土地の価値を評価する際、周辺の環境は大切です。特に嫌悪施設の有無が重要なポイントになります。
嫌悪施設とは、環境に悪影響を及ぼす可能性のある施設で、近隣に嫌悪施設があることで土地の価格は下がってしまいます。具体的な嫌悪施設には、汚水処理施設、ゴミ焼却場、火葬場、墓場、ガスタンク、大規模な変電所などが挙げられます。
嫌悪施設に明確な定義はありません。不動産売買時には「重要事項説明」の対象となり、買主様の価値観や世間的な評価によっては減価の要因となることもあります。
また、騒音や振動も評価に影響するポイントです。例えば、窓を閉めた状態でも聞こえる騒音があれば査定はマイナスになります。ほかにも、振動の程度、幹線道路や鉄道の近接性などが評価に影響します。
ガスや飲用水などの供給施設や、上下水道などの設備を利用できるかどうかにより評価が変わります。以前に建物が建っていた土地なら不要ですが、そうでない土地の場合、建物を建てようとすると、新たに上下水道やガスを整備しなければなりません。
上下水道管や都市ガスがない場合の引き込みにかかる工事費などは、多くは買主様が負担することになります。その負担分、土地の評価が下がる傾向にあります。
その土地に、コンクリート片・廃材・ゴミなどがある場合や、埋蔵文化財が発見された場合、建物を立てる際に余計なコストがかかるとみなされ、土地の評価価格にマイナスの影響があります。
その土地が人間にとって有害な物質によって汚染されている状態である場合、評価は著しく下がります。買主様に土壌汚染の浄化のコストがかかってしまうだけでなく、土壌汚染されていたという心理的な嫌悪感からくる価値の低下は避けられません。
土壌汚染に関しては、不動産仲介会社が行う無料査定においては調査の対象とはならず、専門機関による調査が必要となります。
これまで土地の査定額の計算方法や価格を左右する項目について見てきました。実際に土地売却を検討する際には、こうした点を踏まえたうえで、プロである不動産仲介会社に査定を依頼していきます。
不動産仲介会社に土地査定を依頼する場合、どういった点に注意すべきなのでしょうか。信頼のおける不動産仲介会社を選ぶためにも、不動産の査定前に知っておくべき注意点を確認しておきましょう。
査定依頼時に注意すべき点の1つ目が、必ず複数の不動産仲介会社に依頼するという点です。
不動産仲介会社によって土地の査定方法に違いがあります。同じ土地の査定を依頼したとしても、会社ごとに査定価格が異なるというケースがよくあるのです。仮に1社のみに査定を依頼し、その会社が割安な査定価格を提示していたとすれば、本来はもっと高く売れるはずだったのに損をしてしまうという結果になりかねません。
また、一般の人では提示された価格が高いのか安いのか判断がつきにくいため、複数社に査定依頼をして相場を知るというのも大切です。
査定価格でそのまま売却できるわけではありませんが、売出価格の基準にはなりますので、必ず複数社に査定を依頼しましょう。その際には、複数の不動産仲介会社にまとめて依頼できる不動産一括査定サイトを活用するのがおすすめです。
複数の不動産仲介会社に査定依頼をして相場を知ることも大切という話をしました。査定額は高ければいいというわけでもありません。高すぎず安すぎない、相場に見合った適正な価格で売却するのが望ましいのです。
過去に実績があって高い価格でも売却できる自信のある不動産仲介会社であれば問題ないですが、売主様に気に入られて今後の仲介契約を取る目的で、わざと他社よりも高めの査定額を提示する会社もあります。
不動産仲介会社から査定額を提示されたら、金額の合理的な根拠を明確に確認するよう心がけましょう。
実際に土地を売り出す際に提示する価格を「売出価格」といいます。
売却しようとしている土地とまったく同じものは存在しないため、土地には定価が存在しません。そのため、売出価格は最終的には売主様が納得のいく価格で判断します。ただ高すぎても買主様が見つからず、安すぎれば売主様が損をしてしまいます。そこで売出価格は、不動産仲介会社が提示した査定価格をもとに、売主様が希望する価格を加味して決めるのが通常です。
買主様が見つかり、売却する際には売主様と買主様とで価格交渉をするため、売出価格は、実際にその土地が売れた成約価格とは差があることがほとんどです。
一口に不動産仲介会社と言っても、会社ごとに得意分野が異なります。
土地や建物の売却に強い会社もあれば、賃貸物件の仲介に強みのある会社もあるでしょう。また、鉄道会社系の不動産仲介会社が沿線エリアを得意としているケースなど、特定のエリアに大きな強みを持つ不動産仲介会社もあります。
こうした不動産仲介会社ごとの得意分野を理解したうえで、土地の売却に強く、対象物件のあるエリアで実績のある会社を選ぶようにしましょう。
土地の査定とその後の売却活動は、結局は人間が行うものです。信頼できる担当者でなければ大切な土地の売却を任せることはできないでしょう。担当者が信頼できる人物かどうかを見極めるため、以下のポイントをチェックしましょう。
また、トラブルやリスクに対する会社としてのサポート・フォロー体制が整っているかどうかも注意するべきポイントです。
「資金計画」「売却後の税務相談」など、売却までの計画や売却後の不安要素を考慮した提案・アドバイスを行ってくれる不動産仲介会社なら、初めての不動産売却でも安心の取引につながるでしょう。
ここまでお伝えしてきたように、土地の価格はさまざまな条件を踏まえて決まるものです。売却を考えている場合は、土地・不動産の専門家である不動産仲介会社にしっかり査定してもらって、複数の意見を参考にしながら売出価格を決めるのがいいでしょう。売却を成功させる第一歩は、信頼と実績のある専門家に査定を依頼することです。
不動産仲介会社に依頼するためには、不動産大手6社が運営する不動産一括査定サイト・すまいValueの活用がおすすめです。
公認 不動産コンサルティングマスター・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
株式会社 髙野不動産コンサルティング 代表取締役、株式会社 アーキバンク 取締役。不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、不動産ファンドのAM事業部マネージャーとして従事。現在は不動産コンサルティング会社を立ち上げ、投資家や事業法人に対して不動産コンサルティングを行いながら、建築・不動産の専門家で形成される株式会社アーキバンクの取締役として、業界において革新的なサービスを開発・提供している。
宮本弘幸
宅地建物取引士
1960年石川県加賀市生まれ。大学卒業後、大手ハウスメーカーの営業として20年勤務した後、地元、金沢小松、加賀で不動産・住宅の営業に携わる。2016年より、石川県小松市にて、株式会社みやもと不動産を開業。お客さまのニーズをよく共有し、最適な提案を行う営業スタイルで、お客さまに愛される不動産業を心がけている。宅地建物取引士のほか、ファイナンシャルプランナー(AFP)、相続診断士などの資格を保有。
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