家を売る際、その家にかかっていた固定資産税を「誰が・いくら負担するのか」を決める必要があります。契約から決済へと取引が進んで行く中で、売主・買主の間で誤解が生じないよう、家を売った際・買った際の固定資産税の取り扱いについて解説します。
固定資産税は、毎年1月1日を基準日とし、土地や家屋などの固定資産を所有している人(所有者として固定資産課税台帳に登録されている人)に課税される税金で、税額はそれぞれの資産の評価額に応じて決まります。税の種類としては「地方税」に分類され、固定資産が所在する市町村に市町村税(東京都23区内は都税)として納税します。
先述の通り、固定資産税の納税義務者は1月1日時点の所有者(固定資産課税台帳に登録されている人)で、1年分の税額が記載された納税通知書が4~6月頃に納税義務者の元に届きます。そのため、たとえば1月2日に所有者が変わった場合でも、1月1日時点の所有者(売主)が1年分の固定資産税を納めなければならないため、売主に税負担が偏ってしまいます。
そこで不動産の取引では所有権移転の日を基準として、年税額を365日の日割りで計算し、買主が負担する税金を売主に現金で支払うのが通例になっています。ただ、年税額を月割りで計算することや、値引きのかわりに売主が全額負担することもあるため、誤解がないよう契約前に確認しておくことが大切です。
固定資産税の負担についてはすでに紹介しましたが、固定資産税を日割り計算する方法は地域によって異なり、関東方面ではその年の1月1日〜12月31日の期間、関西方面では4月1日〜翌年3月31日の期間で計算するのが慣習になっています。そのため、たとえば8月1日に所有権の移転が行われた場合、買主が負担する固定資産税は、関東方面では8月1日~12月31日までの5ヶ月分に相当する額、関西方面では8月1日から翌年の3月31日までの8ヶ月分に相当する額になります。こうした計算は不動産仲介会社がしてくれますので、あらかじめ確認しておくといいでしょう。
不動産を売買すると税金の負担が気になりますが、うっかり見落としてしまいがちなのが「固定資産税」です。築年数が経過した中古物件であれば買主の税負担もわずかで済みますが、新築や建物の評価額が高い物件は思わぬ出費にびっくりする人も少なくありません。
売買を仲介してくれた不動産仲介会社は、決済の前に必要な費用の見積を提示してくれるはずです。そこには固定資産税の負担額についても記載されていると思われますので、事前に確認しておくといいでしょう。
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斎藤 勇
ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士
保険や貯蓄、住宅ローンなど、お金にまつわる疑問や悩みごとの相談に応じている。不動産取引では不動産投資を通じて得た豊富な取引経験をもとに、売り手と買い手、貸し手と借り手、それぞれの立場でアドバイスを実施。趣味はマリンスポーツ。モットーは「常に感謝の気持ちを忘れずに」。
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